社会人が主人公のアニメ作品は、全体から見れば圧倒的に少数派。まして主人公がオタク(アニメファン)設定である場合はほとんどありません。数年前のアニメ業界人(プロ、玄人)を描いた「SHIROBAKO」は大変画期的でしたが、アニメ業界とは無縁な一般企業の会社員(アマ、素人)を描いた作品がようやく登場しました。フジテレビ系で全11話の放送が先日終了した「ヲタクに恋は難しい」です。ただし、アニメファンというよりはゲームファンの設定であり、純粋に「アニメファン」を描いた作品とはいえませんが。
メインキャラ4人は、同じ会社に勤める20代後半のオタク男女2組。これだけでもほぼ史上初と言って良い設定です。ただ、他の非オタクのキャラクターがほとんど出てこないため話に拡がりがなく、正直期待外れな面がありました。でもその分、オタクにありがちなやりとり・感情はしっかり描かれてはいましたね。
肝心な「アニメ」の発音機会は、(高校のアニメ研究部を描いた「アニメガタリズ」のような)アニメがメインの作品では無いため、メインキャラ4人(声優は伊達朱里紗さん、伊東健人さん、沢城みゆきさん、杉田智和さん)とも1〜2回ずつだけで、大変残念ながら全て起伏でした。(ちなみに「ゲーム」についてもちゃんと全て起伏だったので、まあ許せる範囲ではありますが。)
音響制作は声優事務所である81プロデュースの完全子会社のため、もう少し意識してほしいところです。若手の伊達さん・伊東さん(お二人とも81プロデュース所属)についてもそうですが、中堅の沢城さん・杉田さんについてはこれまでも平板発音されるのを聴いた記憶がないため、予想通りではありましたが。おそらく発音指導はなかったと思われますので、声優さん個人の判断ででも平板発音してみてほしかったところです。
どうもよくありませんねえ。今後はこのような題材・設定の作品が珍しくなくなっていくという気がしますので、音響関係者(声優、声優事務所、音響監督、音響制作会社など)の皆様には、アニメ文化の「匠(業界人)」「玄人(業界関係者)」「通(ファン)」の発音のあり方について問題意識を持って取り組んでいただければと切に願っています。
(※諸般の事情により、動画投稿はありません。)
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