2025年9月28日日曜日

最近の声優さん 5

 テレビアニメ作品出演の声優さんの発音について、特に 「その着せ替え人形は恋をする」の主人公喜多川海夢役の直田姫奈さんを軸に取り上げます。

 テレビアニメ「その着せ替え人形は恋をする」は、コスプレイヤー(大半が女性)とコスプレ衣装を制作する男性とのラブコメ作品(と言って良いはず)で、今年7〜9月に第2期がテレビ朝日系などで放送されました。最近とみに作品数が増えたオタク(アニメファンなど)青春群像劇の1本です。本編中で単独語としての「アニメ」が発音される機会がほぼ確実に発生する作品群の1本でもあります。
 第13話では、主人公の女子高校生喜多川海夢役の直田姫奈さん起伏平板各1回、老舗人形店「五条人形店」の若旦那である男子高校生五条新菜役の石毛翔弥さん起伏2回のみ(他に「アニメ通りに」は平板)、手芸用品専門店ユザワヤの男性店員宇佐見創役の佐々木睦さん平板1回のみ。
 第16話では、直田姫奈さんが起伏1回のみ。なお、「ドラマ」の発音機会があった同級生たちが複数あり、何と全員が平板。最初の発音者に引きづられたのでしょう。
 第17話では、同級生山内瑠音役の関根明良さん平板1回のみ。なお、「ドラマ」の発音機会があった同級生は1人のみで、村上公輝役の廣庭渓斗さん起伏1回のみ。前回とは異なりましたね。
 第20話では、直田姫奈さんが起伏1回のみ、女装コスプレイヤーの男性天野千歳役の村瀬歩さん起伏1回のみ、アマチュアカメラマンの伊藤涼香の友人アオイ役の千菅春香さん起伏1回のみ。
 第23話では、アマチュアカメラマンの伊藤涼香の友人緒方旭の母親役の種市桃子さん起伏1回のみ、緒方旭の中学時代の同級生役の長谷川愛さん朝日愛香さん(いずれか不明)が平板1回のみ。

 4月5日にBS11で放送の事前情報番組「その着せ替え人形は恋をする・推しが尊すぎてマジやばいんだけどっ! 」。直田姫奈さんは平板2回のみ。それどころか当作出演者の1人で当番組ナレーションの声優冨岡美沙子さん起伏平板各1回で、平板が先でした。嬉しかったですねえ。

 7月18日にCSのミュージックジャパンTVで放送の「アニメ大好き! 濃厚アニソンカウントダウン」。インタビュー出演で声優2名の発音機会があり、直田姫奈さんが起伏1回のみ、青山吉能さん起伏2回・平板1回(平板が先)。

 その青山吉能さんも山本役でレギュラー出演するテレビアニメ「フードコートで、また明日。」。今年7〜8月に全6話放送のうち、和田役の宮崎ヒヨリさんが、第1話で起伏気味1回のみ、第3話で平板1回のみ。


 以上です。
 直田姫奈さんは、過去投稿にもあるように元々は起伏平板が混在していた方だろうと思われますが、レギュラー出演する中で平板発音が通っぽいと一旦は考えた後で起伏基調に変えてしまわれた感じで残念です。そんな中、声優としても中堅のベテラン俳優(現在64歳)佐々木睦さんが、しっかり自然な平板発音を披露してくれたことが、嬉しかったですし救われましたね。
 アニメファンなどを主たるテーマに掲げる作品は、やはり平板(少なくとも平板基調。回を追うごとに平板基調が強まるとなお良い)であっていただきたいものです。

 (※諸般の事情により、動画投稿はありません。)


2025年9月22日月曜日

学識経験者など 2

 学識経験者とは、基本的には大学教授(准教授、専任講師、名誉教授などを含む。)その他の学者を指します。アニメブーム(1977〜1985)の頃から、学識経験者で「アニメ」を平板発音される方は結構いましたし、過去投稿でも少し取り上げた通り現在でも決して少なくありません。最近のテレビ番組などでも、時折きちんと自然な平板発音を披露してくれる方がいて、ホッとさせられます。


 NHK総合で放送中の情報バラエティー番組「チコちゃんに叱られる!」。6月6日放送(私が視聴したのは翌7日の再放送)回で、「アニメキャラの髪の色はなぜカラフルか」というテーマが取り上げられました。横浜国立大学教授(専攻はアニメなどの文化研究など)須川亜紀子さん起伏1回・平板3回でした。途中で息継ぎのような感じで例外的に1回起伏発音されただけで基本は平板発音でした。他の発音機会があった出演者は、タレントの太田光さん平板1回のみ、タレントの岡村隆史さん(ナインティナイン)は起伏2回のみ、局アナウンサーの塚原愛さんは起伏1回。(過去投稿でも取り上げたようにナレーションの局アナウンサー森田美由紀さん平板8回のみ)。肝心()のチコちゃん(声はタレントの木村祐一さん)起伏3回・平板1回でしたが、最初が平板でした。アニメ関連番組では無くたまたまアニメが話題になったゴールデンタイムの(NHK総合の)番組にすぎませんが、それだけに普段の発音が出やすい環境かもしれません。

 NHK教育で放送中のドキュメンタリー「E T V特集」。8月2日放送の「火垂るの墓と高畑勲と7冊のノート」。早稲田大学文学学術院教授(専攻はジェスチャーや会話の分析など)の細馬宏通さん起伏2回・平板1回。アニメに関する著書も複数ある方なので、平板基調になっていただけることを望みます。

 NHK総合で不定期放送中のドキュメンタリー番組「最深日本研究・外国人博士の目」。4月30日放送の「クレーンゲーム」では、在日フランス人の社会情報学者ブノワ・ボトスさん平板2回のみ(「ゲーム」は起伏2回・平板3回)。さすがはラテン系言語圏であるフランス人、嬉しかったですね。8月26日放送の「キャラクター文化」では、日本語ペラペラのアメリカ人の言語人類学者デボラ・オチさんが(英語ですが)平板1回のみ。アニメや日本語がわかる外国人なら、やはりこうであってほしいものですね。


 (※諸般の事情により、動画投稿はありません。)





2025年9月6日土曜日

憂いと安堵(同調圧力)

 比較的最近のTV番組1本のみを取り上げ、その番組内の出演者同士での影響度合い(特に同調圧力との関係性)に重点を置き、番組の流れもできるだけ取り入れて語る。こういう形はあまりとってこなかったので、その点をわかりやすくする形の投稿を時々行なうようにしたいと思います。日本における同調圧力の強さは尋常ではなく、その現状をつぶさに見ることで、より良い未来へ進んでいけたらなと思うからです。今回は、その1回目です。


 テレビ朝日系で放送中の「EIGHT−JAM」(旧「関ジャム完全燃SHOW」)。SUPER EIGHT(旧:関ジャニ♾)がホストを務める音楽トークバラエティーです。8月10日の「進化を止めないアニソン業界の裏側」。約1年ぶり5回目のアニソン特集回です。
 単独語としての「アニメ」の発音機会があった方は、音楽評論家の冨田明宏さん、番組支配人として俳優の古田新太さん、タレントの足立梨花さん、お笑い芸人の山崎弘也さん(アンタッチャブル)、声優の高尾奏音さん、アニメ制作プロデューサー(アニメ制作会社サンジゲン社長)の松浦裕暁さんのみです。ナレーションは、声優の小野寺一歩さんです。

 番組全体の流れ(発音順)は次の通りです。ナレーションは、下記以外は全て起伏発音です。

○プロローグ
 足立梨花さん  平板

○国内・海外アーティストのアニソンでの活躍
 冨田明宏さん  起伏
 古田新太さん  起伏 
 冨田明宏さん  平板

○劇伴(BGM)
 冨田明宏さん  起伏 起伏 平板 起伏

○TVアニメ「BanG Dream!(バンドリ!)」シリーズ
 松浦裕暁さん  起伏
 古田新太さん  平板 平板
 松浦裕暁さん  起伏気味
 高尾奏音さん  起伏 
 松浦裕暁さん  起伏
 高尾奏音さん  平板 
 ナレーション  平板
 高尾奏音さん  平板 平板 平板 
 山崎弘也さん  平板
 高尾奏音さん  平板

○エピローグ
 古田新太さん  平板


 まとめると次の通りです。
 古田新太さんは、起伏1回・平板3回。過去投稿にもあるように、元々平板発音されてきたようですが、「深夜!天才バカボン」出演時や当番組でも最初は平板でも途中からは起伏に変わってしまうようになり、最近はほぼ起伏になってしまっていた方です。今回は、海外のジャズアーティストであるカマシ・ワシントンの話題の際に、冨田明宏さんの起伏発音の影響が大きいでしょうが、かなり言いづらそうに(詰まり気味から絞り出すように)起伏発音されました。しかしその後は、松浦裕暁さんの起伏発音に絡んでついうっかり(普段からそうなので)平板発音を立て続けに2回繰り返してしまいました。その後は高尾奏音さんの平板発音連発に救われたのか、エピローグでは吹っ切れたかのように自然な平板発音を披露してくれました。嬉しかったです。
 足立梨花さんは、平板1回のみ。過去投稿にもあるように、元々は平板だったのが一時は起伏ばかりになり、最近はまた平板に戻ってきた感じの方です。今回は序盤のみの発音機会で、他の出演者の影響を受けていないこともあるのか、自然な平板発音で、ホッとさせてくれました。
 山崎弘也さんは、平板1回のみ。過去投稿にもあるように、少なくとも当番組では平板発音のみで、今回も周りの平板発音が続いたこともあるでしょうが、当然かつ自然な平板発音を披露して、安心させてくれました。
 高尾奏音さんは、起伏1回・平板5回。最初こそ他の出演者の影響もあるのか起伏でしたが、アニメ表現と現実のバンド演奏との関連で独自の技を嬉々として語る場面では堰を切ったように平板発音を連発され、やはり元々は平板発音されている方なのだろうとわかり、好感が持てました。
 松浦裕暁さんは、起伏3回のみ(うち1回は起伏気味で平板に近いかも)。業界人(アニメ制作会社)でありながら、事実上起伏発音ばかりというのは困りものです。業界人の中でも最近少しずつ増えてきていると感じており、由々しき事態と危惧します。こういう番組への出演は、他の出演者や番組視聴者への悪影響もあるので、何とかしていただきたいですね。
 冨田明宏さんは、起伏4回・平板2回。過去投稿にもあるように、元々は(当然に)平板発音されていたのにだんだん起伏発音するようになり、起伏基調の傾向が強くなってきた方です。平板発音の2回は、少し緊張感が薄れた状況だったのかもしれませんが、本来の発音が出たとも考えられます。当番組のアニソン特集回のレギュラーで、スタッフとの事前打合せも行なっているとのことなので、どうかどうか自信と誇りを持って以前(当番組初出演時)のような平板発音に戻っていただきたいと切に思います。
 ナレーションの小野寺一歩さんは、起伏10回・平板1回。今回(少なくとも当番組のアニソン特集回では)初めて平板発音を披露してくれました。ナレーションは事前収録のはずなので出演者の影響などは無いはずですが、元々は平板発音されている方なのかもしれません。それならどうか、アニメ関連番組のナレーションでは平板発音を徹底していただきたいと思わずにいられません。
 なお、作曲家の林ゆうきさんは、「ドラマ」について1回のみ発音機会があり平板でした。まさかと思いますが、「アニメ」もきっと平板発音されている方だと信じたいです。


 以上です。初めてのやり方で結構長文になってしまいましたが、出演者同士の影響度合いがわかりやすくはなったと思います。「同調圧力」が強かろうが弱かろうが、出演者一人一人にはどうか、ご自身の普段の発音も踏まえ、アニメ業界関係者の発音も(決して鵜呑みにせず)あくまで参考にしながら、アニメ文化の伝統を尊重して平板発音に馴染んで積極的に取り入れていっていただきたいものです。

 (※諸般の事情により、動画投稿はありません。)