2022年11月26日土曜日

素人 3

    アニメ業界関係者(業界人以外の声優なども含む)を「玄人」、それ以外を「素人」と位置付けていますが、最近のテレビ番組などで見聞する「素人」の方々の、「アニメ」の発音例をいくつか挙げてみます。

 11月2日にBSプレミアムで放送の「ニッポンぶらり鉄道旅」の「東京メトロ千代田線」の回。「千駄木」駅付近の琵琶教室が取り上げられていました。今年1〜3月に放送されたアニメ「平家物語」の影響で琵琶に興味を持った若い女性(中には小学生もいるらしい)が訪れているとのこと。20歳前後くらいの女性の生徒2人がともに各1回平板発音されていました。「これがホントだよなあ」というのが感想です。
 11月3日にテレビ朝日系で放送のニュース番組「Jチャンネル」内で、ジブリパーク開園関連ニュースとして2005年の「愛・地球博(愛知万博)」での「サツキとメイの家」設置の発案者として矢内廣さんがインタビューされていました。当時は愛知万博催事担当プロデューサーで、ぴあ株式会社の創業者で現在も社長を務めている方です。宮崎駿監督と散歩しながらの雑談で、現実の建築物として「サツキとメイの家」を作ったらどうかと提案されたそうです。そして、当時を振り返る中でしっかりと(発音機会は1回のみですが)平板発音されていました。とても嬉しかったです。
 11月11日にテレビ朝日系で放送の「ミュージックステーション」では、「40代以上の大人世代に刺さった! 21世紀アニメソングTOP10」「10代・20代に刺さった20世紀アニメソングTOP3」が特集されていました。スタジオ出演者には発音機会が無く、ビデオ出演者(取材先)で「素人」にのみ各1回発音機会がありました。20代男性で1人が起伏気味・1人が平板気味でした。50代男性で上野広小路にある「アニソンBARあにすた!」の店長さん平板発音されており、「さすが!」と唸らされました。ナレーションの声優服部潤さんは、相変わらず起伏発音ばかり(発音機会は5回)繰り返されていましたが。

 以上、本当に最近の例だけですが、「素人」でも、決して世間の風潮に染まっている方々ばかりでなく、伝統をごく自然に踏襲してくれている方々があちこちにいることがわかり、ホッとするとともに勇気づけられました。もっともっと耳にする機会が増えると嬉しいですね。

 (※諸般の事情により、動画投稿はありません。)


2022年11月11日金曜日

コミケ通算10回目

  東京ビッグサイトで開催されている世界最大の同人誌即売会「コミックマーケット」。今冬のコミケ101に、サークル参加が無事決定しました。初申込から通算9回目の直接参加(委託も含めれば10回連続)です。 
 新型コロナウイルス対策の影響で、サークル用会場は以前と変わらない程度の広さにとどめた形での2日間開催で、サークル総数はたったの2万(従来の6割程度)。落選しても当然だったわけですが、今回も前々回・前回同様に当選できて、本当にホッとしました。前回初めて実施された10時30分開場は、今のところ今回も適用されるようですが、ぜひ10時開場に戻してほしいものです。

 今回は、評論・情報」ジャンルに戻り、2日目(12月31日(土))東5ホール「ヘ−47bです。
 通算2度目の「お誕生日席(島角席)」です。角そのものではなく全4スペース中の中寄り2席の1つです。出入口に一番近いブロックになりますが、中央通路のような広い通路に面しているわけでもないので、頒布数に大きな影響はないでしょう。サークル窓口も近く、トイレもまあまあ近いです。左隣は、何と通算3度目となるお馴染みのサークルさんです。右隣は、初めてのサークルさんです。

 当日の頒布物は、次の2種類です。
 「アニメ」の発音問題に関する評論本アニメは本当に認められたの?(アンケート結果報告付完全版)」は、前々回(昨年12月)発行済みで、前回の残部(5部)を含め20部程度に減らすつもりです。
 個人的感想文集のシリーズ本アニメ文化とこう関わってきたでの続刊は1種類です。散々迷いましたが、「総集編」はオンデマンド(オフセット)印刷にあたってのデータ入稿の制約が判明し、相当な検討(修正)が必要となるため、来年冬に延期し、ファン活動編」に変更しました。正確に執筆するためには過去の様々な資料を確認する必要があり、まだまだ調査が残っているのですが、還暦記念(コミケリアル開催100回記念、サークル参加通算10回記念)としては、やはり「自分史」の色が濃いものの方がふさわしい、と覚悟を決めました。
 内容は、以下の5点です。最初に、概要説明(生まれてから60年間の総括)を書く予定です。第2に、同人活動です。コミケなどの同人誌即売会への参加記録はもちろん、大学サークル、公式または私設のファンクラブ、地元の自主上映会グループ、投稿したり個人的に懇意になった同人サークル、同人サークルの主催イベント参加、私自身の個人誌などです。第3に、マスメディア関係です。ラジオなどのアニメ情報番組の聴取記録、数は少ないですが雑誌社・テレビ局・アニメ制作会社などへの投書・電話などによる要望・提言行動です。第4に、聖地巡礼です。国内・海外とも取り上げます。作品別ではなく、場所別にする予定です。第5に、公式イベントです。講演会、展示会、オフシアター上映会、オールナイト上映会、コンサート、朗読劇、各種ファンイベント、国際映画祭などです。特に、広島国際アニメーションフェスティバルについては、作品の感想も含めて詳しく執筆するつもりです。以上の多種多様な「一アニメファンの具体的活動」を、後述の記録や記憶にある限り詳しく、うまくまとめあげたいと思っています。
 プライバシーを相当さらけ出すことになる(私の素性がバレバレになるし、恥を晒すような内容も複数あり)ため、今後発行予定の総集編にも組み込む考えは無く、贔屓のサークルさんへの贈呈もしないつもりです。本当に、今回私のサークルスペースを訪れた方だけが手にすることができる、正真正銘の限定本(見本誌用・保存用を含めても20部限定)となります。内容が内容だけに、私自身が関わったサークルの同人誌やイベントパンフレットの表紙、印象的なイベントの風景写真などを載せた、オールカラーの別紙付録も作成します。A3判二つ折りの4頁を予定していますが、6頁または8頁に増えるかもしれません。

 このほか、別紙付録「TAL版勝手にアニメ大賞」(2022年冬版)も、もちろん発行します。内容は大きくは変わりませんが。
 発行済みのシリーズ本各種は、贈呈したいサークルさんは今回は欠席ばかりで、他に贈呈予定のサークルさんは皆無に近いです。


 以下は、蛇足かもしれませんが、「資料」「調査」の実態をご参考までにお知らせするものです。
 前述の「資料」は、ごく一時期を除きかなり詳細な記録が残っています。小学5年生の時に学習雑誌に触発されて始めた「家庭新聞」、その1コーナー「家族の生活記録」(私個人から見た家族4人の様子)が親戚などに大変好評で、中学校に進級することを契機に廃止しようとしたところ、父の発案で各自が記録する「家族日誌」が始まりました。大学ノートに毎日原則1頁(4人で1頁)、4人が各々自由な内容でメモするもので、私自身も高校生以降はテレビ番組の視聴・録画記録も記入するようになりました。大学4年間は特に詳細に記録しており、イベント参加の内容や感想、友人・知人との会話内容までしっかり残っています。1986年4月、社会人になるにあたり、「家族日誌」は廃止となり、私個人の「生活日誌」が、社会人最初の職場での3年間続きました。詳細さでは大学時代を上回るほどです。あまりに詳細に書くため時間的にも負担となり、4年目の人事異動に伴い「生活日誌」を廃止し、職場で支給される業務用手帳にメモするだけとなりました。それも1997年限りでやめ、自宅で新聞販売店からもらえる無料の月別カレンダーにメモするだけの状態が2002年まで続き、その後はパソコンの簡易表計算ソフトに移行しましたが、長続きしませんでした。2006年にパソコン買替えとともに現在も使用しているEXCELでの自作の家計簿ファイル内にある生活メモ専用シートに入力する形が現在まで続いています。これとは別に、旅行中の記録は、時間がなくて作成できないまま終わることもありますが、A4判上質紙にメモ書きしてホッチキス綴じした形で別途保存しています。例えば、先日の北陸への聖地巡礼(前々回投稿)は、挫折することなく久々に、全3日間の詳細な記録を残せています。
 前述の「調査」は、これら各種の日誌からの抜粋作業が完了し、各種の同人誌などの内容確認も終了し、旅行のメモなどを調査する作業が残っています。そして、いわば空白の3年間(2003〜2005年)と業務用手帳が唯一見つからない1996年の合計4年分が、悩ましい課題です。旅行のメモだけでも見つけないと、おぼろげな記憶だけでは大変心もとないです。旅行関係は、旅行中に使用したバッグや予備の手提げ袋に入れて押入れ内や保存部屋の床の上に置いてあり、検索は大変な労力が要りますが、何とか本が出せる程度までは(寒くならないうちに)実行するつもりです。正直、コミケに間に合うかどうかギリギリになってきていますが、本は必ず出します。



2022年11月2日水曜日

もののけ姫

  昨日(11月1日)、ジブリパークが開園しました。2005年開催の愛・地球博(愛知万博)の会場だった愛知青少年公園が「愛・地球博記念公園(モリコロパーク)」となり、その中に従来の公園の自然環境などを生かす形で整備されたテーマパークです。愛・地球博のテーマだった「自然の叡智」の理念を引き継ぎ、東海地方の匠たちの創意工夫などの職人芸も十分に取り込まれ、アトラクションなどに頼らない「見る」「触る」「感じる」「発見する」という五感を刺激する体験型の空間が広がっています。スタジオジブリの理念とも共通する面が多く、まさに成るべくして成ったものと言えます。
 各テレビ局が全国ニュースでも取り上げていたほど、国内外から注目度の高い施設です。ただし、「アニメ」の発音機会は、バラエティー番組を含めても皆無に近かったです。私が視聴した範囲では、TBS系の夕方の情報番組「Nスタ」のみで、キャスターを務める俳優のホラン千秋さん起伏発音1回だけでした。なお、ホラン千秋さんは過去投稿では平板だったので、大変残念です。

 さて、実は、本題はジブリパークではありません。開園に合わせて昨日のうちに投稿する予定だったのが、前述の各番組の視聴などで時間が取れなかったため、本日にずれ込んでしまいましたが。ジブリ作品の中で、メイキングビデオが市販されている「もののけ姫」を取り上げます。具体的には、1998年発売の『「もののけ姫」はこうして生まれた。』全3巻です。「アニメ」の発音機会は、4名の方が各1回ずつありました。
 第1巻では、メイキングビデオ制作スタッフであるカメラマンの鈴木淳さんだと思われます(正確には不明)が、起伏でした。
 第2巻では、宣伝スタッフ会議の場で、製作委員会の構成員である広告会社電通の福山亮一さんが、自然な平板発音でした。製作委員会の構成員はこうであってほしい、というお手本のようなものですが。
 そして第3巻では、宮崎駿さんの才能を見出したあの徳間書店社長(当時)の徳間康快さんが、大変残念ながら起伏発音されました。しかし、大変嬉しいことに、乙事主役の俳優森繁久彌さんが、しっかりと平板発音。かつて1958年の東映動画長編第1作「白蛇伝」にも出演されたとはいえ、これほどの大御所の口から平板発音が自然と出てくることには感激しました。それだけ平板発音が本来の正統的な発音であることの証左であり、継承されるべきであると意を強くしました。

 (諸般の事情により、動画投稿はありません。)