2020年3月24日火曜日

転倒?!

 過去投稿で取り上げたテレビアニメ「映像研には手を出すなが終了しました。アニメファン設定(そうでない者も1名いますが)の3名は最後までほぼ起伏発音ばかりで、違和感がぬぐえませんでした。顧問の先生役の井上和彦さんに発音機会が訪れなかったのは幸いでしたが。
 一方で、つい最近のアニメ作品でも、アニメファン設定でも何でもない(つまりは素人な)のに平板発音している例はちゃんとあるのです。
 例えば、「ちはやふる3」第16話(総集編のため厳密には第15.5話らしいですが)では、綿谷新がアルバイトしている福井の本屋の店員役の観世智顕さん()が自然な平板発音でした(過去投稿でも取り上げた起伏平板が混在している感じの入野自由さんは、今回は残念ながら起伏でしたが。)。
 また、「pet」第11話では、司役の谷山紀章さんが(過去投稿にもあるように普段から平板発音の方ですが)当然のように自然な平板発音をされました。それを受けたジン役のM・A・Oさんも、釣られたのか合わせたのか自然な平板発音を2回続けてされましたが、次の第12話でも自然な平板発音をさらりとされていましたので、元々平板発音の方なのだろうとわかり安心しました。お二方とも、とにかく自然さ(さらりとした発音)がとても心地良かったです。
 このように、アニメファンでも何でもない設定のキャラが平板なのに、本来なら当然に平板であるべきバリバリのアニメファン設定のキャラが起伏なのは、転倒しているとしか言えません。音響監督さんの判断も影響が大きいと考えますが、「映像研に手を出すなの木村絵理子さん、「pet」の大森貴弘さん、いずれも何らかの指導をされているわけではなさそうですが、実際はどうなんでしょう結局は声優さんご本人次第のような気がします。谷山紀章さんやM・A・Oさんのような例が、本来の姿なのです。他の声優さんの方々も、アニメファン設定のキャラを担当される際は意識していただければと切に思います

 (※諸般の事情により、動画投稿はありません。)

2020年3月11日水曜日

コミケ復活

 東京ビッグサイトで開催されている世界最大の同人誌即売会「コミックマーケット」。GWのコミケ98に、サークル参加が無事決定しました。前回は落選で旧知のアニソン関連サークルさんに委託参加しましたが、今回は復活できました! 初申込から通算7回目の直接参加(委託も含めれば8回連続)です。その次の冬コミからは会場も広くなるため、落選の可能性は極めて小さくなるはずです。もう大丈夫でしょう。

 今回も6回連続(前回の委託参加は「アニメ(その他)」ジャンルでしたが)となる評論・情報」ジャンルで、3日目(5月4日(月))南4ホール(4階)「ホ−20bです。
 初の南ホール配置、島中ですが外周通路にかなり近い位置になります。前回の委託参加も南ホールだったので雰囲気はわかります。右隣のサークルさんは、何と93・96と同じです! 通算3回も同じサークルさんと隣同士になるとは・・・活動内容はそんなに関連が深いテーマではないと思うのですが、配置担当者さんには「同じ穴のムジナ」とでも思われているのでしょうか

 新刊を2種類用意しています。
 1つは、アニメは本当に認められたの?(アンケート結果報告付き合本版)。昨年冬に一部のサークルさんに手渡し済みですが、サークルとして一般参加者向けに頒布するのは今回からとなります。発音問題に関する集大成的な決定版で、今後は当分の間継続して、コミケ以外も含めて幅広く頒布していくつもりです。過去に発行済みの2種類の冊子を合本再構成し、一部の表記・表現を加除修正の上、新規に書き加えた比較的重要な情報も少しあります
 もう1つは、シリーズ本第3弾アニメ文化とこう関わってきた(スタッフ編)です。海外アート系を含む監督(演出家)と制作会社(プロデューサーや企画会社を含む)がメインです。そのほかコラムの形で、脚本家、作画監督、美術監督、音響監督なども取り上げるつもりです。客観的で高度な評論なんかを期待しないでくださいね。あくまで個人的なエピソードや感想を書き連ねたもので、レベルが低くて恥ずかしい気もしますが、シリーズ本の趣旨はあくまで「主観的回顧録」ですから。ただし、京アニ事件については、あくまでコラムの形ですが、個人的体験と客観的論評を合わせた相当な長文(といっても見開き2頁ですが)になる予定です。
 なお、サークル配布分限定ですが、いつもの別紙付録「TAL版勝手にアニメ大賞」(2019年冬発行分の修正版)も挟み込みます。発行済みの第1弾(声優編)・第2弾(音楽編)も、欠席などでまだお渡ししていない一部のサークルさんには配布します。

 まもなく(今月15日(日)には)、前回購入分の同人誌を読了できる予定なので、20日(祝)からはシリーズ本の制作に取りかかれそうです。
 ゴールデンウィークのコミケは初めてのことであり、一般参加者の人数や構成員もどのように変わるか(いつものコミケと変わらないのか)、全く読めません。印刷部数はいつも程度にするつもりですが。
 ただ、最近の新型コロナウイルス感染対策の影響で、まかり違えばコミケ自体が中止になりかねない状況なので、それだけが心配です。(各種対策の強制性と世間の風潮に対しては、大変腹立たしい思いをしています。空気感染しないのに騒ぎすぎです。屋外イベントである選抜高校野球の全面中止など、「どうかしている」と思わざるを得ません。) 実は正直に言えば、今後発行予定の「作品編」(「スタッフ編」もかも)を実のあるものにするためには、当該アニメ作品自体の再鑑賞が必要と考えており、そのための時間を確保するには今回は中止になってくれると大変助かる、というのも事実なのですがね。

2020年3月1日日曜日

SHIROBAKO再び

 2014〜2015年にBSフジなどで全24話放送されたピーエーワークス制作の完全オリジナルテレビアニメ「SHIROBAKO」。過去投稿やまとめページでも取り上げたように、実に素晴らしい作品でした。アニメ制作会社を舞台にした業界人(制作進行やアニメーター(手書き、CG)など)や業界関係者(脚本家、声優など)を描いた群像劇で、アニメ作り(ものづくり)の悲喜こもごもをわかりやすく映し出した傑作で、文化庁メディア芸術祭や東京アニメアワードなどでも受賞し、アニメファンはもちろん本物の業界人の間でも大変話題を呼んだ作品です。約5年の時を経て完全新作の劇場版が2月29日(土)に公開されました。本日(3月1日(日))、月の初日は安く観られること(新型コロナウイルスの騒ぎの影響も心配だったことも一因)から、何と公開2日目という私としては極めて異例の早さで鑑賞してきました。
 権利関係の問題などから制作中止に追い込まれたりするシビアな物語でしたが、ものづくりの苦労と喜びを誠実に描いた良作で、期待を裏切らない内容でした。テレビ版の登場人物たちも大半が顔見せしており、ミュージカル仕立てや、ピーエーワークスらしからぬマンガチックな動きのシーンもあり、楽しい画面作りもされていました。

 単語としての「アニメ」の発音については、触れざるを得ません。
 水島努監督(音響監督も兼任)や堀川憲司・永谷敬之両プロデューサーを信じていましたので、事前に何も働きかけたりはしませんでした。これらの方々の指導が及ばないであろうCF(CM)では(あろうことか宮森あおい役の木村珠莉さんまでもが)起伏発音されていることがあるため、内心は戦々恐々でした。
 いざ蓋を開けてみると、発音機会のあるキャラは予想よりも(尺の関係で当然とはいえテレビ版よりも大幅に)少なかったです。大半がきちんとした自然な平板発音で、ホッとさせられました。遠藤亮介作画監督の妻(声優は橋本ちなみさん)とラジオ番組のアシスタント(声優は高橋李依さん)が各1回発音機会があり、いずれも起伏発音でしたが、素人という位置付けの役柄でしょうから仕方ありません。その一方、丸川正人・元社長(声優は高木渉さん)が1回を除き起伏発音を連発され、木下誠一監督(声優は檜山修之さん)までもが1回だけですが起伏発音されたのは、大変衝撃でした。ご両名ともテレビ版では徹底して平板発音だっただけに。また、声優坂木しずか(声優は千菅春香さん)も、テレビリポーターを務めるシーンで起伏発音でした。

 高木渉さんは、もともと起伏発音が大半の方なのですが、水島努音響監督にはきちんと指導して撮り直しをしていただきたかったです。今回のキモとも言える含蓄のある重要なシーンだっただけに、余計に残念です。アニメ業界を離れている設定だから素人扱いで大目に見た、というわけではないでしょう。因みに、モデルである丸山正雄さんは業界でも最古参クラスの大物プロデューサーです(過去投稿にもあるように直接お会いしたこともあります)が、当然に徹底して平板発音されています。作中では、それにつられてか宮森あおい役の木村珠莉さんも1回だけ起伏発音した後すぐに平板発音に戻っていましたが。高木渉さんの演技があまりに素晴らしくて録り直せなかった、というわけではないと思います。どうにかならなかったのでしょう?大変残念です。
 檜山修之さんは、よりによって過去投稿でも取り上げた「げんしけん」の主要キャラを演じられており当然に徹底して平板発音されていた方なのに、最近の若手声優などの悪影響なのでしょうか?由々しき事態です。現実のアニメ監督の中には、過去投稿でも取り上げた谷口悟朗さんのように起伏発音される方もごくごく例外ではありますが確かにいらっしゃいます。ですが、やはり撮り直していただきたかったですね。
 また、千菅春香さんは、過去の他作品でも起伏発音されていましたが、ここは他の主要キャラ同様に平板発音していただきたかったですね。現実の若手声優に起伏発音の方が多いことを反映しているわけではないはずですし。

 当作のようにアニメ制作自体をテーマにしてアニメ業界人を直接描く作品では細心の配慮が欲しいことから、あえて苦言を申し上げましたが、鑑賞後の感想としては「良作だったな」であることは確かですので念のため。