2018年6月20日水曜日

業界ドラマと本職

 この4〜6月にテレビ朝日系で全10話が放送されたドラマ「声ガール!」。声優を目指す5人の女性の青春群像劇で、本職の声優さんも数名出演されています。
 「アニメ」の発音機会のあった方々(全員が1回ずつ)は、残念ながら1人を除き全員が起伏発音でした。芸能事務所声優部門のマネージャー2名や、声優を目指す4名(アニメ「プリキュア」シリーズでの声優経験もある主演の福原遥さんも。1人だけ発音機会無し。)ばかりか、本職の声優さんでも(日高のり子さんや浪川大輔さんは発音機会がありませんでしたが、)音響監督役で第4話に出演された岩田光央さんまでが。
 唯一平板発音をされたのが本職の声優である戸松遥さん。「特別出演」扱いで全話出演です。第2話の「アニメオリジナルの〜」というフレーズだけでした。「アニメ」単独ではなく複合語として当然に平板になっただけかもしれませんが、「オリジナルの〜」の前に一瞬の間があったので独立した平板発音と言っても良いと思われます。これまではほぼ起伏発音されている声優さんだったように記憶していましたが、本職(プロ)らしくてとても嬉しかったです。やはり若手(声優歴10年未満)・中堅(声優歴10年以上30年未満)の声優さんも、平板発音される方はまだまだ大勢いらっしゃるのです。

 先日の投稿でも、2012〜13年に放送された「非公認戦隊アキバレンジャー」シリーズで若手俳優さん2名がしっかり平板発音だったことを紹介しました。とにかくも、監督などから明確な指導がない限り個人の判断でどちらにもなりうるのです。
 ですから、本職の(アニメ)声優さんがしっかりしていただかないと困るのです。また、今回のドラマでは音響監督や芸能(声優)事務所のマネージャーなどの音響関係者の役の皆さんも、役の上とはいえ起伏発音でした。れっきとした業界関係者なので、(少なくとも本物(本職)の方々はよもやこんなことはないはずですが、) 平板発音に徹していただきたいと思います。
 特に監修者はいないよう(強いていえば本職の声優さんたち)ですが、ドラマ制作者の姿勢が問われるとも言えます。(過去投稿で取り上げた「アオイホノオ」のような最悪な事例もありますし。)

 なお、来年4〜9月に放送されるNHKの連続テレビ小説「夏空」(何とちょうど通算100作目)は、北海道などを舞台に、アニメーターを目指してまだ黎明期のアニメーション「業界」(東映動画か、その前身の日本動画くらいしか考えられませんが)に飛び込んでいく女性を描くという、朝ドラ初のアニメ業界ものともいえます。ただし、なにぶん戦後間もない時期が中心らしいので「漫画映画」が基本な(せいぜい「アニメーション」まで。「アニメ」という略語はまだ無い)時期であり、「アニメ」という単語の発音機会は、有ってもナレーションくらいしか考えられないので、あまり心配はしていません。そうは言っても、アニメ業界に対する綿密かつ徹底した取材は絶対欠かさないで制作してほしい、という意味では結構気にはなっています。(今年7月頃からクランクインらしいです。)

 (※諸般の事情により、動画投稿はありません。)

 

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