2018年3月31日土曜日

アニメジャパンなど(後)

 去る22〜25日に東京ビッグサイトで開催された世界最大級のアニメ総合イベント「アニメジャパン2018」。
 パブリックデー(ビジネスデー以外)2日間のみ参加です。そのレポート後編は、ビジネス系ステージなどについてです。

 プレゼンテーションステージ(という名のライブハウス的小ホール)で行われたビジネスセミナーなどのイベントですが、今回傍聴したのはたった1件。「劇場版「名探偵コナン」の宣伝について」だけです。前編で触れた「キューティーハニー」「ゲゲゲの鬼太郎」関連ステージと掛け持ちしたのがこれです(そのため途中約20分間は未傍聴)。もともと「名探偵コナン」はメジャー系作品では例外的に私もお気に入りで、テレビシリーズは一部のスペシャル回を除き再放送でしか観ていませんが、黒の組織がらみの話であれば劇場へも足を運んでいます。読売テレビプロデューサーの諏訪道彦さん(「スワッチ」の愛称でも有名)は今回私の傍聴中には発音機会がありませんでしたが、東宝の宣伝プロデューサー林原祥一さんはしっかり平板発音されていました。同じく東宝のプロデューサーで司会を務めた藤田ともあきさん(氏名不詳)平板発音で、「さすがは東宝」と唸らされました。同じく司会を務めたトムス・エンタテインメントの佐伯さん(氏名不詳)は私の傍聴中に発音機会がありませんでしたが、もちろん普段から平板発音されていると思われます。

 実は今回は、「AnimeJapan放送局ブース」というステージイベントがニコニコ生放送付きで行われており、ビジネス系ステージの不足を補っている感じで、むしろこちらがメインステージでしたね。結局4件傍聴しました。
 「アニメと街〜うちのいいとこプレゼンテーション」。アニメ作品とのコラボ実績がある自治体関係者とビデオグラムメーカー担当者によるトーク。前編で触れた「NETFLIX」関連ステージをパスして(冒頭の数分を除き)最後まで傍聴したのがこれ。「ガールズ&パンツァー」の茨城県大洗町から同町のまいわい市場などで活躍する常盤良彦さんとバンダイビジュアルの廣岡祐次さん、「結城友奈は勇者である」の香川県観音寺市から同市企画課の近藤知章さんとポニーキャニオンの野島鉄平さん、「ハイスクール・フリート」の神奈川県横須賀市から同市観光企画課の峰澤匡穂さんとアニプレックスの平山公通さん、の3組です。自治体関係者は残念ながら全員が起伏発音。司会も務める野島さんも、あろうことか起伏発音!!。この方はアニメジャパンの今年の総合プロデューサーでもあるとのことで、愕然としました。廣岡さんは発音機会がなかったようですが、平山さんも一度だけ発音機会があり起伏発音。唯一平板発音が徹底していたのがもう1人の司会者であるお笑い芸人の天津向さん。過去投稿でも取り上げたとおり、この方はいつも平板なので安心していられます。
 「メーカー横断アニメ宣伝マンナイト復刻版(第1部)」。若手宣伝マン5名(アニプレックスの枝村大地さん、エイベックス・ピクチャーズの百田いづみさん、松竹の上原知里さん、オーバーラップの三井綾子さん、ポニーキャニオンの中沢莉奈さん)によるトークで、司会はアニプレックスの高橋祐馬さんとポニーキャニオンの野島鉄平さん。発音機会があったのは百田さん・三井さん・高橋さんの3名のみで、百田さんは残念ながら起伏発音でしたが、三井さんと高橋さんはしっかり平板発音でした。(三井さんは「ゲーム」も平板でしたが。)高橋さんは、昨年のステージイベントで起伏発音されていた方でお顔に見覚えがありましたが、今年は2回の発音機会のいずれも平板発音だったのでとても嬉しいです。
 「アニメと制作〜真剣しゃべり場」。(朝一のため後半のみの傍聴でしたので、正確な発音機会数は不明です。)アニメ制作会社の制作進行4名(サンライズの大塚大さん、日本アニメーションの渡辺龍之介さん、トムス・エンタテインメントの藤堂真孝さん、プロダクションIGの荻野宏之さん)によるトークで、司会はまたしても天津向さんと声優の藤田茜さん・鈴木崚汰さんの3名。私の傍聴中に発音機会があったのは渡辺さん・荻野さん・天津向さんの3名のみでした。いずれも当然に平板発音でした。特に渡辺さんは2回の発音機会とも自然な平板発音でホッとさせてくれました。(荻野さんは2回の発音機会のうち1回は起伏に近かったです。また、大塚さんはこだわりがあるのか「アニメーション」としか発音されませんでした。)
 「アニメとフェス〜3大アニソンフェス座談会」。数年前にも一部傍聴しておりパスするつもりでしたが、予定を変更し全部傍聴しました。アニメロサマーライブの斎藤光二さん、ANIMAX  MUSIXの園田高志さん、リスアニ! ライブの馬場亮さんの3名で、司会は音楽評論家の冨田明宏さんとポニーキャニオンの野島鉄平さん。斎藤さんと園田さんは発音機会がありませんでした(斎藤さんは過去投稿でも取り上げたとおり基本的に平板発音です。園田さんは「アニメ専門チャンネル」の「アニメ」を当然ながら平板発音されていました。)。野島さんが相変わらず起伏馬場さんが平板起伏を1回ずつだったのに対し、冨田明宏さんは徹底して平板だったのが大変嬉しく思いました。 

 このほか、スタッフの方々においても、平板発音の人が少なくないのは大変嬉しいですが、起伏発音の人に出会うとがっかりしたりします
 さらに言えば、入場待機行列中で聞こえてくる他の一般参加者の会話でも、1日目(土曜日)は平板発音ばかりでとても自然な気持ちでいられ気分が良かったのですが、2日目(日曜日)は起伏発音もかなり耳に入り、現状は楽観できないことを思い知らされました。

 総じて、楽観できない現状を痛感する一方、結構意外な場面でホッとさせられたりする複雑な2日間でした。
 自治体など地元関係者の方々には、ぜひアニメ業界人などの平板発音になじんでいただきたいと切に願っています。そしてできるだけ自然に無理なく平板発音へ自ら変化していってほしいと希望します。例えば聖地巡礼顕在化の先陣となった埼玉県鷲宮町(現・久喜市鷲宮地区)の関係者は、昨年のこのイベントでも基本的に平板発音をされていましたし。
 また、業界人の中にも起伏発音がじわじわ拡がっている感じは大変憂慮するものですが、製作委員会で幹事を務めることが多いビデオグラムメーカー関係者(アニプレックスなど)の方々は特に、地域とのコラボなどの現場で「プロ」「玄人」「通」としての自覚を十分強めていただき、平板発音を徹底していただきたいと強く願うものです。

2018年3月30日金曜日

アニメジャパンなど(前)

 去る22〜25日に東京ビッグサイトで開催された世界最大級のアニメ総合イベント「アニメジャパン2018」。
 エンタテインメント系だけでも数々のステージイベントが行われますが、今回は数が増えたうえ全て一般開放(着席希望者のみ有料事前申込・抽選制)でした。着席希望上限の10件応募し4件当選しました。

 「BS11「Anison Days」スペシャルステージ」。過去投稿でも触れたアニソンライブ番組ですが、司会の森口博子さんは今回発音機会がありませんでした。もう1人の司会である酒井ミキオさんが2回発音機会があり少なくとも1回ははっきりとした平板発音で嬉しくなりました。
 「「ゲゲゲの鬼太郎」50周年&新シリーズ開始記念スペシャルステージ」。沢城みゆきさん(何と鬼太郎役!)・野沢雅子さん(何と目玉おやじ役!!!)ら4名の出演声優さんが登壇されました。私は他のステージと掛け持ちのため途中入退場でしたが、着席傍聴した時間内で発音機会があったのは司会者のみで、残念ながら起伏発音でした。
 「キミコエ・プロジェクト スペシャルステージ」。東北新社(CSファミリー劇場の運営企業でもあります。)主催の新人声優育成プロジェクトで、第2回が今年開催されるとのこと。第1回は女性のみ募集でしたが、今回は男性のみ募集。デビューまでの過程に付き沿う「見届け人」を現役声優さんが務めるのですが、今回は津田健次郎さん。過去投稿でも取り上げたAT−Xで放送の「裏アニメ」でも起伏平板が混在されていた方ですが、今回発音機会は1回のみながらとても自然な感じの平板発音でした。今の自分は平板が基本、という感じの喋り方だったのでとても嬉しく感じました。一方、第1回合格者の女性声優6名(声優ユニット「NOW ON AIR」。昨夏公開の主演映画「きみの声を届けたい」はなかなかの秀作でした。)のうち3名にも発音機会がありましたが、司会を務める1名が津田さんにつられる感じ(?)で平板発音だっただけで他の2名は残念ながら以前と同様起伏発音でした。

 残るもう1つの着席当選ステージである「NETFLIXアニメ祭! スペシャルステージ」は、(落選者には申し訳ありませんが)他のステージを優先しパスしてしまいました。「この世界の片隅に」の主演声優であるのんさんが目当てだったのですが、公式ガイドブックには掲載されていなかったためです。(実はTwitterによればちゃんと登壇されていたようで、彼女の「アニメ」の発音がこの会場で聞けたかもしれないのに大変悔しいです!!)
 立ち見ではありますが途中まで傍聴したのが、「TVアニメ「キューティーハニー・ユニバース」スペシャルステージ」。こちらも叶姉妹さんが目当てだったのですが彼女らの出場前に途中退場して別ステージへ向かったため、同様に「アニメ」の発音が聞けたかもしれないチャンスを逃して悔しいです。ただ、収穫が2点ありました。1点は、司会の松澤千晶さんが、傍聴した範囲内で3回の発音機会がありそのうち2回が平板だったことです。過去投稿でも触れたとおり起伏が大半だった方ですが、徐々に平板発音に馴染んでこられている感じで大変嬉しいです。そしてもう1点は、主題歌を唄うアイドルユニットA応P(アニメ応援プロジェクト)の皆さんのうち少なくとも1名が少なくとも1回は平板発音されていたことです。結成まもない時期から知っていますがいつも起伏発音だったので、大変驚かされました。

 今回特に感じたことは、個人個人のその場の対応で起伏平板が混在しうるということです。専用ステージだけでなく各出展者ブースでも数多くのミニステージイベントが行われていますが、複数のブースで(司会者はほぼ起伏ばかりなのに対して)複数の若手声優さんが平板発音されているのに出くわしました。
 また最近のテレビ番組でも、(A応Pの中にも声優経験者が出てきていますが)複数の若手声優ユニットでメンバー(の少なくとも一部)がしっかり平板発音されているのに出くわす機会が続きました。具体的には、BSスカパーで今年放送されたアニメロサマーライブ2017トーク&ライブスペシャル」です。i☆Risの6名のうち唯一発音機会のあった茜屋日海夏さんが発音された2回とも平板発音。Wake Up, Girls!の7名(出演は3名)のうち発音機会のあった2名(高木美佑さん山下七海さん)がしっかり平板発音。いずれも大変意外でした。確か以前は起伏だった気がするので、徐々に変わってきているのかもしれません。大変良い傾向だと思います。
 若手声優さんも捨てたものじゃないとホッとさせられます。むしろ普段は平板な人も実は少なくなくて、現場などで起伏発音への圧力・指導のようなものがあるのかもしれません・・・それなら声優さんの責任ではないことになりますね。

(※後編は、業界人などビジネス系ステージがメインです。)

2018年3月17日土曜日

ジャーナリスト

 篠田博之さんは、マスメディア批評などで有名な硬派月刊誌『創』(創出版)の編集長を長年務めているジャーナリストです。有害コミック規制など表現の自由をめぐる問題や確定死刑囚の手記などもよく取り上げる雑誌として知られています。
 去る3月15日BSスカパーで再放送(本放送は昨年11月23日ですが未視聴)された情報バラエティー番組「ダラケ!」の「日本中を震撼させた死刑囚の素顔を知る男たち集結SP」の回に出演されていました。この中で1989年前後に起きた東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件の宮崎勤死刑囚(2008年6月17日に死刑執行済み)との接見などについて触れ、死刑確定後にビデオ視聴が許されるようになったため拘置所指定のリストの中から「天空の城ラピュタ」をはじめとするアニメ作品を希望したことや、「コミック表現規制に反対する意見広告をコミケで出したいと言っていた」との証言をされました。数回口にされた「アニメ」は、しっかりと平板発音でした。それを受けた司会の千原ジュニアさんいつもと同様に平板発音でした。なお、「コミケ」についてもお二人はいずれも平板発音でしたが。(もう一人の司会者である米田弥央さん、今回は発音機会がありませんでしたが、私が視聴した過去回では「アニメ」はきちんと平板発音されていました。)
 過去投稿でも筑紫哲也さん鳥越俊太郎さんを取り上げましたが、篠田博之さんのようなしっかりしたメディア観を持つジャーナリストであれば、アニメをきちんと文化あるいは表現メディアとして意識・認識しているからこそ平板発音になるのだと言えるでしょう。アナウンサーや芸能人で起伏発音しかしていない方々も、もう少し意識・認識を高くしてこれに追随してくれるといいんですがねえ・・・・

(※諸般の事情により、動画投稿はありません。)