「アニメ」の単独での発音は、やはり個人のその瞬間瞬間の対応に委ねられている面が強いと思われますね。
例えば特撮ドラマ。今年4〜6月の東映チャンネルです。2012年に放送された「非公認戦隊アキバレンジャー」(1期)とその続編で2013年に放送された「非公認戦隊アキバレンジャー・シーズン痛」(2期)。他の出演者(特に声優の内田真礼さん)が起伏発音する中で、1期第1話で本位田さやか役の森田美位子さん(当時20代後半で、今は芸能界を引退しているらしい俳優さん)、2期第6話でアキバブルー2代目岩清水ルナ役の澤田汐音さん(当時まだ10代の俳優さん)が、ともに自然な感じで平板発音されています。監督などの指導がもしもあれば、番組内でのこのような混在はあり得ません。やはり、若手とはいえ俳優さん個人の判断で発音しているとしか考えられません。
例えばアニメ系情報バラエテイ。今年4月のAT−Xです。「AT−X春の新番組に、俺、出演してませんけど、番宣しますSP」。司会の声優小野坂昌也さんが基本的に起伏発音(一部平板発音も混在)する中で、「美男高校地球防衛部HAPPY KISS! 」に出演するバリバリの新人声優小俣凌雅さんが発音機会があった2回ともしっかりと平板発音されていたことに、大変驚くとともに嬉しい気持ちになりました。やはり、若手であってもちゃんと発音できる人もどんどん業界入りしてきてくれていると少し勇気をもらえました。
例えば特撮系バラエティ。今年5月のテレ朝チャンネル2です。「EXまにあっくす特濃・帰ってきたザザーンさん (再編集版)」の第2回。円谷プロ製作のマイナーなドラマを発掘し解説・放送する大変マニアックな番組です。解説役のザザーン(人形)の声を当てている人(氏名不詳)が、しっかりと平板発音されていました。やはりこういったマニアックな番組では、「通」の発音である平板発音がとてもとてもしっくりきますね。他のマニア向け番組も見習ってほしいものです。
例えば映画祭関係のドキュメンタリー。今年2月のNHK教育です。「TVシンポジウム〜”地方の時代”映像祭2017・地域だから見えるもの、地方だから伝えられること」。1980年から続く(当初は「地方の時代賞映像コンクール」)ドキュメンタリー関係の硬派な祭典で、ほぼ毎年テレビで入賞作品などが放送されています。(かつては大変熱心に観ていたのですが、近年は見逃すこともありました。)各放送局関係のディレクターが登壇したシンポジウムの中で、NHKエデュケーショナルの佐々木健一さん(40歳)が「アニメ」の「ニ」にアクセントを置く大変珍しい起伏発音をされていたのが印象に残りました。3音節の単語であるため理論上は(「ニ」を強く発音するという)第2アクセントはあり得ますが、実際に耳にしたのはこれが初めてという気がします。よほどの意識がないとこのような発音はしづらいため、平板発音への移行途上の形態と理解すべきかもしれませんね。
今回は以上です。
(※諸般の事情により、動画投稿はありません。)
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