2023年4月29日土曜日

最近の声優さんなど

 最近のテレビ番組での声優さんの発音機会を中心に、まとめて取り上げます。 


 1月2日にCSのAT−Xで放送の「TVアニメ「スパイ教室」放送スタート記念! 雨宮天と伊藤美来の極上新春対談! 」では、声優の伊藤美来さんが、発音機会1回のみで、過去投稿同様に自然な感じの平板発音でした。

 CSのAT−Xで放送の「Club AT-X」。3月18日初回放送分では、声優の福原かつみさんが、発音機会3回で、起伏気味の1回を除いてきれいな平板発音でした。4月15日初回放送分では、声優の折笠愛さんが、発音機会2回ともきれいな平板発音でした。(過去投稿では起伏でしたが、)最近のアニメイベントにはあまり関わっていないベテランらしく、ホッとしました。なおこの回では、アニメジャパン2023のイベントレポートがあり、AT−Xブースでの「R指定アニメ」ミニステージでは人気ホストのROLANDさん平板発音されていて、アニメイベント会場らしくて嬉しかったです。

 4月1・2日にNHK教育で放送の「無敵のボイス」。声に関するあらゆる事象を取り扱う大変珍しく大変興味深いバラエティー番組でした。声優の山寺宏一さんが、(発音機会は2回のみですが)安定した平板発音を披露していて安心しました。

 3月17日(開催日は2月5日)にCSのテレ朝チャンネル1で放送の「おねだり! 声優フェス2023・笑顔だらけの4時間スペシャル」。司会お2人のうちダンサー(EXILE)の世界さんが、最初の1回のみ平板でしたが、それ以降は起伏ばかりで、大変残念な思いです。幼馴染という声優の小野賢章さんが発音機会2回のうち最初が起伏だった(最後は平板気味だった)ためそれに引きづられた感じがして、悪影響の一例を垣間見た気がします。その他に発音機会があったのは3名のみで、関智一さん森久保祥太郎さん起伏1回のみでしたが、若本規夫さん最近のアニメイベントにはあまり関わっていないベテランらしく平板1回のみでした。

 CSのAT−X(地上波のテレビ東京も)で1〜3月に全12回放送の「第2回Anime nova プロジェクトU-20アニメグランプリ」。約1分間のオリジナルプロモーションビデオアニメ制作のコンペで、20歳以下の3名1組(演出、脚本、キャラクターデザイン)のチームが計4チーム出場していました。ナレーションの大塚明夫さんは、相変わらず徹底して起伏でしたが、多くの出演者が平板だったのには救われました。出場チームで唯一発音機会があった演出担当の立野竜之介さんは、起伏平板が各1回でした。業界人では、発音機会があったのは2名(各1回)のみですが、アニメ制作会社OLMのプロデューサー加藤浩幸さんが発音機会1回のみで起伏だったのには驚きました。プロデューサーは、「素人」との接触機会も多いせいか、平板ではない場合もチラホラ見受けられますが、業界人としての自信と誇りに欠けた姿勢であり、由々しきことですね。司会2名のうち、タレントのカズレーザーさんは、発音機会5回のうち4回は平板でした。アニメ情報番組だから適切に配慮したのかもしれませんが、やはり基本的には平板基調の方なのだと思われます。もう一人の司会である声優の榎木淳弥さんは、司会者としては発音機会4回とも徹底して平板でしたが、フリップに書かれた文章を読み上げる際には発音機会(文中登場機会でもある)2回とも起伏だったのは、大変残念でなりません。「アニメ」という単語を意識して発音せざるを得ず、皆さんが集中して聴いている目立つ場面では、最近の世間の雰囲気に合わせて起伏に変えてしまったのかもしれません。アニメが直接のテーマである番組なのだからこそ、普段と変わらず平板発音を貫いていただきたかったし、それができなくなりつつある昨今の情勢に大変危惧を抱かざるを得ません。本当にもう、どうしたら良いのでしょうか・・・

 (※諸般の事情により、動画投稿はありません。)

2023年4月22日土曜日

ハケンアニメ再び(「アニメ」と「映画」)

 実写映画「ハケンアニメ!」については、過去投稿でも詳しく取り上げていますが、少し気になったことがありましたので、もう一度触れさせてください。

 3月25日にCS日テレプラスで放送の「第46回日本アカデミー賞授賞式・完全版」で、当作が複数の部門で優秀賞(最優秀賞候補)に入賞していましたが、監督の吉野耕平さんは、発音機会は1回のみですが、きちんと平板発音されていました。過去投稿でも触れたように元々アニメ映画「君の名は。」にCGクリエイターとして参加した経歴もあるため、当然の結果です。「アニメに理解のある実写映画人」のはずでアニメ制作現場もご存知のはずなのですが、平板発音の指導はしていただけなかったことが証明されました。出演者の中で平板発音されていたのは主役の吉岡里帆さん唯一人(1月のBS日本映画専門チャンネルでの放送で確認しましたが、起伏4回・平板3回)だったことは、やはり悔しくてたまりません。
 ただし、同番組で「アニメ」の発音機会があったのは、他には3名のみ。司会のアナウンサー羽鳥慎一さん起伏1回のみ(過去投稿にもあるように相変わらず起伏ばかりで残念です)、プレゼンターとして登壇していた俳優菅田将暉さん起伏1回のみ、司会の俳優有村架純さん平板1回のみでした。有村架純さんは、過去にアニメ映画「思い出のマーニー」で主人公マーニー役を務められていることからも、アニメに親しみを持っているようで何より嬉しかったですし、好感度が上がりました。本当は、アニメに直接関わった方々は皆さんこうであってほしいものです。
 ちなみに、「映画」については、登壇者や発言者の中では起伏平板が混在しており、起伏発音の方々も思ったより多かったです。発音を含む文化的歴史が異なる(差別され見下されてきた歴史はアニメの方が長く深い)ため完全な同列では語れませんが、「アニメ」に関しては、業界との距離が近い方々ほど正統的な発音である平板発音を徹底していただきたいと強く思います。

 (※諸般の事情により、動画投稿はありません。)

2023年4月9日日曜日

最近のNHK

  ここ半年間ほどのテレビ番組のうち、NHKで放送されたもので、まだ取り上げていないもの(の一部)をまとめます。


 BSプレミアムで昨年12月30日に再放送された「石原裕次郎がテレビと出会った時」。大人気長寿番組だった日本テレビ系「太陽にほえろ!」の脚本担当者の一人である脚本家の四十物光男さんが、単独語としての「アニメ」の発音機会が2回あり、いずれも平板でした。この方は、1979年頃は「ルパン三世」や後述の「アニメーション紀行マルコ・ポーロの冒険」などアニメの脚本も書かれています。かつてのアニメブーム当時にアニメの脚本を手がけている脚本家の方らしくて、嬉しかったです。
 BSプレミアム「プレミアムカフェ」で3月13〜15日に初めて再放送(本放送から43年ぶり!!)された「アニメーション紀行 マルコ・ポーロの冒険」。全43話中第1話・第43話以外は視聴者からの提供ビデオによるもの(海外版のフィルムが全話分現存するが、日本語音声が無いため、視聴者からの提供ビデオで全話補完)で、計9話放送(もっと・・・いや全話やってほしいですが)。アニメパートと実写パートの合体作品で、後に大人気シリーズとなった「NHK特集・シルクロード」も当作がきっかけだったほどの大変貴重な作品。私自身も、有志の上映会で数話しか観たことがなく、今回の再放送に興奮しました。ゲストは、音楽担当の小椋佳さん(不謹慎かもしれませんが、よくぞご健在のうちに再放送してくれましたよね。こうしてご本人のインタビューができるのは奇跡!!)、マルコ・ポーロの『東方見聞録』に詳しい立教大学文学部教授の上田信さん。小椋佳さんは、発音機会1回のみで(私の期待通りの)平板発音。さすがかつてのアニメブーム当時からアニメに関わりのある方らしくて、ホッとしました。上田信さんは、起伏平板が1回ずつで、最初は平板発音。元々平板だった方に違いありませんね。こういう(私よりも年上の)学識経験者の方がきちんと平板発音してくれるのは本当に嬉しいです。司会の局アナウンサー渡邊あゆみさんは、発音機会は1回のみで、「日本のアニメ」という言い方で、息継ぎの関係か何かだと思いますが、いつもと異なり起伏でした。それ以外は作品名に合わせて「アニメーション」としか発音されなかったので、発音を避けていたのかもしれません。まさかこの方までが同調圧力に負けて起伏化したとは思いたくありませんし、きっと今後は平板発音を続けていただけるものと信じています。

 NHK総合で2月24日に放送の「あさイチ・プレミアムトーク」。ゲストは声優の日高のり子さん。ETCの声も担当していることが今回特に注目されたらしく(私は既知でしたが)、数日間インターネットの検索トップクラスに居座り続けたほど反響が大きかったようです。その日高のり子さんは、起伏2回・平板3回で、最初は平板だったなど平板基調でした。過去投稿にもあるように1987〜1989年放送の「アニメ三銃士」の頃は当然に徹底して平板だったのに、近年は各種のナレーションなども起伏ばかりだったので、とても意外でした。やはりご本人は今でも平板基調で、ナレーション業務では(指導もあるのかも)意識して起伏にしてしまっているのかもしれません。そうであれば、ぜひ自発的・積極的に平板発音に戻していただきたいものです。他のゲストである俳優の赤楚衛二さんも、発音機会は1回のみですが平板気味でした。司会の博多大吉さんは、以前は平板だったのにだんだん起伏が増えてきている感じで、今回は発音機会1回で起伏でした。同調圧力に負けず平板基調でいていただきたいと切に願います。そんな中で一番許せなかったのは、局アナウンサーの小林孝司さんでした。あろうことか「アニメ三銃士」を起伏発音されたのです。全体で1つの作品名であり、複合語でもありますから、日本語の発音ルールの鉄則で必ず平板発音になるはずです。1つの作品名として意識していないからだとは思いますが、同局の番組なのだから過去データも事前に確認していただきたいですし、アナウンサーとしてあるまじき誤りです。深く反省していただきたいものです。

 (※諸般の事情により、動画投稿はありません。)