2018年8月8日水曜日

アニメちゃん

 1984年に「ウルトラマン物語」との二本立てで公開された実写映画(アニメではありません)アニメちゃん」。

 円谷プロダクション制作・松竹配給で、円谷プロと縁の深い俳優が大勢出演されています。監督は昭和ガメラシリーズの故・湯浅憲明さんです。
 12歳の少女「宇良々アニメ」ちゃん(つまりアニメは人名。弟の名前は「マンガ」。)が壁に描いた怪獣(ブースカ、カネゴン、ピグモン)が宇宙電波の影響で実体化し、宇良々家に居候し騒動を巻き起こすコメディです。

 2017年に京都のイベントで1回だけ再上映された以外、テレビ放送もビデオグラム化もされていない幻の逸品です。それが、過去投稿でも取り上げたCSテレ朝チャンネル2「EXまにあっくす特濃・帰ってきたザザーンさん (再編集版)」の第3回(今年6月放送)で放送されました。解説役のザザーン(人形)の声を当てている人(氏名不詳)のほか案内役の俳優塚地武雅さんが、気持ち良いくらい徹底して平板音されていました。

 人名としての「アニメ」なので、「アニメちゃん」と複合語になればもちろん、単独でも自然に平板発音になると思われます。「アニメちゃん」を起伏発音された方はさすがにいません(警官役の二瓶正也さんとラーメン屋店主役の辻三太郎さんがしっかり平板)。「アニメ」の発音機会があったのは、主役の(当時24歳なのに12歳の役)の声優山田恭子(現・山田ふしぎ)さん、母親役の歌手大杉久美子さん、父親役の故・出門英さん(元・ヒデとロザンナのヒデ)、祖父役の故・坊屋三郎さん、クラスメイトの小学生役の田辺潤さんともう1人(小林健一さん野口隆哉さんですが、氏名不詳)です。
 大杉さんは見事なくらい徹底して平板出門さんもすべて平板クラスメイトのもう1人平板でした。
 田辺さんはほぼ起伏でしたが、場面の流れで出門さんにつられる形(?)で2回続けて平板でした。
 坊屋さん平板でしたが、逆に場面の流れで田辺さんにつられる形(?)で1回だけ起伏でした。
 そんな中徹底して起伏だったのが主役の山田さん。明らかに意識して自分の名前を起伏発音し続けられました。OP・EDの両主題歌も唄われていますが、(コーラスの人たちはしっかり平板なのに)人名ではないと思われる「アニメ」も含めてすべて起伏でした。どう考えても起伏にこだわっていましたね。
 上記の状況からは、監督などからの指導があったとは到底思えませんので、各役者さんの判断でしょう。場面の流れで他の役者につられて(合わせて)発音が変わることはあるでしょうが、やはり個人の普段の発音に左右されるのでしょう。

 1984年というアニメブーム末期の時代において、平板発音が当たり前だった時代においても、やはり起伏発音にこだわるような人もいたということではありますね。くどいようですが、当時は平板発音が当たり前だったのです。特に若い方々にはよく知ってほしい歴史的事実です。

 (※諸般の事情により、動画投稿はありません。)

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