2016年12月13日火曜日

アナウンサー&アニメ歌手

 個々の単語の発音のあり方を考えるとき、テレビ局やラジオ局のアナウンサーさんの影響力は絶大です。特にNHKは、良くも悪くも権威があります。
 過去投稿の繰り返しになりますが、個々の単語の発音について局側から指導を受けることは基本的に無いらしいし、自学自習の基準となるであろうアクセント辞典でも、「アニメ」という単語の平板発音はしっかり認められています。
 平板発音されるNHKアナウンサーさんは、1970年代のアニメブームの頃から決して少なくはありません。過去投稿でも触れた山根基世さん(1989年に実例あり)のほか、上田早苗さん(2001年に実例あり)などです。最近は世代を問わず起伏発音が大半になっていることが大変残念なのです。以前のように平板発音する人がもっと増えてくれることを願ってやみません。

 また、アニメ歌手(アニソン歌手)についても、同様です。大御所クラス(例:水木一郎さん、佐々木功さん、堀江美都子さん)は当然に平板発音ですが、最近の人は起伏発音している人が少なくありません。りっぱな業界関係者なのだから、テレビなどでの露出も多いのだから、先輩たちを見習って、どうか誇りを持って、積極的な平板発音で世間をリードしてほしいと思います。

 NHK「スタジオパークからこんにちは」
   https://youtu.be/M5zB8SAF-r4



評論家など

 過去投稿で触れた方々以外にも、平板発音をされる(ことが多い)方は大勢います。
 例えば、評論家の宮崎哲弥さん東浩紀さん、精神科医の斉藤環さん香山リカさん、タレントの山田五郎さん乾貴美子さん、ミュージシャンの大槻ケンヂさんなどです。あげればキリがありませんが。このほか、大学教授などの学識経験者でも決して少なくはありません。
 これだけ多くの方が過去から平板発音していることからみても、決して平板発音がアニメ業界関係者やアニメファンだけの特殊な発音ではないことは、わかっていただけるでしょう。だからこそアクセント辞典でも、平板発音が正式に認められているのです。
 現在起伏発音されている方々(特に若者)のうち、アニメに関心のある方、アニメに仕事などで直接関わりのある方は、違和感を持つことなく平板発音者に馴れていってもらいたいと思います。そしてご自身も一度試しに平板発音をしてみてください。きっと「通」の仲間入りをしたような気分になれると思います。決して強制ではありませんが。

 NHK「BSアニメ夜話」
  https://youtu.be/Jl38dUZiwAg 


2016年12月7日水曜日

げんしけん

 原作漫画が先頃完結した「げんしけん」は、大学のアニメ関連サークル「現代視覚文化研究会」を舞台にした青春群像劇です。2004年と2007年の2度(さらに2013年には続編の「げんしけん2代目」も)テレビアニメ化されています。
 本編中に「アニメ」という単語が違和感無く登場しますが、その頻度は意外と少ないです。非アニメファンのキャラでなくても起伏発音されているシーンもあるにはありますが、基本的にはアニメファン設定の各キャラはちゃんと(原作の記述同様)平板発音しています。音響監督さんの指導があるかもしれませんが、当時の声優さんたちはきちんとしていたわけです。
 2005年前後の「電車男」ブーム以降、アニメファンやオタク自体をテーマにした作品(アニメ、実写とも)が珍しくなくなりました。しかし、この「げんしけん」と違い、アニメファン(オタク)のくせに平然と起伏発音するキャラ(声優さん)が後を絶ちません。どうしてこうなっちゃったんでしょうか?きちんと「げんしけん」に倣って平板発音を徹底するよう、音響関係者(音響監督、声優など)の方々には強く意識してほしいのです。
 
  https://youtu.be/N4xKxlzL9a4
  (著作:現視研研究会、コミフェス準備会)
  (※諸般の事情により、音声のみです。)

2016年11月4日金曜日

落語家

 落語家(噺家)の立川志の輔さんは、NHKテレビ「(ためして)ガッテン」の司会も務め続けているなど芸歴も30年を越え既に60代の方です。
 アニメのアフレコも21世紀になってから映画「かぐや姫の物語」などで経験されていますが、実は昔から「アニメ」をきちんと平板発音し続けている方なのです。
 きっとアニメに理解のある方なのでしょう。とてもうれしいです。
 それなのに相手方(?)の業界関係者が起伏発音している例に出くわすことがあります。1997年にナレーションを務めたテレビ番組「ドキュメンタリー人間劇場」では作家(評論家)の岡田斗司夫さんが、また、今年2月にご本人の冠ラジオ番組「志の輔ラジオ落語DEデート」では今年1〜3月に放送された本格落語アニメ「昭和元禄落語心中」出演声優の林原めぐみさんが、それぞれ起伏発音を連発しているのは何とかならないものでしょうか?
 せっかく一般芸能人(この場合は落語家)さんが正統な発音をし続けてくれているのに!

  テレビ 
   テレビ東京系「ドキュメンタリー人間劇場」
      https://youtu.be/8bxBPVxij-A
  ラジオ
   文化放送「志の輔ラジオ落語DEデート」
     https://www.youtube.com/watch?v=JfO44BDF1v8
      (他者投稿のためリンクはしていません)
  

アオイホノオ&BSアニメ夜話

 漫画「アオイホノオ」は、1980年代初頭のアニメブームの頃の実在するオタクたちの青春群像劇で、原作者である漫画家島本和彦さんの自伝的な作品です。2014年7〜9月にテレビドラマ化もされました。
 このドラマがひどかった!「まとめ」ページにも書かせていただいているように、当時のアニメファンの若者たちは基本的に平板発音だったのに、そのような時代考証が全くなされておらず、あろうことか登場する若者役の役者たちが起伏発音ばかりだったのです!!
 ドラマには島本さんご本人も中年キャラとして出演。役者の発音について問題視しなかったのでしょうか?
 島本さんは、少なくとも2007年の「BSアニメ夜話スペシャル・とことん!あしたのジョー」に出演された際ちゃんと平板発音を連発されています。1980年代も当然同様だったと思われます。それなのに・・・

  NHKBSアニメ夜話」
    https://youtu.be/pjpNRot-8Ys



2016年10月28日金曜日

コミケ当選

世界最大の同人誌即売会「コミックマーケット(通称コミケ)」。
今冬の「コミケ91」でのサークルスペースを確保できました!
2日目(12月30日(金))「アニメ(その他)」「Q21a」
東京ビッグサイト東2ホールです。

サークルとしては初申込・初参加となりますが、最初で最後のサークル参加になると思います。
2日目(「アニメ(その他)」など)か3日目(「評論・情報」など)か散々迷いましたが、客層などを考慮して決めました。

当ブログの「まとめ」ページを冊子用に編集し直したものを無料頒布します。(前日までに少し改訂する見込みですが。)
1人でも多くの方に持ち帰っていただき、周りの人なども含めて広く読んでほしいと心底思っています。
自分自身の買物のためたぶん13時頃まで離席していると思いますが、その後は閉場まで1人でも多くの人と交流(会話ができればなお良い)するつもりです。


2016年10月25日火曜日

ベテラン声優さん4

 声優の肝付兼太さんが亡くなったとのこと。
 「銀河鉄道999」の車掌、「キャンディキャンディ」のステアなどが印象深いですが、忘れてはいけないのがラジオ「週刊ラジオアニメック」。純粋なアニメ情報番組としてはわりと最初期にあたるものです。レギュラー出演者は全員当然に平板発音していました。
 どんどんベテランが(たまに若手も)亡くなっていくのは仕方ないですが、アニメなどで若手ばかりの出演者に一人だけベテランが混じるということも珍しくありませんが、負けずに平板発音を続け、教育・啓蒙してほしいと思いますし、若手もベテラン(先輩)を見習ってほしいものです。
 余談ですが、最近も、「タイガーマスクW」で田中亮一さんや柴田秀勝さんが出演しているのは、オールドファンには大変うれしいです。

 (再掲)
 ニッポン放送「ラジオアニメック・決定アニメ最前線」
    https://youtu.be/T7rIzn0YtGM



2016年9月19日月曜日

一般芸能人 2

 故・愛川欽也さんは、もともと声優(日本俳優連合外画動画部会所属)だった人で、その後司会業など「テレビタレント」として、故・大橋巨泉さんらと並ぶ国民的人気を博した芸能人です。アニメの出演歴も多く、昔から「アニメーション」「アニメ」という単語を積極的に使い、当然に平板発音し続けてきた人です。
 また、愛川さんと「なるほど! ザ・ワールド」で共に司会を務めていた楠田枝里子さんも、ちゃんと平板発音している本物のアニメ好き芸能人です。
 最近は、こういった人たちが少なくなってきて大変残念です。こういう有名人がもっと積極的に平板発音を披露する機会が増えてほしいと思いますし、こういった先輩たちを今の若い芸能人も見習ってほしいと思います。

  愛川欽也
   テレビ朝日系「キンキンのとことん好奇心」
       https://youtu.be/IsZsrwo4K_8
       https://youtu.be/0Cyyzwr2oF0
       https://youtu.be/qsEouf8GFwg

  楠田枝里子
   テレビ朝日系「水曜特バン」
       https://youtu.be/Do_zCUSAQHk



2016年9月3日土曜日

一般芸能人

 一般芸能人の中でも、もちろん平板発音している人は少なくないです。昔に比べて減っているようなのが残念ですが、まだまだ捨てたものではありません。
 例えば、市川紗椰さん(「芸能人」かどうか微妙ですが、モデルが本業でニュース番組レギュラーでもあります。)は、平板発音が徹底していることで私が大変好感を持っている人の一人です。昨日(9月2日)もBSアニマックスの「聖戦士ダンバイン」特別番組で富野由悠季監督と対談していましたし、芯がしっかりした「本物の」アニメファンですね。
 また例えば、竹下景子さんは、アニメ出演歴もある(例えば「火の鳥」は1980年の劇場版も2004年のテレビ版も担当)中で、最近でもちゃんと平板発音してくれています。アニメブーム(1977〜1983年頃)当時から直接関係している人はやはり違いますね。
 さらに例えば、船越英一郎さんは、アニメ出演歴も一応あります(例えば2009年の新作「ジャングル大帝」)けどあくまで実写ドラマの俳優さんですが、数年前のBSアニマックスでの特別番組の司会で徹底して平板発音していたことに大変好感を持ちました。1960年生まれなので世代的には私と同じ「アニメファン第1世代」に当たりますし、「ああ、この人は本物(のアニメ理解者)だな」と。
 総じて、アニメブーム当時から直接関係していてもいなくても、若い人でも年配の人でも、平板発音はちゃんと生きています。それは、アニメが真の「文化」として確立する未来をまだ信じられるギリギリの状況と感じています。そのためにも、特に若い芸能人で自分は本物のアニメファンだと自覚・公言しているような方たちには、ぜひ見習ってほしいものですね

 (※諸般の事情により、動画投稿はありません。)

2016年8月4日木曜日

さすが角川

 角川書店グループ(現カドカワ)は、今年40周年を迎える映画製作をはじめ、メディアミックスに熱心なことで定評があります。インターネット配信やアニメ聖地巡礼にも理解が深いことでも有名です。
 その会長(すなわちトップ)である角川歴彦さんが出演しているテレビ番組を本日視聴しました。BSイレブンの報道番組「報道ライブINsideOUT」です。「アニメの聖地に外国人 KADOKAWAの挑戦」と題された約35分にわたる特集でした。聖地巡礼などに訪れる外国人に対して、「トリップアドバイザー」としての役割を果たし、「アニメ聖地88カ所巡り」の候補地を雑誌公募中で、埼玉県所沢市にその拠点建設も計画中といった話でした。放送の中で、「アニメ」という単語を数回発音され、すべて平板でした。(しかも一方で、「ドラマ」はおろか「ネット」さえも起伏発音なのにでした。)
 出版業界、とりわけ角川のように漫画・アニメ関連も多い出版社であっても、意外と起伏発音の人も少なくないようですが、さすがはメディアミックスのパイオニアですね。角川春樹さんなどがどうだったか記録・記憶は定かではありませんが、トップがきちんと平板発音してくれていることは心強いです。これを見習い、漫画雑誌出版社が登場するアニメやドラマなどでも、ちゃんと平板発音を心がけてくれるとうれしいですね。(悪い例としては2010〜2013年にNHK教育で放送されたアニメ「バクマン」があります。雑誌編集者の発音が一時平板だったのが起伏になっていってしまったのが、大変残念な思いをしていました。)

 (※諸般の事情により、動画投稿はありません。)

2016年8月3日水曜日

アイドルタレント

  先日アニマックスにて29時間連続放送された「東映アニメーション創立60周年記念特番」。各コーナーの最後(&中途)に入る声優コメントの面々がすごかった!
 でもそれ以上に良かったのは、サブMCのでんぱ組incのメンバーの一人が、「アニメ」をちゃんと平板発音し続けていたこと。もともとアキバ系の要素が強いグループとはいえ、最近の若いアイドルタレントではむしろ珍しいくらいですね。このままどうか決して同調圧力に負けず平板発音を貫き、回りの芸能人などを感化していってほしいものです。
 また、メインMCを務めたケンドーコバヤシさんは、前半は意識して平板発音しているような印象を受けました。「おや?何かあった?でも、良い傾向だね!」と思ったけど、最後はいつも通り起伏発音に戻ってしまっていたのが残念。

 (※諸般の事情により、動画投稿はありません。)

2016年7月23日土曜日

ベテラン声優さん3

 林原めぐみさんは、第3次声優ブーム(1992〜1999年頃)を代表する大人気声優で、今年デビュー30周年を迎え、名実共に「ベテラン」の域に達していると思われる大物声優です。裏方に徹しようとする確かなポリシーや飾らない人柄から、私も昔からの大ファンです。水樹奈々さんが声優アーティストとして成功を収めていますが、CD1種類ごとの実売枚数では(時代が違うとはいえ)現在でも林原さんの記録が超えられていないのは、(林原ファンとしては)少し鼻が高いかも。 
 もちろん昔から平板発音している人なのですが、どうも近年そうではなくなってきているようで、大変残念です。少なくとも2009年頃まではラジオでも平板だったのに(最近はラジオを聴いてないので現状は不明ですが)、どうしてなんでしょう?ほぼ同期で共演も多い山寺宏一さんなんかあれだけ顔出しが多いのに平板発音が徹底しているので、それを見習ってベテランらしく振る舞っていただきたいものです。

 つい最近のテレビ番組でも、高山みなみさんとか三石琴乃さんとか起伏発音でナレーションをしているのに出くわしました。井上喜久子さんも昨年の水樹奈々さんの番組で起伏発音だったのがショック。これまでに触れた日高のり子さん・古谷徹さんとも共通しているのが、皆さん「名探偵コナン」出演者ということ。出演者どうしでの交流イベントも多いらしいし、その辺に原因の一端があるのかなあ?
 
  テレビ朝日系「徹子の部屋」
    https://youtu.be/cybMEnUR9Po

  NHK「トップランナー」
    https://youtu.be/zbdYC-ddxAU


2016年7月19日火曜日

ベテラン声優さん2

 古谷徹さんは、押しも押されぬベテランのアニメ声優の一人です。
 アニメブームの頃はラジオのアニメ情報番組(アニラジ)でも大活躍でした。最近も、ガンダム関連のイベントや番組などで引っ張りだこで、名古屋で開催される世界コスプレサミットの審査員も務めているなど、幅広く活躍中です。
 近年、そういった番組などで起伏発音される例が目(耳)につきます。少なくとも2000年代半ば頃までは平板発音されていましたし、「どうしちゃったの?」と思わざるを得ません。
 アニメ文化の担い手の一人としてきちんと平板発音を続けていただきたいですね。

  
  アニメブーム時のラジオ https://youtu.be/drVLbVg5_ws
  (ニッポン放送「'82アニメゆく年くる年ベストヒットパレード」)

  2000年代半ば頃のテレビ https://youtu.be/sNoCzYb_cZo
  (アニマックス「Gシアター」)
 

2016年7月17日日曜日

鳥越俊太郎さんも

 今注目(?!)の鳥越俊太郎さんは、現在のマスメディアで数少なくなった「物言えるジャーナリスト」で、ニュースキャスターの経験も長い方です。
 テレビ朝日系「ザ・スクープ」でアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」旧劇場版公開時(1997年夏)に「エヴァの熱い夏・そしてみんな語り始めた」という特集が放送されました。この中で、非常識と思えるくらいラフな格好の庵野秀明監督に対しスーツ姿でロングインタビューをしていたほか、エヴァに魅かれる若者の心境について的確な考察をされていたのが印象に残っています。「アニメ」の発音機会は1回のみでしたが、しっかり平板発音でした。
 アニメに理解があるだけでなく、漫画「ゴルゴ13」の大ファンであるなど漫画にも理解のある方で、筑紫哲也さんなどと同様、「わかっている人はやはり違う」とうならされました。

  テレビ朝日系「ザ・スクープ」
   https://youtu.be/esOLIMmOrb8


2016年7月9日土曜日

本職じゃなくても (こどものおもちゃ)

 1996〜1998年にテレビ東京系で全102話放送されたテレビアニメ「こどものおもちゃ」は、小学生(&中学生)タレントの主人公倉田紗南役をはじめ本職ではない声優も数多く出演していました。本放送は全く視聴していませんでしたが、大地丙太郎監督(声優としても出演、EDの作詞も)の出世作であり、ハイテンションギャグとシリアス展開とのメリハリが心地よい作品でした。特に、倉田紗南役の小田静枝さん(元々はラジオパーソナリティー)は本当にはまり役で、この人なしには当作品は成り立たないと言ってよいくらいの熱演ぶりが大変印象的でした。
 芸能界を背景にした作品のためもあり、当時としては珍しく本編中に「アニメ」という単語が数回登場します。本職ではない声優3人(小田静枝さん、引田とも子さん、ぜんじろうさん)に発音機会があり、ほぼ全回平板発音でした。特に小田静枝さんは、「ドラマ」を起伏発音はしても「アニメ」を徹底して平板発音していたことには、大変好感が持てました。
 最近の本職のアニメ声優さんたちや当作品の大ファンという某ラジオ局アナウンサーさんなども、少しは見習っていただきたいものです。

  テレビ東京系「こどものおもちゃ」
   https://youtu.be/nBoy5DNzOxI
  

2016年6月26日日曜日

ベテラン声優さん

 アニメブーム・第2次声優ブーム(1977〜1983年頃)時はもちろん第3次声優ブーム(1992〜1999年頃)以前から活躍している声優さんは、「ベテラン」と言ってよいと思います。アニメ出演中心のベテラン声優さんの大半は、当然に「アニメ」を平板発音してきています。ところが、近年異変が起きています。何と起伏発音する例が見受けられるのです。
 日髙のり子さんは、そんな中の1人です。子役・アイドルなど芸歴も長い人ですが、以前は確かに「アニメ」を平板発音されていたのに、近年はナレーションなどで起伏発音されているのです。
 例えば、NHK-BS1で今年1月17日放送の「COOL  JAPAN」の「声優」の回。司会の鴻上尚史さんやゲストの荒俣宏さん(お2人とも異業種クリエイター) がしっかり平板発音しているのに、よりによって本職の声優が起伏発音しているなんて!
 どうか、アニメ文化の担い手としての自信と誇りを持って、以前のように平板発音していただきたいです。
 (正直、日髙さんはじめ例えば「名探偵コナン」に出演しているようなベテラン勢の今現在の発音が気になります。)

 (※諸般の事情により、動画投稿はありません。)

 ※参考(再掲)
  NHK「アニメ三銃士」 
   https://youtu.be/NyEel86vKyE
  NHK「土曜倶楽部」
   https://youtu.be/LQ3CnWRUbrM

2016年6月25日土曜日

アニメ三銃士と「アニメ」三銃士

 日本語において、熟語(複合語)の発音では、アクセントが移動します。一部の例外を除き、前につく語ではなく後ろへつく語の冒頭(せいぜい前につく語の末尾)にアクセントが来ます。
 したがって、「アニメ◯◯◯」といった複合語は、それが複合語として意識されている限り「アニメ」の「ア」にアクセントがくることはあり得ず平板となります。(逆に「◯◯◯アニメ」の場合は、起伏発音で必ず「ア」にアクセントが来ます。)
 もし起伏発音する人がいたら、その人は複合語ではなく独立した別の単語として意識していると考えられます。その単語を特別に強く意識しているとさえ言えます。

 NHK総合テレビで1987〜1989年に放送された「アニメ三銃士」は、正式作品名に「アニメ」が入った希少な例ですが、これは完全な複合語扱いと言えます。当然に、出演声優さんたちも次回予告などで平板発音していました。NHKアナウンサーなどによる番組告知も、残念ながら手元に記録が残っていませんが、平板だったと記憶しています。
 1988年のNHK教育「土曜倶楽部」の声優体験特集では、司会のいとうせいこうさんが、「アニメ」を平板発音する一方、「アニメ三銃士」を「ア」にアクセントを置いて発音していて驚きましたが。
 
 ところが近年のNHK(に限りませんが)は、実写版などが先に公表されていない作品でもやたら「アニメ・◯◯◯」と新聞発表などでも記述するようになり、それらは番組告知などではほぼ例外無く起伏発音なのです。
 複合語ではなく別々の単語扱いだからでしょうが、アニメがいまだ特別扱いされていることの証左ですね。記述で特別扱いするから、それを発音する際でも意識して起伏になりがちなのです。人々の意識・認識が表れる好例です。そうまでしていちいち頭に「アニメ」をつけないでほしいものです。
 
  NHK「アニメ三銃士」 
   https://youtu.be/NyEel86vKyE
  NHK「土曜倶楽部」
   https://youtu.be/LQ3CnWRUbrM

 

2016年6月19日日曜日

赤塚不二夫さんも

 漫画家では、例えば赤塚不二夫さんは、しっかり平板発音でしたね。
 アニメブーム末期の1984年12月27日にテレビ東京系で放送された「面白アニメランドの年末特番にも出演していましたが、数回の発音はすべて平板でした。なお、同番組には、多くの一般芸能人が出演していましたが、全員がみごとに平板でした。ここまで徹底しているのも実は珍しかったりもしますが。

 とにかく、昔(アニメブームの頃)は、芸能人やアナウンサーや学識経験者も含め、平板がごく当たり前だったのです!!
 特に今の若い人たちには、こういう歴史的事実をちゃんと知ってほしいですね。

  テレビ東京系「面白アニメランド」   
    https://youtu.be/SWfI3VNnmyQ  


かの手塚治虫さんは

 かの手塚治虫さんは、数多くのドキュメンタリー番組などでも明らかな通り、最後まで起伏発音でした。
「まとめ」ページに書かせていただいた通り、これは手塚さんがあくまで「漫画家」すなわち異業種の人であることの証左と考えます。アニメと漫画は別の文化なのですから。

と思いきや、実は実は、何と平板発音してることもあったことを最近確認しました!
 1985年から現在まで原則2年ごとに開催されている国際映画祭「広島国際アニメーションフェスティバル」。手塚さんはここの常連参加者(といっても亡くなるまでの2回)でもありました。NHKの「ニュースセンター9時でその第1回開催の告知ニュースが流れましたが、その中でインタビューを受けており、「アニメ」という単語を4回口にし、最後の1回以外は平板発音だったのです。
 私の知る限りこのときだけです平板なのは。でも、嬉しい驚きでした。

 ちなみに、そのニュースを伝えたのは当時の同番組の人気キャスター宮崎緑さんですが、発音機会はありませんでした。


  NHK「ニュースセンター9時」
   https://youtu.be/h66gttOTiGg  


2016年6月18日土曜日

ラジオ局アナウンサーも

 ラジオでもいわゆるアニラジ(アニメ情報番組やアニメ声優個人の冠番組)などがたくさん放送されています。かつてのアニメブームの頃(1980年代前半)は、総合的なアニメ情報番組が大半でした。片っ端から聴いて、一部(たまに全部)を録音していました。
 それらの番組では、DJ(パーソナリティー)を務める声優のほかラジオ局アナウンサーなども、しっかり平板発音している人が多かったです。

 例えば、1982年10月9日に東海ラジオの「週刊ラジオアニメック」の後を受けて始まったニッポン放送ほか数局でネットされた「ラジオアニメック・決定アニメ最前線」。ニッポン放送アナウンサーのはた金次郎(通称:はた金)さんがメインで、当時のアニラジに出まくっていたアニメレポーター岡本リン子(りん子?)さん、人気声優の小山茉美さんと3人でやっていました。はた金さんもリン子さんも、当然に平板発音でした
 はた金次郎(本名は波多江孝文)さんは、「オールナイトニッポン電話リクエスト」「不二家歌謡ベストテン」なども担当した同局の人気アナウンサーでしたが、現在もフリーでご活躍中らしいです。岡本リン子(りん子?)さんは、今どうしているのでしょうかね?

 最近は、作品別やキャスト別などが大半で総合的な情報番組は皆無に近いようですが、よく知りません。平板発音していない人も多いのでしょうか?イベントの司会をする人なども少なくありませんが、どうか平板発音で聴取者や観客の意識・認識を啓蒙していっていただきたいですね。

  ニッポン放送「ラジオアニメック・決定アニメ最前線」
   https://youtu.be/T7rIzn0YtGM

  

テレビ局アナウンサーも

 民放アナウンサーとして、例えばテレビ朝日社員当時の古館伊知郎さん平板発音だったことは既に触れていますが、NHKアナウンサーでも平板発音している事例はちゃんとあります。
 山根基世さんは、元NHKで、アナウンス室長も務めるなど、キャリアの長い人です。例えば、(現役NHK局アナとして)ナレーションを担当した1989年放送の単発ドキュメンタリー番組「日本マンガ海を渡る」では、しっかり平板発音でした。
 先に触れたアクセント辞典でも、起伏平板のいずれでもよい形になっており、少なくとも現在はアナウンサー個人の判断に委ねられているようです。であれば、せめてかつてのアニメブームを知っていてアニメに理解がある人なら、皆さん積極的に平板発音していただきたいと思います。

  NHK「日本マンガ海を渡る」
   https://youtu.be/oT2hi1QKvT8

ニュースキャスター

 ニュース番組でも「アニメ」という単語が登場することは珍しくありません。
 先に古舘伊知郎さんを取り上げさせていただきましたが、古館さんはつい最近までテレビ朝日系「報道ステーション」でご活躍でした。申し訳ありませんが、同番組はほとんど視聴しておらず、「アニメ」という単語の発音が平板だったかどうかははっきりしません。たぶんプロレス中継時代と変わらず平板だったと信じています。

 過去のニュース番組のメイン司会者(キャスター)でも特に人気があったのが、TBS系「ニュース23」の筑紫哲也さんと、テレビ朝日系「ニュースステーション」の久米宏さんです。個人的には「「本物のジャーナリスト」筑紫哲也、「一キャスター」久米宏」という感じで、信頼度では筑紫さんの方に軍配を上げていましたが、お2人には決定的に異なる面がありました。それは、アニメに対する態度です。
 久米宏さんは、芸能番組出身で、庶民感覚を失わないわかりやすい解説力や批判力に定評があり私も大好きでしたが、ことアニメに対する態度だけは辟易しました。それこそTBS系音楽番組「ザ・ベストテン」の司会の頃から「どうして?」と言いたくなるくらい冷たかったですね。無関心というか、馬鹿にしているというか、ひょっとしたらアニメを嫌ってさえいたのかもしれません。とにかく「アニメ」という単語が発せられた記憶が無いほどです。
 筑紫哲也さんは、もともとジャーナリストで、映画・漫画など様々な現代大衆文化にも造詣が深く、アニメやアニメファンにも理解のある人でした。例えば、「もののけ姫」公開直後には宮崎駿監督との対談を放送したり、「千と千尋の神隠し」のベルリン映画祭金熊賞やアメリカアカデミー賞受賞関連では、番組冒頭でとりあげたり、多事争論でアメリカ大統領の言動と絡めて語るなど、見識や洞察の深さに感銘を受けました。それは、「ニュースステーション」での扱いの余りの軽さと見事なほど対照的でした。そして、さすがというか当然というか、「アニメ」の発音はしっかり平板でした。 

  TBS系「筑紫哲也ニュース23」
  

2016年6月17日金曜日

プロレス中継

 スポーツの実況中継でも「アニメ」という単語が発せられる機会は珍しくありません。
 例えばプロレスの世界では、1981年にテレビアニメ「タイガーマスク2世」とのタイアップ企画として、本物のレスラー「タイガーマスク」が登場しました。現在は4代目か5代目らしいですが、初代の佐山聡さんがデビューしたのが、同年4月。その後、入場テーマ曲には水木一郎さんが唄う同作品の主題歌が使われました。
 また、同時期にテレビ朝日系の「ワールドプロレスリング」の実況中継で名を馳せたのが、かの古舘伊知郎さんです。そして、同作品がらみで古館さん(のはず)が「アニメ」という単語を中継内で連発していることもあったようです。その発音はみごとに平板だったことを最近確認できました!
 なお個人的には、1970年代の「タイガーマスク」は(社会派的内容も多く)大好きでしたが、「タイガーマスク2世」にはあまり興味がわかずほとんど視聴していません。
 
  テレビ朝日系「ワールドプロレスリング」
    https://youtu.be/wCojZCr_wTY
  

2016年6月13日月曜日

アクセント辞典

 最も権威ある(?)辞典であるNHK出版の『NHK日本語発音アクセント新辞典』が去る5月に発行されていますね。18年ぶりの大改訂とのことで、「平板化」の進行なども考慮したものになるとのことで気になっていました。昨年10月の「クローズアップ現代」で取り上げられ、NHKのホームページに意見を投稿したのは私です。
 今日、本屋で確認してきました。(購入はしていません、ごめんなさい。)
 起伏平板完全に併記されていました。3音の外来語は基本的に第1アクセントになるため起伏が先に記されてはいますが、「第2アクセントなど推奨できる発音がある場合は併記」という編集方針に叶ったわけです。
 因みに、もう1つの権威ある(?)辞典である三省堂の『新明解日本語アクセント辞典』も、2014年に改訂されています。こちらも、起伏平板完全に併記されていることを確認しました。しかも、「最近の傾向の場合は「(新は)」という形で併記」という編集方針に照らせば、「(新は)」の記載は無く、古くから平板が認められていたことになります
 なお、ついでにいろいろ確認しました。「ゲーム」「ドラマ」はどちらも「起伏」のみでした。「ネット」はどちらも「平板」のみ、「レゲエ」は(三省堂は未掲載)「平板」「起伏」の順に併記でした。「映画」は意外にも「起伏」「平板」の順に併記で、三省堂版では「(新は)平板」の形でした。
 何と!「ゲーム」「ドラマ」どころか「映画」にさえ勝った(?)形です。「ゲーム」「ドラマ」に勝てて、少し嬉しくなりました。

2016年6月12日日曜日

クイズダービー

 大橋巨泉さんは、古くは「ゲバゲバ90分」の頃から気になる芸能人でした。「クイズダービー」では10年以上にわたり司会を務め、出場者(回答者に対して点数を掛ける側)についても様々な特集テーマで我々を楽しませてくれました。中でも、アニメファンの私として印象深いのは、1982年3月に「春の劇場アニメ特集」として放送された回です。ビデオテープが高価だった時代ゆえ、本放送を録画した唯一の回でした。
 巨泉さんは、数回「アニメ」という単語を発していますがすべて平板発音でした。
 この回は、「1000年女王」の潘恵子さん・戸田恵子さん、「機動戦士ガンダム3・めぐりあい宇宙」の古谷徹さん・池田秀一さん、「アラジンと魔法のランプ」(主題歌はゴダイゴ)の神谷和夫さん・鈴鹿景子さんが出場者でした。回答者側も含めいずれも、発音機会はありませんでしたが。

  TBS系「クイズダービー」

アニメブームと学校生活

 アニメブームまっただ中の1980年前後に高校生だった私は、学校でも数人のアニメファンの友人と、当然の如く平板発音で話していました。『アニメージュ』を回し読みしたり班ノートにアニメキャラのイラストを描きまくるような女子のアニメファンたちにも誰1人起伏発音する者はいませんでした。アニメに興味なさそうなクラスメートでさえも起伏発音していた者はいなかったと記憶しています。
 先生の中にも何人か、授業中に「赤毛のアン」「トム・ソーヤーの冒険」などを話題にする人がいました。発音が「起伏」「平板」のいずれかは記憶に定かではありませんが、特に違和感無く聞いていたことからおそらくは「平板」だったのではないかと思われます。
 当時は、多くのワイドショー番組で「夏休みアニメ特集」的なコーナーが放送されていました。その中の1つ「小川宏ショー」では、声優デビュー前の一アニメファンとしての川村万梨阿さんがレポーターを務めていました。もちろん平板発音です。インタビューに応じるアニメファンたちも皆平板発音でした。他番組で起伏発音するファンが出演していたこともありますが、大半は平板発音だったのです。

 フジテレビ系「小川宏ショー」 
   https://youtu.be/1PbDxk6BzR8
  

舛添要一さんも

 今をときめく(?)舛添要一さんも、少なくとも1990年代初頭には、「アニメ」を平板発音していました。
 連続幼女誘拐殺人事件のM君の影響がまだ色濃い一方、「オタク」(この時期はまだ「おたく」が一般的)をやや肯定的にとらえる動きが出てきた時期です。
 舛添さんも、当時はまだ一学識経験者(国際政治学者)でしたが、1990年夏のコミケ38(幕張メッセでの唯一の夏開催コミケ)を訪問し、同年夏に日本テレビ系で放送された「EXテレビ」内でレポートしています。「オタクは明るくて礼儀正しいし、その能力は社会の役に立つ面もある」というような言説でした。ついでに「コミケ」についてもほぼすべて平板発音でしたが。
 同番組の司会は三宅裕司さんと森口博子さんです。森口さんの発音機会は基本ありませんでしたが、三宅裕司さんは最初を除き平板発音しています。(三宅裕司さんは同時期の「テレビ探偵団」などでは起伏発音が多かったですが。)

  日本テレビ系「EXテレビ」

ごあいさつ

本日(6月12日)、このブログを公開しました。
皆様どうぞよろしくお願いいたします。