2020年1月25日土曜日

結局は個人 8

 年末年始を中心にここ3か月ほどのテレビ番組を観た感想の後半です。声優や業界関係者が中心です。

 11月18日にBSスカパーで放送された「ダラケ〜アニメ音響監督」では、出演された音響監督3名のうち、亀山俊樹さんは「アニメーション」としか発音されませんでしたが、本田保則さん若林和弘さんは当然に「アニメ」を平板発音されました。司会のお二人は過去投稿にある通りいつもは平板なのですが、今回は、米田弥央さんは発音機会がなく、千原ジュニアさん「アニメ」の「ニ」にアクセントを置く起伏発音でした。ナレーションの塩野潤二さん起伏でした。また、12月1日にBSシネフィルWOWOWで放送された「「マイマイ新子」と"探検隊"の10年」では、片渕須直監督の「マイマイ新子と千年の魔法」の舞台である山口県防府市の文化財郷土資料館館長の吉瀬勝康さんが、やはり「アニメ」の「ニ」にアクセントを置く起伏発音でした。関西などでは3音の単語は(外来語以外は)第2アクセントになる場合があるのですが「アニメ」は外来語由来の単語なので珍しいケースです。
 12月6日にNHKBS1で放送された「ガンダム誕生秘話・完全保存版」では、去る3月30日の地上波放送版には無かった追加映像で発音機会があった方が2名ありました。当時ロマンアルバムのアルバイト編集者で現在はゲーム会社スクウェア・エニックス専務の橋本真司さん、当時キングレコードでスターチャイルドレーベル生みの親である藤田純二さんは、いずれもさすがに平板で安心させてくれました。なお、ナレーションは局アナウンサーの高瀬耕造さんに代わりましたが、残念ながら起伏ばかりでした。

 声優さんはどうでしょうか。12月8日にNHKBSプレミアムで放送された「アニメロサマーライブ2019 Vol.2」では、副音声の解説で、同ライブのプロデューサー斎藤光二さんがいつものように当然に平板な中、局アナウンサーの塩澤大輔さんが以前と異なり全て起伏だったのが残念でしたが、声優の鈴木愛奈さん(Aqours)起伏平板が半々だったのが意外でした。普段は平板が多い方なのだと思われますので、ぜひ平板発音を増やしていっていただきたいものです。12月29日にNHKBSプレミアムで放送された「アニソン!プレミアム!Fes.2019」では、いつも起伏だった水樹奈々さんが(私の知る限りでは)初めて平板だったので、嬉しい驚きでした。やっと変わり始めてくれたということなら良いのですが。一方で、ベテランでも起伏発音をされる方が少なくないのが困りものです。12月21日にBS朝日で放送された「ザ・インタビュー・トップランナーの肖像」で大ベテランの羽佐間道夫さん起伏発音されていましたし、12月23日にNHK教育で再放送された「天才てれびくんYOU」では、ナレーションの子安武人さん起伏平板が1回ずつの混在でした。
 また、12月23日にNHK教育で放送された「沼にハマってきいてみた〜アニソン×クリスマスSP」では、ナレーションの声優伊藤健人さんが今回は起伏発音で残念でした。普段は平板発音もされている方のようなので、積極的に平板発音に努めていただければなあと思います。同番組では、お笑い芸人の岩井勇気さんが(1回を除き)いつものように平板だったほか、アニメ歌手の春奈るなさん、お笑い芸人の高橋茂雄さん、俳優の桜井日奈子さんが、いずれも起伏平板の混在でした。一般芸能人でも混在する方は、普段は特に意識していないということなのでしょうか。いずれにしろ、やはり個人個人で事情が異なるようですね。
 すっかり年末恒例となった「あけおめ声優大集合2020」では、ベテランの井上和彦さんはいつものように徹底して平板で安心させてくれました。若手の高野麻里佳さんが徹底して起伏だったのと見事に対照的でした。そのほか、若手の広瀬裕也さんも徹底して平板で、今後のご活躍に期待したくなりました。ビデオ出演の大空直美さん酒井広大さん瀬戸麻沙美さん平板でした(瀬戸麻沙美さんは以前は起伏ばかりでしたが。)。近年は起伏発音が多い関智一さんが1回だけですが昔のように平板発音してくれた一方、平板発音が多かったはずの豊崎愛生さんが1回を除き起伏発音だったのが少しショックでした。司会の局アナウンサー小松宏司さんやナレーションの声優服部潤さんが相変わらず起伏発音で、解説の藤津亮太さんがいつものように徹底して平板だった中で、意外にも司会の西川貴教さんが徹底して平板だったのが大変嬉しかったです。(過去投稿で取り上げたように11月16日放送「るーみっくアニメ大投票」では起伏ばかりでショックを受けましたが、意外にもすぐに戻っていただけたわけですので。)ちなみに、生電話に参加したアニメファンの方々の発音は、起伏1名、平板2名でした。
 1月7日にCS日テレプラス(1月4日に日本テレビ)で放送された「アニメ「22/7」放送直前リハーサル」では、出演声優で発音機会があった3名のうち、帆風千春さん倉岡水巴さん起伏だったのに対し立川絢香役の宮瀬玲奈さん平板だったのが、好印象をもちました。そのため余計に、ナレーションの声優三宅健太さん起伏ばかりだっのが大変残念な思いです。
 1月12日にBSシネフィルWOWOWで放送された「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」の副音声オーディオコメンタリーでは、押井守さんがいつものように徹底して平板な中、解説の小黒祐一郎さんが以前と異なり徹底し平板だったのが意外でしたが、今後も徹底し続けていただければと思います。声優の上坂すみれさんは、今回は平板は1回のみで大半が起伏で、やはり普段は起伏発音されている方なのだろうと再認識しました。
 1月22日にNHKBSプレミアムで放送された「長澤まさみTV」では、俳優の長澤まさみさんが残念ながら起伏ばかりでした。ナレーションの声優梶裕貴さんもやはり起伏だったため、お笑いタレントのバカリズムさんがいつものように平板だったことに救われました。

 「結局は個人」のタイトル通り、事情は皆様バラバラなのだろうとは思います。少しでも平板発音をされている方には徹底して平板発音する方向になっていただきたいし、まだ起伏発音ばかりの方には(他の平板発音者を見習う形でなくても)一度でいいから試しに平板発音して「通の気分」を味わっていただきたいものだと切に思います。

 (※諸般の事情により、動画投稿はありません。)

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