アニメ聖地巡礼は、私も行ないますが、アニメファンの積極的行動形態の一つとして現在では広く知られるようになりました。自治体関係者や地元住民と積極的に関わるケースも珍しくなく、特に地元商店などとの交流やそこから派生する様々な動きは、(草の根の)地に足のついた息の長い交流形態として、真の意味での地域活性化の事例として社会的にも有意義なものと言えます。ある意味アニメ文化の最前線に立っていると言える一人一人のファンの言動は、とても大事です。「マナーが良い」「礼儀正しい」と各地でよく言われますが、それだけでなく特に単語としての「アニメ」の発音がしっかりしていないと困ります。アニメファンとまでは言えない多くの人々に対する「見本」「手本」となるからです。
去る8月2日にTBS系で放送の「マツコの知らない世界〜超機密・日本全国観光地化計画・アニメ聖地巡礼の世界」。タレントのマツコ・デラックスさんが司会のバラエティー番組です。聖地巡礼好きのアニメファン3名が出演されていました。
公務員の鯛さんは、アニメツーリズム協会で「アニメ聖地88旅の思い出レポートコンテスト」で大賞を受賞したほどの方ですが、起伏7回・平板8回(沼津ロケを含む)とほぼ半々でした。特に序盤は平板が徹底していたのに後半はほとんど起伏だったのが残念です。複合語である「アニメ聖地巡礼」でさえ、後半では起伏発音されており、日本語として問題です。アニメツーリズム協会とも関わりがあるならなおのこと、発音には留意していただきたいものです。ちなみに、アニメツーリズム協会の会長富野由悠季さんは当然ながら(私の知る限り)徹底して平板発音されている方ですが、過去投稿で取り上げた関係者(通算3名)もバラバラ(起伏のみ、平板のみ、混在)でしたし、関係者の皆様が徹底して平板発音になっていただかないと立つ瀬がありませんが。
動画クリエイターの中国人で来日後現在までに47都道府県の聖地を巡ったという軟軟冰(ビンビン)さんは、起伏4回・平板6回で、やはり後半の方が平板が減っていった感じで、大変残念でした。日本人の悪い見本に感化されないことを願っています。
大学教員の伊月(刑部慶太郎)さんは、「らき☆すた」のガイドブック制作者としてコミケでも有名な方です。発音機会はたった1回でしたが、当然ながら(以前と変わらず)平板のままで安心しました。コミケ会場でも何度も言葉を交わしていますが、今夏(コミケ100)は離席中でお会いできず当番組について(裏話なども含めて)話題にできなかったのが大変残念です。
なお、ビデオ出演(沼津でのロケ現場)された鯛さんのご友人のmisshuさんも、発音機会は1回のみで起伏でした。
ナレーションの声優玄田哲章さんは、大変残念ながら徹底して起伏でしたが、複合語の「アニメ聖地巡礼」は(プロとしては当然ですが)徹底して平板でした。
マツコ・デラックスさんは、起伏4回・平板8回と混在でしたが、ここぞという大事な箇所では平板だった感じです。過去投稿では起伏基調(稀に平板)でしたが、平板基調に変わってきている感じで、大変良い傾向です。ちなみに、「コミケ」も発音機会1回のみですが平板発音されていました。
出演したアニメファンの御三方は、司会のマツコ・デラックスさんが前述のような状況なので、それに引きずられたわけではないはずですが、地上波のプライムタイムのテレビ番組にスタジオゲスト出演されるような場合に平板発音が徹底しないのはやはり困りものです。良くも悪くもファン以外の耳目に触れる機会も増えてしまった現在の一人一人のファン。アニメ文化の明るい未来のためにも、ファンの自覚を促す必要を改めて感じています。
(※諸般の事情により、動画投稿はありません。)