2022年8月27日土曜日

聖地巡礼とファン

 アニメ聖地巡礼は、私も行ないますが、アニメファンの積極的行動形態の一つとして現在では広く知られるようになりました。自治体関係者や地元住民と積極的に関わるケースも珍しくなく、特に地元商店などとの交流やそこから派生する様々な動きは、(草の根の)地に足のついた息の長い交流形態として、真の意味での地域活性化の事例として社会的にも有意義なものと言えます。ある意味アニメ文化の最前線に立っていると言える一人一人のファンの言動は、とても大事です。「マナーが良い」「礼儀正しい」と各地でよく言われますが、それだけでなく特に単語としての「アニメ」の発音がしっかりしていないと困ります。アニメファンとまでは言えない多くの人々に対する「見本」「手本」となるからです。

 去る8月2日にTBS系で放送の「マツコの知らない世界〜超機密・日本全国観光地化計画・アニメ聖地巡礼の世界」。タレントのマツコ・デラックスさんが司会のバラエティー番組です。聖地巡礼好きのアニメファン3名が出演されていました。
 公務員の鯛さんは、アニメツーリズム協会で「アニメ聖地88旅の思い出レポートコンテスト」で大賞を受賞したほどの方ですが、起伏7回・平板8回(沼津ロケを含む)とほぼ半々でした。特に序盤は平板が徹底していたのに後半はほとんど起伏だったのが残念です。複合語である「アニメ聖地巡礼」でさえ、後半では起伏発音されており、日本語として問題です。アニメツーリズム協会とも関わりがあるならなおのこと、発音には留意していただきたいものです。ちなみに、アニメツーリズム協会の会長富野由悠季さんは当然ながら(私の知る限り)徹底して平板発音されている方ですが、過去投稿で取り上げた関係者(通算3名)もバラバラ(起伏のみ、平板のみ、混在)でしたし、関係者の皆様が徹底して平板発音になっていただかないと立つ瀬がありませんが。
 動画クリエイターの中国人で来日後現在までに47都道府県の聖地を巡ったという軟軟冰(ビンビン)さんは、起伏4回・平板6回で、やはり後半の方が平板が減っていった感じで、大変残念でした。日本人の悪い見本に感化されないことを願っています。
 大学教員の伊月(刑部慶太郎)さんは、「らき☆すた」のガイドブック制作者としてコミケでも有名な方です。発音機会はたった1回でしたが、当然ながら(以前と変わらず)平板のままで安心しました。コミケ会場でも何度も言葉を交わしていますが、今夏(コミケ100)は離席中でお会いできず当番組について(裏話なども含めて)話題にできなかったのが大変残念です。
 なお、ビデオ出演(沼津でのロケ現場)された鯛さんのご友人のmisshuさんも、発音機会は1回のみで起伏でした。
 ナレーションの声優玄田哲章さんは、大変残念ながら徹底して起伏でしたが、複合語の「アニメ聖地巡礼」は(プロとしては当然ですが)徹底して平板でした。
 マツコ・デラックスさんは、起伏4回・平板8回と混在でしたが、ここぞという大事な箇所では平板だった感じです。過去投稿では起伏基調(稀に平板)でしたが、平板基調に変わってきている感じで、大変良い傾向です。ちなみに、「コミケ」も発音機会1回のみですが平板発音されていました。

 出演したアニメファンの御三方は、司会のマツコ・デラックスさんが前述のような状況なので、それに引きずられたわけではないはずですが、地上波のプライムタイムのテレビ番組にスタジオゲスト出演されるような場合に平板発音が徹底しないのはやはり困りものです。良くも悪くもファン以外の耳目に触れる機会も増えてしまった現在の一人一人のファン。アニメ文化の明るい未来のためにも、ファンの自覚を促す必要を改めて感じています。

 (※諸般の事情により、動画投稿はありません。)


2022年8月14日日曜日

コミケ100参加報告

  昨日(8月13日(1日目のみ参加))開催された同人誌即売会「コミックマーケット」(コミケ100)のサークル参加報告をさせていただきます。今回は、私にとっては初めて(元々コミケ全日程を欠席している場合を除きます。)の、一般参加日無し(サークル参加日のみ)のコミケとなります。反省会も、不本意ながら欠席(初めてではないですが)となります。


1 概要

 コミケ91からの毎回参加で、通算8度目のサークル参加(他に別サークルへの委託参加も1回あり)、2度目(別サークルへの委託参加も含めれば3度目)の「アニメ(その他)」ジャンルで、1日目(8月13日(土))東6ホールニ−18b」です。
 新刊は1種です。全て無料です。

 既刊は、「アニメ」の発音問題に関する評論本アニメは本当に認められたの?(アンケート結果報告付完全版)」(以下「完全版」)。Q&Aなど当ブログでは直接そのままの形では公開していない内容も含んでいますが、間接的には各投稿の中で触れている内容がほとんどです。結章(結論)部分を私の真意が伝わりやすいように全面的に書き換え、新しい言い回しの追加なども行なった「完全版」です。一応最終形のつもりで作成した「決定版」です。在庫が無いのですべて増刷です。
 新刊は、個人的感想文集のシリーズ本アニメ文化とこう関わってきた第5弾「作品編②国産テレビアニメ歴代総合ランキングでの第20位候補10作品国産劇場アニメ歴代総合ランキングでの第2位の、併せて11作品を(続編・リメイク・スピンオフや劇場版・OVAも含めて)取り上げています。
 この他、別紙の自己紹介ペーパー「TAL版勝手にアニメ大賞」(2022年夏版)(以下「ペーパー」)も、前回からは一般参加者にも配布しています。


2 事前準備

 既刊は、コミケ1週間前の8月5日(金)に31部印刷。
 新刊は、コミケ前日の8月12日(金)に準備会提出用見本誌や私個人の保存用を含めて32部(つまり頒布可能部数は30部)印刷。ペーパーは前回と同じ40部、既刊も1部追加印刷して32部で揃えました。なお、前回の「作品編①」(在庫2部)も、前回渡せなかったサークルさんへの贈呈用が不足するため2部追加印刷しました。
 いつも印刷(中綴じ製本まで全自動)しているビジネスコンビニ「キンコーズ」は、毎週金曜日がサービスデーで税込単価がゴールド会員通常8円のところ実質7円程度(税抜きは6円)に値下げされるため、このような日程になりました。今回もコミケの一般参加人数制限がありますが前回の5.5万人から9万人へ大幅に増加していること、「アニメ(その他)」「評論・情報」が同日のため(さらには「アニメ(その他)」は久しぶりなため)潜在的には手に取ってくれる方々が増える期待があったこと、W E Bカタログでのお気に入り登録者数が前回開催直前の70人から今回開催直前で75人へと微増していること、で少し強気な部数になりました。
 なお今回は、USBメモリーでデータをコンビニコピー機(キンコーズのパソコンやプリンタを含む)から出力しようとしましたが、Mac(自宅パソコン)で使用したUSBメモリーからはフォーマットの関係で読み込みできないことがコミケ前々日の8月11日に判明。クラウド、Gmailからの転送、自宅のインクジェットプリンタからの出力など検討しましたが、結局従来通りCDからの読み込みによるコンビニコピーであっけなく解決。いやホント、焦りましたよ。最悪の場合、新刊発行自体ができなくなりますから。


3 当日の流れ

 今回は一般参加者入場時刻が初めて繰り下げられて10時30分(そのためサークル入場締切時刻も従来から繰り下げられて9時30分)になったため、全体的に30分程度ずつ繰り下がりました。当日のサークルスペースへの到着は9時5分。見本誌提出専用袋の投函もすぐに済ませ、紙袋と冊子版カタログ(100回記念の特集記事が掲載されているらしい)を購入に向かい、カタログが本日分完売だったのはショックでしたが、食事完了は9時40分。設営完了は10時20分。
 シャッターから離れており、台風接近中とはいえ強風対策は全く不要でしたが、前回同様に原紙の束を透明な袋に入れて封印して一番上に乗せる方法を採用。





 経過は次の通りです。

 10:30 コミケ開始時刻。離席
       既刊20部、新刊24部、ペーパー30部
を置く。
       訪問サークル贈呈用本日分(既刊12部、新刊7部、
      ペーパー10部)を携帯
      
 
12:50 残り既刊12部、新刊16部、ペーパー25部確認
        (つまり8部・8部・5部が捌けた!) 
       直後に一般参加者が訪問し、各1部手渡し
       サークル贈呈用で既刊2部・新刊4部・ペーパー5部を追加携帯 

 15:05 帰席
       残り既刊6部、新刊7部、ペーパー15部確認
        (つまり11部・13部・10
部が捌けた!) 
       紙折れなどの不良発生の既刊1部を除外
       
 15:10 贈呈が必要なサークルへ行くため数回離席
       サークル贈呈用で新刊1部・ペーパー2部を追加携帯

 15:30 再び 
       残り既刊6部、新刊6部、ペーパー13部残数不変

 15:45 近隣のサークルさん1箇所へ既刊・ペーパーを贈呈
       
 16:00 コミケ終了時刻。撤収開始
       既刊5部・新刊6部・ぺーパー12部残存。 
       (つまり一般参加者分としては、既刊
15部・新刊
      13部ペーパー10部が捌けた)



4 感想

 位置的にはやや外(北・東)寄りで、島中でしたが、決して悪く無い配置です。今回も、新型コロナウイルス対策で、左右どちらかに必ず空白がある形で出入りもしやすいし、サークルスペース全体に余裕が感じられました。人通りも前回よりは増えたはずですが。
 頒布数は、新刊は20部はいくだろうという期待を裏切られました。それでも、前回のスタッフ編17部・作品編①14部よりも少ない13部で、少し残念です。既刊が、前回の13部よりも多い15部も捌けたのは、やはり新規の方々が多いということなのでしょうから、今後もしっかり頒布し続ける必要がありますね。

 両隣のサークルさんとの交流は、今回は最初のあいさつ程度しかできませんでした。15時5分に帰席した時点で既に両隣とも帰られた後でした。
 一般参加者の方々との交流も、結局直接手渡しできたのは12時50分の帰席時に偶然できたお1人のみで、15時5分に帰席して以降は、1人もありませんでした。
 予想通りだったとはいえ15時以降の帰席は、サークル参加者としては交流不足と言わざるを得ませんし、反省すべきですね。とにかく今回は、開始時刻がいつもより30分遅い上に、私にとっての3大ジャンル(「評論・情報」「アニメ(その他)」「鉄道・旅行・メカ・ミリタリー」)がすべて同一日という、サークル参加開始後では初めての割り振りとなったことが原因です。それらがすべて同一ホール(東4・5・6ホール内)配置という奇跡に助けられ、お目当てのサークルはほぼ回れましたので、コミケ参加全体としてはほぼ満足できます。


5 今後

 次回は、還暦記念もあり、いよいよオフセット(実際はたぶんオンデマンド)による総集編の発行を予定しています。「作品編③」は、作品の関係で次回(今冬)は発行不可能なため、次々回(来夏)となります。場合によっては、「ファン活動編」を一部(例えば同人関係のみ)を発行する形に変更するかもしれませんが、現時点では断言できません。なお、還暦記念にかこつけて、やはり無料頒布するつもりです。オフセット本(厚手の表紙)の無料頒布はめったにないでしょうから、逆に頒布部数は減ってしまうかもしれませんが、サークルなどへの贈呈用も大幅に増えますので、50部作成予定です。
 総集編は、「人物編」と題して、「声優編」、「スタッフ編」の全部と「音楽編」の歌手・作曲家が入ります。掲載人物の数も増やします(特に声優はほぼ倍増予定)し、元々掲載済みの人の記述もかなり加除修正するつもりです。還暦記念としては、これまで発行したもの全部(つまり作品編も)を一括した方がふさわしいかもしれませんが、「作品編」として数年後には総集編第2弾を発行するつもりです。
 何にしても、今後発行する総集編やファン活動編の内容・発行時期は、まだまだ流動的ではあります。「作品編」も、今回発行の「作品編②」の後書きにも詳しく書きましたが、歴代ランク上位の作品(特に書きたい作品とほぼ同義)を優先的に執筆・発行し、残りは年代別に少ない頁数で数年かけて発行する形となりました。末長くお付き合いいただければ幸いです。

2022年8月5日金曜日

声春っ!

 昨年4〜6月に日本テレビ系で放送された30分物深夜ドラマ「声春っ!」。本放送は視聴しておらず、今年6〜8月にCSのMONDO TVでの再放送で全10話初視聴しました。
 企画・原作は秋元康さん、日向坂46の主なメンバーが出演。声優学校で声優を目指す少女たちの青春物です。このほか、声優学校校長役で山寺宏一さん、声優学校講師役で平野綾さん、主人公の祖母役で戸田恵子さん、公開オーディションを行う新作アニメの原作漫画家役で竹中直人さんが出演しています。こういう番組ではやはり「アニメ」の発音が気になってしまいます。(山寺宏一さんと戸田恵子さんには、発音機会はありませんでした。)

 日向坂46のメンバーで発音機会があった方は、残念ながら全員起伏発音でした。主人公の日ノ輪めいこ役佐々木美玲さんが、第6話で2回。主人公の一番の友人の天道まな役丹生明里さんが、第2話で1回。優等生の尼崎あまね役渡邉美穂さんが、第5話で1回。最年長の月川雪菜役金村美玖さんが、第6話で1回。既にプロで寮母の春風ちずえ役高本彩花さんが、第1話で1回。あまり目立たない存在の本田多恵役河田陽菜さんが、第1話で1回(「ニ」にアクセントを置く起伏発音)。ハンカチキャラとしてのナレーションの潮 紗理菜さんが、第7話で1回、第10話で4回(うち1回はやや起伏気味の微妙な発音)。最近の若いアイドルタレントは起伏発音される方が目立つとはいえ、平板発音者が1人もいなかったのは、アニメ業界に関連がある題材の作品の出演者としては問題の残る人選と言わざるを得ませんね。現実の声優学校の生徒さんたちは、最近は起伏発音の方々も少なくないのかもしれませんが。

 一方で、既に中堅声優の平野綾さんは、第3話で当然ながらしっかりと平板発音されていました。現実の声優学校の講師も全員がこの通りだと信じたいですが、何とも不安です。そして何と何と、第7話では、起伏気味の発音をされたのです。過去投稿にもあるように以前から平板発音されていた方なのに、周りの若い日向坂46メンバーの発音を意識して逆に影響されてしまったのでしょうか。大変残念なのですが、すぐに元に戻っていただけるものと信じています。
 そして、竹中直人さんは、第10話(最終回)のオーディション審査員などとして発音機会が2回あり、いずれもとても自然な平板発音でした。過去投稿でも「少し間を置いてから「でもやはり」という感じで平板発音」「アニメ出演もある程度されており、高校の先輩である古谷徹さんへの憧れもあったそうなので、アニメ文化に対する敬愛感情もあるとお見受けします」という趣旨のことを書きましたが、やはりその通り期待を裏切らないでいてくださいました。大変嬉しかったですねえ。平野綾さんとは現場で一緒になっていないようですが、この姿を見れば(この台詞を聞けば)平野綾さんも平板発音に徹した形で終わっていた違いない、と思うと残念な思いが残ります。
 中堅・ベテランクラスの声優さんなど従来は平板発音されていた方々の中には、こういうケースが散見されるのですが、本当に由々しき事態です。どうして平板から起伏への変化ばかりが目立つのでしょうか、どうして起伏から平板への変化がもっと増えないのでしょうか。いつになったら安心できる世情になるのでしょうか。

 (※諸般の事情により、動画投稿はありません。)