2018年7月28日土曜日

漫画業界

 漫画(マンガ)業界は、アニメ業界と最も密接に繋がっている業界と言えますが、基本的には異業種です。その構成員である(作家としての)漫画家は、アニメを意識したり、アニメ制作に直接関わったりすることも少なくありませんが、あくまで異業種人です。

 漫画家さんは、過去投稿でも複数名取り上げていますが、もう少しご紹介しましょう。
 今月創刊50年を迎えた「週刊少年ジャンプ」。私自身高校2年生の頃(「ちょうど「Dr.スランプ」連載開始の頃)まで一番よく読んでいた漫画雑誌です。去る7月8日にBS1で放送された「ボクらと少年ジャンプの50年」で、ジャンプゆかりの漫画家さんたちが大勢登場しました。「アニメ」という単語はほとんど出てきませんでしたが、「すすめ!! パイレーツ」などで人気だった江口寿史さんがしっかりと平板発音されていました。イラストレーターとしてアニメのキャラデザインなども複数されていることもあり、さすがと唸らされました。
 BSスカパーで月1回放送されている「ミュ〜コミ+プラスTVpresented by アニマックス」。昨年9月の放送になりますが、「うしおととら」などで人気だった藤田和日郎さんがCF(CM)まで含めてしっかりと平板発音されていました。
 このほか、「東京大学物語」などで人気だった江川達也さんは、2004〜2009年に放送されていた「BSアニメ夜話」などによく出演していた際、その場の流れなどで起伏発音のことも時々ありましたがここぞという所では必ず平板発音されていました。もともと大学でアニメ研究会に所属するなどアニメに造詣の深い方なので当然でしょう。

 漫画雑誌編集者さんはどうでしょうか。
 確認できる機会がほとんどありませんが、少なくとも2015年3月東京ビッグサイトで開催された「アニメジャパン2015」での漫画雑誌編集者公開座談会では、3人の編集者(出版社は異なる)の方々がいずれも平板発音されていました。当時放送中で漫画業界人にもファンが多かったらしいテレビアニメ「SHIROBAKO」(過去投稿でも取り上げた、アニメ業界人の群像劇)の影響もあるでしょうが。
 (※7月29日追加情報)なお、7月29日放送のBSアニマックス「週刊少年ジャンプお宝アニメスペシャル」中の「週刊少年ジャンプ」の現在の中野博之編集長さんが、徹底して平板発音されていました。嬉しかったですね。比較的若い編集長さんですが、アニメ界と最も関わりが深いであろう「ジャンプ」、さすがです!!
 そのため余計に、2010〜2013年にNHK教育で放送されていたテレビアニメ「バクマン。」(過去投稿でも触れた、ジャンプ編集部をモデルにした若手2人組漫画家の青春もの)で、当初平板だった編集者の発音がその後起伏になっていってしまったのは、大変歯がゆい思いでした。アフレコ現場での指導があったのかは不明です。
 
 異業種である以上、漫画業界人が平板発音しなくても仕方がないことではあります。しかし、アニメとの関わりを深めれば深めるほど平板化することは間違い無いでしょうし、できるだけそうなっていってほしいと切に思っています。

 (※諸般の事情により、動画投稿はありません。)
 

2018年7月13日金曜日

一般芸能人 7

 今回は2つのテレビ番組からの感想です。

 NHK総合テレビで放送されている「探検バクモン」。今週は声優特集でした。
 司会はおなじみお笑いタレントの爆笑問題のお2人とタレントのサヘル・ローズさん。スタジオゲストとして三ツ矢雄二さん・島本須美さん、番組ナレーションのほかビデオ取材出演で木村昴さん、の計3名の声優さんが出演されました。このほか、声優野沢雅子さんのモノマネで鳴らすお笑い芸人の田島直弥さんも出演されました。
 「アニメ」の発音機会があったのは、上記7名のうち島本須美さん・田島直弥さんを除く5名の方のみです。取材先である専門学校(代々木アニメーション学院)の講師・生徒の方々などは発音機会が全くありませんでした。
 この中で爆笑問題(太田光さん田中裕二さん)はお2人ともいつものようにしっかり平板発音されていました。さすがですね。ベテラン声優の三ツ矢雄二さんもいつものように平板発音されていました。当然ですね。一方で、サヘル・ローズさんと木村昴さんはともに起伏発音ばかりでした。
 サヘル・ローズさんは、実は声優の専門学校(代々木アニメーション学院ではありません。)も卒業されている方ですが、私の知る限りほぼ起伏発音されている方でとても残念です。少なくとも専門学校の講師や事務員は(過去投稿でも取り上げたように)平板発音が基本のはずですし、この機会に何とか気づいて(思い出して)いただけないものでしょうか。
 木村昴さんは、既に中堅(声優歴10〜30年)の声優さんですがまだ20代ですし、多くの若手声優さんたちと交わる中で疑問を持たれないのかもしれませんが、もともと外国(ドイツ)生まれで小学校から日本在住の方なので余計に日本人の発音には敏感とも思われますので、こういう機会にでも意識していただければなあと思います。

 BSスカパーで放送されている「はじめてのたけし 」。タレント&映画監督のビートたけしさんが色々なことに挑戦するバラエティ番組で、去る5月にはBSスカパーで放送のアニメ「グラゼニ」に関連させた形での声優特集がありました。(ビートたけしさんは過去に声優経験自体はあります。)ビートたけしさんや若手(既に30代ですが声優歴10年未満のため)声優の落合福嗣さんがいずれも起伏発音されており、大変残念な思いをしました。
 ビートたけしさんは、映画監督北野武さんでもあるわけですが、過去投稿でも取り上げたように実写映画の監督さんでもアニメと関わりのほぼ無い方は起伏発音も珍しく無いため仕方ありません。もし今後アニメと関わりが深くなれば平板発音もされるようになるかもしれません
 落合福嗣さんは、プロ野球関係者である落合博満さんの息子さんのためそういう方面の関係者と接する機会も多くありますから、そういう場で平板発音をしていただけるようになれば、お手本として大変心強いのですが・・・何とかそういう方向に変わらないものでしょうかねえ。

 以上です。一般芸能人である爆笑問題のお2人は、昔からアニメにも関心の高い方々なので、昔の一般芸能人の通例に漏れず平板発音していただけるのです。最近の若手の一般芸能人で起伏発音しかしたことのない方々も、先輩として見習って、ご自分も試しに平板発音してみていただけると、昔からの「通」のような気分も味わえ、先輩からも一目置かれると思います。おススメです。

 (※諸般の事情により、動画投稿はありません。)


2018年7月11日水曜日

本職じゃなくても2(バカボン)

 今月からテレビ東京系で始まったアニメ「深夜! 天才バカボン」。(通常はシリーズ全話終了後に総括して投稿するのが基本方針ですが、とても待っていられず第1話放送直後の投稿となりました。)

 第1話のハチャメチャな内容はまあいいのですが・・・。本職の声優さんたちと本職ではない一般の芸能人さんとの差がこれほど歴然とするとは・・・。
 「アニメ」の発音機会があったのは、パパ役の小倉久寛さん福山潤さん、バカボン役の入野自由さん本官役の森川智之さんブラック・ジャック役の大塚明夫さんの5名のみでした。しかし、何と小倉久寛さん以外は全員が起伏発音でした。
 言うまでもなく小倉久寛さん以外は全員が本職の声優さんです。小倉さんも前作「レレレの天才バカボン」でパパ役を務めるなどアフレコ(声優)経験はありますが本職が声優とはとても言えませんので、「一般芸能人」で差し支えないでしょう。一般芸能人(俳優)である小倉久寛さんがちゃんと平板発音なのは大変結構なのに、本職が揃いも揃って・・・(まさか森川さんや大塚さんまでが!!)大変ショックでした。今回発音機会がなかった方々の今後が心配です。(ハジメ役の野中藍さんなんかは、過去投稿にもある通りしっかり平板音されている方なのでよもやと思いたいですが・・・。)
 同じスタジオぴえろ制作の「おそ松さん」では、過去投稿でも取り上げた通り上田燿司さんだけが平板音の機会があったわけですが、今回も似たようなケースでしょうか。しかも、音響監督は「おそ松さん」と同じ菊田浩巳さんです。まさかと思いますが、小倉さんだけ別の日時に抜き録りしていたとか。でもそれなら余計に平板発音が目立つから、それが通っている事実から、「アニメ」の発音指導は無いと断言できますね。結局声優さん個人の判断なのでしょう。原作者の赤塚不二夫さん(過去投稿にもある通りいつもしっかり平板音されていました。)に敬意を表してとか、小倉さんを見習ってとか言うのも変ですが、しっかりしていただきたいものです。

 (※諸般の事情により、動画投稿はありません。)