最近CSのAT−Xが昔のOVAに力を入れており、一部の局オリジナル番組も気になり、なかなか(一時的にでも)解約できない状態が続いています。去る6月26日には、1991年にガイナックスが制作した「1982おたくのビデオ」「1985続・おたくのビデオ」が放送されました(以下「正編」「続編」)。どちらも、テレビ放送はほとんどされたことが無い貴重な作品で、過去に一度は某所で視聴したことがあり、正編は中古でVHSビデオソフトを購入・所有しています。今回改めて視聴(もちろん録画保存)して、制作当時も含めた「時代性」を感じてしまいました。
80年代前半のアニメファンの実態を赤裸々に綴った完全オリジナル作品で、「おたくの肖像」と称した実写のインタビュー映像(実際はガイナックスの社員が扮したフェイクですが、おたくとしての経験談にはウソは無いと言えます。)も挿入されます。ちなみに、OPでは極太明朝体の文字演出(庵野秀明さんが好んで使用する手法ですが、当作では監督ではなく、少し手伝っている程度の立場です。)が既になされています。以下、「アニメ」の発音状況を確認します。
80年代前半のアニメファンの実態を赤裸々に綴った完全オリジナル作品で、「おたくの肖像」と称した実写のインタビュー映像(実際はガイナックスの社員が扮したフェイクですが、おたくとしての経験談にはウソは無いと言えます。)も挿入されます。ちなみに、OPでは極太明朝体の文字演出(庵野秀明さんが好んで使用する手法ですが、当作では監督ではなく、少し手伝っている程度の立場です。)が既になされています。以下、「アニメ」の発音状況を確認します。
正編では、2人の主人公のうちアニメに興味のない状態からアニメオタクに徐々に変わっていった久保を演じた声優辻谷耕史さんは、発音機会2回とも起伏(「映画」は平板)でした。もう1人の主人公である元々アニメオタクであった田中を演じた声優桜井敏治さんは、発音機会は1回のみですがしっかり平板でした。田中のオタク仲間の1人で特撮系がメインの日野を演じた声優中原茂さんも、発音機会は1回のみですが、やはり平板でした。他に発音機会があるキャラはいませんでした(田中のオタク仲間では紅一点の佐藤由梨を演じた天野由梨さんは「コミケ」を起伏発音していました)。これらは、1980年代前半のオタクの当たり前の姿でした。「オタクなら平板発音が当然」という雰囲気がまだあった(「オタク」という言葉自体はまだ一般化していませんが)時代です。「おたくの肖像」に登場した5名のうち、発音機会があったのは3名。玉谷純一役の玉川純さんは発音機会2回とも平板(「コミケ」は起伏)、生田雄大役の生田雄大さんも発音機会2回とも平板(「コミケ」も平板)、ハロルド潮田役の塩入一弥さんは発音機会1回のみで唯一起伏気味でした。なお、ナレーションの声優大塚明夫さんは、発音機会は1回のみですが自然な平板発音でした。最近は起伏発音が目立つ方ですが、この頃は当然に平板発音されていたわけです。
続編では、発音機会がグッと減ります。田中役の桜井敏治さんにのみ発音機会が1回あり、当然ながら平板でした。久保役の辻谷耕史さんは「映画」を起伏発音していました。「おたくの肖像」に登場した5名のうち、発音機会があったのは2名。一転して、赤堀修役の赤萩修さんは発音機会1回のみで起伏、村山章役の村浜章司さんは発音機会1回のみで起伏気味(「コミケ」も起伏)でした。
なお、ED「おたくの迷い道」は、田中役の桜井敏治さんと上野美子役の井上喜久子さんがデュエットしていますが、井上喜久子さんが「アニメは最高」の部分を平板発音で歌われています。
続編では、発音機会がグッと減ります。田中役の桜井敏治さんにのみ発音機会が1回あり、当然ながら平板でした。久保役の辻谷耕史さんは「映画」を起伏発音していました。「おたくの肖像」に登場した5名のうち、発音機会があったのは2名。一転して、赤堀修役の赤萩修さんは発音機会1回のみで起伏、村山章役の村浜章司さんは発音機会1回のみで起伏気味(「コミケ」も起伏)でした。
なお、ED「おたくの迷い道」は、田中役の桜井敏治さんと上野美子役の井上喜久子さんがデュエットしていますが、井上喜久子さんが「アニメは最高」の部分を平板発音で歌われています。
このように、少なくとも1990年代初頭までは、おたくと呼ばれる人々は(完全統一されているわけではありませんが)平板発音が当たり前だった、ということを忘れないでください。そして、少なくともアニメファン(おたく)という設定のキャラが登場する作品(アニメ・実写問わず)を制作したり出演したりする方々には、(昔のオタクを取り扱う場合は特に、そうでない場合も同様に)意識して積極的に平板発音していただけることを願っています。
(※諸般の事情により、動画投稿はありません。)
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