2016年6月26日日曜日

ベテラン声優さん

 アニメブーム・第2次声優ブーム(1977〜1983年頃)時はもちろん第3次声優ブーム(1992〜1999年頃)以前から活躍している声優さんは、「ベテラン」と言ってよいと思います。アニメ出演中心のベテラン声優さんの大半は、当然に「アニメ」を平板発音してきています。ところが、近年異変が起きています。何と起伏発音する例が見受けられるのです。
 日髙のり子さんは、そんな中の1人です。子役・アイドルなど芸歴も長い人ですが、以前は確かに「アニメ」を平板発音されていたのに、近年はナレーションなどで起伏発音されているのです。
 例えば、NHK-BS1で今年1月17日放送の「COOL  JAPAN」の「声優」の回。司会の鴻上尚史さんやゲストの荒俣宏さん(お2人とも異業種クリエイター) がしっかり平板発音しているのに、よりによって本職の声優が起伏発音しているなんて!
 どうか、アニメ文化の担い手としての自信と誇りを持って、以前のように平板発音していただきたいです。
 (正直、日髙さんはじめ例えば「名探偵コナン」に出演しているようなベテラン勢の今現在の発音が気になります。)

 (※諸般の事情により、動画投稿はありません。)

 ※参考(再掲)
  NHK「アニメ三銃士」 
   https://youtu.be/NyEel86vKyE
  NHK「土曜倶楽部」
   https://youtu.be/LQ3CnWRUbrM

2016年6月25日土曜日

アニメ三銃士と「アニメ」三銃士

 日本語において、熟語(複合語)の発音では、アクセントが移動します。一部の例外を除き、前につく語ではなく後ろへつく語の冒頭(せいぜい前につく語の末尾)にアクセントが来ます。
 したがって、「アニメ◯◯◯」といった複合語は、それが複合語として意識されている限り「アニメ」の「ア」にアクセントがくることはあり得ず平板となります。(逆に「◯◯◯アニメ」の場合は、起伏発音で必ず「ア」にアクセントが来ます。)
 もし起伏発音する人がいたら、その人は複合語ではなく独立した別の単語として意識していると考えられます。その単語を特別に強く意識しているとさえ言えます。

 NHK総合テレビで1987〜1989年に放送された「アニメ三銃士」は、正式作品名に「アニメ」が入った希少な例ですが、これは完全な複合語扱いと言えます。当然に、出演声優さんたちも次回予告などで平板発音していました。NHKアナウンサーなどによる番組告知も、残念ながら手元に記録が残っていませんが、平板だったと記憶しています。
 1988年のNHK教育「土曜倶楽部」の声優体験特集では、司会のいとうせいこうさんが、「アニメ」を平板発音する一方、「アニメ三銃士」を「ア」にアクセントを置いて発音していて驚きましたが。
 
 ところが近年のNHK(に限りませんが)は、実写版などが先に公表されていない作品でもやたら「アニメ・◯◯◯」と新聞発表などでも記述するようになり、それらは番組告知などではほぼ例外無く起伏発音なのです。
 複合語ではなく別々の単語扱いだからでしょうが、アニメがいまだ特別扱いされていることの証左ですね。記述で特別扱いするから、それを発音する際でも意識して起伏になりがちなのです。人々の意識・認識が表れる好例です。そうまでしていちいち頭に「アニメ」をつけないでほしいものです。
 
  NHK「アニメ三銃士」 
   https://youtu.be/NyEel86vKyE
  NHK「土曜倶楽部」
   https://youtu.be/LQ3CnWRUbrM

 

2016年6月19日日曜日

赤塚不二夫さんも

 漫画家では、例えば赤塚不二夫さんは、しっかり平板発音でしたね。
 アニメブーム末期の1984年12月27日にテレビ東京系で放送された「面白アニメランドの年末特番にも出演していましたが、数回の発音はすべて平板でした。なお、同番組には、多くの一般芸能人が出演していましたが、全員がみごとに平板でした。ここまで徹底しているのも実は珍しかったりもしますが。

 とにかく、昔(アニメブームの頃)は、芸能人やアナウンサーや学識経験者も含め、平板がごく当たり前だったのです!!
 特に今の若い人たちには、こういう歴史的事実をちゃんと知ってほしいですね。

  テレビ東京系「面白アニメランド」   
    https://youtu.be/SWfI3VNnmyQ  


かの手塚治虫さんは

 かの手塚治虫さんは、数多くのドキュメンタリー番組などでも明らかな通り、最後まで起伏発音でした。
「まとめ」ページに書かせていただいた通り、これは手塚さんがあくまで「漫画家」すなわち異業種の人であることの証左と考えます。アニメと漫画は別の文化なのですから。

と思いきや、実は実は、何と平板発音してることもあったことを最近確認しました!
 1985年から現在まで原則2年ごとに開催されている国際映画祭「広島国際アニメーションフェスティバル」。手塚さんはここの常連参加者(といっても亡くなるまでの2回)でもありました。NHKの「ニュースセンター9時でその第1回開催の告知ニュースが流れましたが、その中でインタビューを受けており、「アニメ」という単語を4回口にし、最後の1回以外は平板発音だったのです。
 私の知る限りこのときだけです平板なのは。でも、嬉しい驚きでした。

 ちなみに、そのニュースを伝えたのは当時の同番組の人気キャスター宮崎緑さんですが、発音機会はありませんでした。


  NHK「ニュースセンター9時」
   https://youtu.be/h66gttOTiGg  


2016年6月18日土曜日

ラジオ局アナウンサーも

 ラジオでもいわゆるアニラジ(アニメ情報番組やアニメ声優個人の冠番組)などがたくさん放送されています。かつてのアニメブームの頃(1980年代前半)は、総合的なアニメ情報番組が大半でした。片っ端から聴いて、一部(たまに全部)を録音していました。
 それらの番組では、DJ(パーソナリティー)を務める声優のほかラジオ局アナウンサーなども、しっかり平板発音している人が多かったです。

 例えば、1982年10月9日に東海ラジオの「週刊ラジオアニメック」の後を受けて始まったニッポン放送ほか数局でネットされた「ラジオアニメック・決定アニメ最前線」。ニッポン放送アナウンサーのはた金次郎(通称:はた金)さんがメインで、当時のアニラジに出まくっていたアニメレポーター岡本リン子(りん子?)さん、人気声優の小山茉美さんと3人でやっていました。はた金さんもリン子さんも、当然に平板発音でした
 はた金次郎(本名は波多江孝文)さんは、「オールナイトニッポン電話リクエスト」「不二家歌謡ベストテン」なども担当した同局の人気アナウンサーでしたが、現在もフリーでご活躍中らしいです。岡本リン子(りん子?)さんは、今どうしているのでしょうかね?

 最近は、作品別やキャスト別などが大半で総合的な情報番組は皆無に近いようですが、よく知りません。平板発音していない人も多いのでしょうか?イベントの司会をする人なども少なくありませんが、どうか平板発音で聴取者や観客の意識・認識を啓蒙していっていただきたいですね。

  ニッポン放送「ラジオアニメック・決定アニメ最前線」
   https://youtu.be/T7rIzn0YtGM

  

テレビ局アナウンサーも

 民放アナウンサーとして、例えばテレビ朝日社員当時の古館伊知郎さん平板発音だったことは既に触れていますが、NHKアナウンサーでも平板発音している事例はちゃんとあります。
 山根基世さんは、元NHKで、アナウンス室長も務めるなど、キャリアの長い人です。例えば、(現役NHK局アナとして)ナレーションを担当した1989年放送の単発ドキュメンタリー番組「日本マンガ海を渡る」では、しっかり平板発音でした。
 先に触れたアクセント辞典でも、起伏平板のいずれでもよい形になっており、少なくとも現在はアナウンサー個人の判断に委ねられているようです。であれば、せめてかつてのアニメブームを知っていてアニメに理解がある人なら、皆さん積極的に平板発音していただきたいと思います。

  NHK「日本マンガ海を渡る」
   https://youtu.be/oT2hi1QKvT8

ニュースキャスター

 ニュース番組でも「アニメ」という単語が登場することは珍しくありません。
 先に古舘伊知郎さんを取り上げさせていただきましたが、古館さんはつい最近までテレビ朝日系「報道ステーション」でご活躍でした。申し訳ありませんが、同番組はほとんど視聴しておらず、「アニメ」という単語の発音が平板だったかどうかははっきりしません。たぶんプロレス中継時代と変わらず平板だったと信じています。

 過去のニュース番組のメイン司会者(キャスター)でも特に人気があったのが、TBS系「ニュース23」の筑紫哲也さんと、テレビ朝日系「ニュースステーション」の久米宏さんです。個人的には「「本物のジャーナリスト」筑紫哲也、「一キャスター」久米宏」という感じで、信頼度では筑紫さんの方に軍配を上げていましたが、お2人には決定的に異なる面がありました。それは、アニメに対する態度です。
 久米宏さんは、芸能番組出身で、庶民感覚を失わないわかりやすい解説力や批判力に定評があり私も大好きでしたが、ことアニメに対する態度だけは辟易しました。それこそTBS系音楽番組「ザ・ベストテン」の司会の頃から「どうして?」と言いたくなるくらい冷たかったですね。無関心というか、馬鹿にしているというか、ひょっとしたらアニメを嫌ってさえいたのかもしれません。とにかく「アニメ」という単語が発せられた記憶が無いほどです。
 筑紫哲也さんは、もともとジャーナリストで、映画・漫画など様々な現代大衆文化にも造詣が深く、アニメやアニメファンにも理解のある人でした。例えば、「もののけ姫」公開直後には宮崎駿監督との対談を放送したり、「千と千尋の神隠し」のベルリン映画祭金熊賞やアメリカアカデミー賞受賞関連では、番組冒頭でとりあげたり、多事争論でアメリカ大統領の言動と絡めて語るなど、見識や洞察の深さに感銘を受けました。それは、「ニュースステーション」での扱いの余りの軽さと見事なほど対照的でした。そして、さすがというか当然というか、「アニメ」の発音はしっかり平板でした。 

  TBS系「筑紫哲也ニュース23」
  

2016年6月17日金曜日

プロレス中継

 スポーツの実況中継でも「アニメ」という単語が発せられる機会は珍しくありません。
 例えばプロレスの世界では、1981年にテレビアニメ「タイガーマスク2世」とのタイアップ企画として、本物のレスラー「タイガーマスク」が登場しました。現在は4代目か5代目らしいですが、初代の佐山聡さんがデビューしたのが、同年4月。その後、入場テーマ曲には水木一郎さんが唄う同作品の主題歌が使われました。
 また、同時期にテレビ朝日系の「ワールドプロレスリング」の実況中継で名を馳せたのが、かの古舘伊知郎さんです。そして、同作品がらみで古館さん(のはず)が「アニメ」という単語を中継内で連発していることもあったようです。その発音はみごとに平板だったことを最近確認できました!
 なお個人的には、1970年代の「タイガーマスク」は(社会派的内容も多く)大好きでしたが、「タイガーマスク2世」にはあまり興味がわかずほとんど視聴していません。
 
  テレビ朝日系「ワールドプロレスリング」
    https://youtu.be/wCojZCr_wTY
  

2016年6月13日月曜日

アクセント辞典

 最も権威ある(?)辞典であるNHK出版の『NHK日本語発音アクセント新辞典』が去る5月に発行されていますね。18年ぶりの大改訂とのことで、「平板化」の進行なども考慮したものになるとのことで気になっていました。昨年10月の「クローズアップ現代」で取り上げられ、NHKのホームページに意見を投稿したのは私です。
 今日、本屋で確認してきました。(購入はしていません、ごめんなさい。)
 起伏平板完全に併記されていました。3音の外来語は基本的に第1アクセントになるため起伏が先に記されてはいますが、「第2アクセントなど推奨できる発音がある場合は併記」という編集方針に叶ったわけです。
 因みに、もう1つの権威ある(?)辞典である三省堂の『新明解日本語アクセント辞典』も、2014年に改訂されています。こちらも、起伏平板完全に併記されていることを確認しました。しかも、「最近の傾向の場合は「(新は)」という形で併記」という編集方針に照らせば、「(新は)」の記載は無く、古くから平板が認められていたことになります
 なお、ついでにいろいろ確認しました。「ゲーム」「ドラマ」はどちらも「起伏」のみでした。「ネット」はどちらも「平板」のみ、「レゲエ」は(三省堂は未掲載)「平板」「起伏」の順に併記でした。「映画」は意外にも「起伏」「平板」の順に併記で、三省堂版では「(新は)平板」の形でした。
 何と!「ゲーム」「ドラマ」どころか「映画」にさえ勝った(?)形です。「ゲーム」「ドラマ」に勝てて、少し嬉しくなりました。

2016年6月12日日曜日

クイズダービー

 大橋巨泉さんは、古くは「ゲバゲバ90分」の頃から気になる芸能人でした。「クイズダービー」では10年以上にわたり司会を務め、出場者(回答者に対して点数を掛ける側)についても様々な特集テーマで我々を楽しませてくれました。中でも、アニメファンの私として印象深いのは、1982年3月に「春の劇場アニメ特集」として放送された回です。ビデオテープが高価だった時代ゆえ、本放送を録画した唯一の回でした。
 巨泉さんは、数回「アニメ」という単語を発していますがすべて平板発音でした。
 この回は、「1000年女王」の潘恵子さん・戸田恵子さん、「機動戦士ガンダム3・めぐりあい宇宙」の古谷徹さん・池田秀一さん、「アラジンと魔法のランプ」(主題歌はゴダイゴ)の神谷和夫さん・鈴鹿景子さんが出場者でした。回答者側も含めいずれも、発音機会はありませんでしたが。

  TBS系「クイズダービー」

アニメブームと学校生活

 アニメブームまっただ中の1980年前後に高校生だった私は、学校でも数人のアニメファンの友人と、当然の如く平板発音で話していました。『アニメージュ』を回し読みしたり班ノートにアニメキャラのイラストを描きまくるような女子のアニメファンたちにも誰1人起伏発音する者はいませんでした。アニメに興味なさそうなクラスメートでさえも起伏発音していた者はいなかったと記憶しています。
 先生の中にも何人か、授業中に「赤毛のアン」「トム・ソーヤーの冒険」などを話題にする人がいました。発音が「起伏」「平板」のいずれかは記憶に定かではありませんが、特に違和感無く聞いていたことからおそらくは「平板」だったのではないかと思われます。
 当時は、多くのワイドショー番組で「夏休みアニメ特集」的なコーナーが放送されていました。その中の1つ「小川宏ショー」では、声優デビュー前の一アニメファンとしての川村万梨阿さんがレポーターを務めていました。もちろん平板発音です。インタビューに応じるアニメファンたちも皆平板発音でした。他番組で起伏発音するファンが出演していたこともありますが、大半は平板発音だったのです。

 フジテレビ系「小川宏ショー」 
   https://youtu.be/1PbDxk6BzR8
  

舛添要一さんも

 今をときめく(?)舛添要一さんも、少なくとも1990年代初頭には、「アニメ」を平板発音していました。
 連続幼女誘拐殺人事件のM君の影響がまだ色濃い一方、「オタク」(この時期はまだ「おたく」が一般的)をやや肯定的にとらえる動きが出てきた時期です。
 舛添さんも、当時はまだ一学識経験者(国際政治学者)でしたが、1990年夏のコミケ38(幕張メッセでの唯一の夏開催コミケ)を訪問し、同年夏に日本テレビ系で放送された「EXテレビ」内でレポートしています。「オタクは明るくて礼儀正しいし、その能力は社会の役に立つ面もある」というような言説でした。ついでに「コミケ」についてもほぼすべて平板発音でしたが。
 同番組の司会は三宅裕司さんと森口博子さんです。森口さんの発音機会は基本ありませんでしたが、三宅裕司さんは最初を除き平板発音しています。(三宅裕司さんは同時期の「テレビ探偵団」などでは起伏発音が多かったですが。)

  日本テレビ系「EXテレビ」

ごあいさつ

本日(6月12日)、このブログを公開しました。
皆様どうぞよろしくお願いいたします。