去る3月23・24日に東京ビッグサイトでパブリックデーが開催された「アニメジャパン」。5年ぶりに直接参加しました。3回に分けて、単語としての「アニメ」の発音を中心に感想をまとめます。
1回目は、「クリエイションステージ」。アニメビジネスに関するプロデューサーなどの座談会形式のステージイベントで、無料開放されており、会場も壁のないオープンスタイルです。これまでも、ビジネス系ステージは、前身の「東京国際アニメフェア」を含め必ず行われており、2018年にはニコニコ生放送付きのオープンステージで行われた「Anime Japan 放送局ブース」もありましたが、それ以来途絶えていました。久々に復活して、何よりです。未来のアニメ業界人を育てる(人手不足のため、年齢を問わずアニメ業界への就職・転職に役立ててもらう)趣旨らしいですが、当然あるべき形態のステージですので、今後も欠かさず続けていただきたいものです。今回私が参加したのは、3件のみ。
1日目(23日(土))の「マクロス誕生秘話から最新作まで。今だから語れる同級生SP鼎談。」。慶應義塾高等学校の同級生で仕事上のつながりも深い河森正治さん・美樹本晴彦さん・大野木寛さんの座談会で、司会はアニメ評論家の藤津亮太さん。なお、45分間のうち最初の15分は、会場自体へ到着が間に合わず聞き逃しています。
河森正治さんは、1977年頃のコミケ参加から来年予定の関西万博との関わりまでいろいろ話されましたが、発音機会は「マンガ・アニメ」という形で起伏気味2回のみ。ちなみに「コミケ」も起伏2回のみ。美樹本晴彦さんは、徹底して平板3回のみ。ちなみに「ゲーム」も平板2回のみ。大野木寛さんは、平板1回のみ。藤津亮太さんは、以前と変わらず平板1回のみ。
正直、私とほぼ同世代と言っていい河森さんが起伏気味だったのはショックでしたが、他の御二方が徹底して平板だったので、ホッとしました。河森さんは、関西万博のからみで自治体関係者や一般企業人、つまり「素人」と接する機会も多いでしょうから、ぜひともアニメファン第1世代として自信と誇りを持って平板発音していただきたいものです。
1日目(23日(土))の「制作プロデューサー放談ステージ」。バンダイナムコフィルムワークス(旧サンライズ)の仲寿和さん、ぴえろの富永禎彦さんの2名で、司会はフリーアナウンサーの金子菜々美さん。アニメ制作会社の所属で「制作進行」の上司である「制作デスク」(または更にその上)のような立場で対外的な交渉・調整を担う「制作プロデューサー」のトークで、ヤバい話は流石に無理ですが仕事の実態を可能な限り赤裸々に(?)語ってくれました。なお私は、45分間のうち最初の18分のみ傍聴した後、大変迷った挙句、別ステージとの兼ね合いで泣く泣く退席せざるを得ませんでした。
仲寿和さんは発音機会2回、富永禎彦さんは発音機会1回、いずれも徹底して平板。金子菜々美さんは、発音機会1回のみで起伏。
業界人中の業界人であるアニメ制作会社社員なら当然なのですが、フリーアナウンサーの方にはこの機会に平板発音が業界の常識という認識を持っていただければと思います。
2日目(24日(日))の「宣伝プロデューサー座談会」。アニプレックスの寺田浩史さん、東宝の清水陽太郎さん、KADOKAWAの成田幸弘さんの3名で、司会はフリーアナウンサーの金子菜々美さん。アニメ企画会社などで宣伝担当のチーフを務める「宣伝プロデューサー」のトークで、自己紹介、やりがい・苦労、業務の参考とするものなどが語られました。何と会場からの質問コーナーもあり、時間の関係で女性1名だけが質問しました。
寺田浩史さんは、発音機会5回で起伏気味1回・平板4回(起伏気味は質問への回答時のみ)。清水陽太郎さんは、発音機会4回とも徹底して平板。成田幸弘さんは、発音機会16回中、最初の自己紹介と最後の挨拶では平板4回でしたが、個人的趣味のテニミュ(テニスの王子様ミュージカル)の話などでは起伏9回も連発し、質問への回答時も起伏2回のみ。金子菜々美さんは、起伏3回のみ。なお、質問した素人の女性は平板1回のみ。
れっきとした業界人であるアニメ企画会社の社員ならば当然なのですが、寺田さんは平板に徹しようと意識していた感じがありましたが、清水さんはごく自然な感じでした。成田さんは、普段は起伏発音されている方なのでしょうが、素人には(質問者側が平板にも関わらず)起伏で回答しても、先輩(?)を見習って最後は意識して平板に戻していた感じでした。本来は先輩(自分よりも玄人の度合いが強い人)を見習うのが自然なあり方なので、大変良い傾向ですが、今後も平板発音を徹底するようにしていただければと切に思います。
以上です。業界人の中でさえも予断を許さない現状であることを再認識させられました。まだまだ先は長いですねえ。
引き続き、同日投稿となりますが、有料ステージで唯一直接傍聴(着席観覧)したものを取り上げます。