CSのAT−Xでは、アニメ専門チャンネルらしく、アニメ業界人自身へのインタビュー番組を、不定期ではありますが継続した番組枠で設定しています。最近も2つの枠がありますので、まとめて取り上げます。
「松倉家」は、過去投稿でも取り上げましたが、アニメ業界人(アニメ制作会社、アニメプロデュース会社)やアニメ業界関係者(テレビ局のアニメプロデューサー、レコード会社の音楽プロデューサー、映像編集会社や音響制作会社のスタッフなど)だけによるトークバラエティー番組です。アニメ制作会社J.C.STAFF のチーフプロデューサーで手がけた作品数は業界随一と言われる松倉友二さんが、司会(小料理屋の主人という設定で、ホスト的役割)となり、飲み食いしながら2名のゲストと語り合う形です。アシスタントとしてフリーアナウンサーの八木美佐子さんも出演(ナレーションも担当)しています。ゲストは2回(放送枠としては計1時間)ごとに入れ替わるようです。
第5・6回(4月5・19日初回放送分)は、アニメ制作会社NAGOMI代表の金子文雄さん、映像編集会社リアル・テイ社長の西山茂さんがゲストです。金子さんは平板1回のみ、西山さんは平板5回のみ、松倉さんは平板3回のみ、八木さんはナレーションで起伏3回のみでした。
第7・8回(7月5・19日初回放送分)は、ゲスト2名とも音響制作会社で、マジックカプセルの見留滉平さん、HALP・H・P・STUDIOの鑰山千代さんです。見留さんは平板2回(他に起伏気味1回)、鑰山さんは平板4回のみ、松倉さんは平板2回のみ、八木さんはナレーションで起伏2回のみでした。なお、鑰山さんは「ゲーム」も平板1回のみ、松倉さんは「ドラマ」も平板1回のみでした。
第7・8回(7月5・19日初回放送分)は、ゲスト2名とも音響制作会社で、マジックカプセルの見留滉平さん、HALP・H・P・STUDIOの鑰山千代さんです。見留さんは平板2回(他に起伏気味1回)、鑰山さんは平板4回のみ、松倉さんは平板2回のみ、八木さんはナレーションで起伏2回のみでした。なお、鑰山さんは「ゲーム」も平板1回のみ、松倉さんは「ドラマ」も平板1回のみでした。
基本的には平板発音でまとまっているのは当然ですが、それだけに八木美佐子さんには、意識して(できれば当番組以外も含めて)平板発音に変えていただきたいと切に思います。音響制作会社の方々(テレビで生の発言が聴ける機会は初めてかも!)は、「音」「声」の専門集団だけに、さすがという感じはしますが、予断は許さない状況なのかもしれず、若干の不安はありました。
「明日へのセル画」は、アニメ業界人(アニメ制作会社、アニメプロデュース会社)、特に監督やプロデューサーへのインタビュー番組です。司会は、お笑い芸人の前田裕太さん(ティモンディ)で、ゲストは2名。やはり2回(放送枠としては計1時間)ごとに入れ替わるようです。
第1・2回(7月13・14日初回放送分)は、東映アニメーション出身で「ARIA」「たまゆら」監督の佐藤順一さん、アニメーター・監督の川野達朗さんです。佐藤さんは平板3回のみ、川野さんは平板1回のみ、前田さんは平板1回のみ、ナレーションの千葉千恵巳さんには発音機会がありませんでした。なお、「ドラマ」についても、佐藤さんは起伏・平板各1回、川野さんは平板3回のみでした。
第3・4回(7月20・27日初回放送分)は、サンライズ出身でボンズ代表の南雅彦さん、アニプレックス出身でエイベックス・アニメーションレーベルズのプロデューサー飯泉朝一さんです。南さんは平板5回のみ、飯泉さんは平板2回(他に「ニ」にアクセントを置く起伏2回)、前田さんは起伏1回・平板4回、ナレーションの中原麻衣さんは起伏6回のみでした。なお、「ゲーム」についても、南さんは平板1回のみ、飯泉さんは平板1回のみでした。
アニメプロデュース会社(アニプレックスなど)関係者は、やはり業界関係者以外と接する機会も多いせいか起伏発音が少し見られますね。由々しき事態です。
総じて、業界はさすがにまだまだ安泰という感じはしますが、安心しきるところまではいきません。特に、アニメ専門チャンネルの専門的な番組でさえ、ナレーションなどに起伏発音がはびこっている状況なのは、大変憂慮するものです。どうか心していただきたいものです。
(※諸般の事情により、動画投稿はありません。)