2017年11月9日木曜日

アニメとマンガ(外国人2)

 「アニメ」は世界の共通語であり、れっきとした日本発祥の単語(外国人にとっては外来語)です。外国語の辞書でも収録語数が多い一部のものにはちゃんと掲載されているほどです。
 特にフランス語は、語尾の「e」は発音しないのが原則ですが、辞書では「Anime」の「e」にアクサン記号(アクセント符号のこと。はっきり発音する場合にのみ付記するもの。)がしっかり打たれています。昔(日本がアニメブームだった頃に近い時期)から日本のアニメに親しんできた傾向があるため、当時の日本に倣ってきちんと平板に近い発音で掲載されているわけです。(大学時代に購入した1982年版の辞書で比較しても、英語・ドイツ語には無いがフランス語には載っています。)そして、過去投稿でも実例を紹介したように実際に平板発音の人が多いようです。
 同様に他のラテン系言語(スペイン語、イタリア語など)でも、特にスペイン語は、3音の単語は原則として最後の音節にアクセントが置かれるため、同様に平板に近い発音と言えますね。
 一方英語は、特にアメリカでは90年代後半(ポケモン人気の頃)あたりから人気が出てきたせいか、辞書の表記でも第1アクセントの起伏発音が通例となっています。

 ところが実は、「マンガ」も外国語の辞書にちゃんと掲載されています。私が調べた限りでは、英語・ドイツ語・スペイン語ではしっかり第1アクセント(「マンガ」の「マ」にアクセント)の起伏発音でした。フランス語では、アクセントが明記されておらず、やはり平板発音に近い扱いのようです。つまり、少なくとも英語に関しては、「アニメ」「マンガ」は全く同様の扱いなのです。実際、例えばCSファミリー劇場で先日放送された「ワールドコスプレチャンピオンシップ2017」(名古屋で毎夏開催されている世界コスプレサミットに関する特番)で、司会の英語通訳担当の外国人男性が「マンガ」「アニメ」「ゲーム」「トクサツ(特撮)」をすべて起伏発音していたほどです。

 一般に欧米系(特に英語)では、アクセントが強調される傾向があるため、「Anime」「Manga」のように3音の外来語は第1アクセントになりがちなのです。そのため、日本語や日本文化に馴染んでいけば、次第に「アニメ」「マンガ」とも平板発音になっていくと考えられます
 (個人的には、現代的意味としての「マンガ」が登場した明治初期には日本でも「マンガ」は起伏発音されていた可能性があるとさえ思っています。)
 大変心配なことは、当の日本人がしっかり平板発音しないと、「アニメ」「マンガ」が外来語である外国人にとって悪い見本となってしまい、悪影響が及んでしまうことです。長年日本のアニメファンであるような外国人の方々に対して、恥ずかしい失礼である気さえします。

 先日放送された「アニメガタリズ」第5話では、外国人として中国人キャラクターが登場しましたが、案の定起伏発音でした。アジア系は欧米系ほどアクセントを強調しないため平板発音者も多いはずですが、悪い見本が公共の電波で流されてしまい、大変残念な思いです。
 
 (※諸般の事情により、動画投稿はありません。)
 

2017年11月3日金曜日

SHIROBAKO

 文化の日の今日。アニメ文化をある意味象徴する作品について。それは、2014年10月〜2015年3月にBSフジなどで放送された水島努監督によるアニメ「SHIROBAKO」(シロバコ。以下「本作」)です。

 ただでさえ少ない社会人主人公の職業ものアニメで、しかもアニメ制作会社を舞台にした、アニメ業界人すなわちアニメのプロ(「玄人」「匠」)である方々の群像劇です。アニメ業界自体を正面から取り上げた作品は、OVA(オリジナルビデオアニメ)では2001・2004年に計2本制作された大地丙太郎監督によるアニメーション制作進行くろみちゃんがありますが、テレビアニメとしては史上初です。このような作品の地上波(東京MXなど)での放送が成立する時代になったのか、アニメ文化もとうとうここまで来たか、と感慨深いものがありましたね。
 文化庁メディア芸術祭アニメーション部門(2015年)審査委員会推薦作品賞、東京アニメアワード(2016年)テレビ部門グランプリ、アニメーション神戸(2015年)テレビ部門作品賞など、その出来の良さが高く評価された作品です。業界筋(隣接分野である漫画出版業界なども含みます。)でも大変話題になったようですね。「記録にも記憶にも残る」作品と言え、アニメ100年史に間違いなく刻まれる秀作と断言できます。
 富山県に本社を置く制作会社P.A.WORKS(ピーエーワークス)による完全オリジナル作品で、私も大好きな「花咲くいろは」に続く「お仕事シリーズ第2弾」として、プロデューサーである堀川憲司さんや永谷敬之さんの気合の入りようが我々一般のアニメファンにもひしひしと感じられるほどの力作でした。今でも結構人気があるようで、嬉しいです。

 そして何よりも、「アニメ」という単語が単独で発音される機会は当然ながら多かったのですが、業界人ではない素人の一部(主人公の姉など)に限り起伏発音を許したほかは、採用面接に来る入社希望者などに至るまで徹底した平板発音に貫かれていました。テレビ東京系などで直前の9月まで放送されていたドラマ「アオイホノオ」(過去投稿で詳しく取り上げましたね。)が起伏発音のオンパレードで時代考証のあまりのずさんさなどに怒り心頭に達していた私を、ものの見事に癒してくれました。本当に救われ、溜飲が下がり、狂喜乱舞しました。そして、本作の製作(制作)者に心から感謝しました。もちろん今でも。
 番組制作者の姿勢の大切さを改めて痛感させられた体験でした。きっと本作は、監督やプロデューサーの強いこだわりがあり、音響監督(水島努監督が兼任)のアフレコ現場での指導もあったのでしょう。やはり過去投稿で詳しく取り上げた「げんしけんも同様ですが、素人のアニメファンの一人として、「玄人」「匠」「通」などの描かれ方はこうでなければならない、と強く感じ入りました。今後、他の作品も追従して欲しいのですが・・・。

 (※諸般の事情により、動画投稿はありません。)

2017年11月2日木曜日

コミケ3連続

 東京ビッグサイトで開催されている世界最大の同人誌即売会「コミックマーケット」。今冬のコミケ93にも、サークル参加が無事決定しました。これで昨冬・今夏に引き続き、初申込から3回連続で当選です。正直ホッとしました。
 前回と同様「評論・情報」ジャンルで、3日目(12月31日(日))東6ホール「ト−39aです。

 奥の方のシャッターが割と近い(トイレも近い)位置のため、天候次第では少し寒いかも。また、ブロック角(いわゆる「お誕生日席」)から列へ入った最初の位置となります。右隣がサークル参加者の通路となるため、少し空間的余裕ができますが、(一般参加者としての経験上)意外と死角になりやすい面があります。
 今回も過去2回と同様、「まとめ」ページの内容を冊子化したものを無料頒布しますが、内容は今夏(「改訂2版」の扱い)のまま変えないつもりです。めぼしいサークル参加者の方々にはほぼ配り終えているため、今更大きな修正はしたくないのです。(本音を言えば変えたり追加したりしたい部分もありますが・・・。) ただし、恒例のコミケ限定別紙付録(当ブログ「まとめ(要約版)」ページのモノクロコピー)に掲載の投稿タイトル一覧(ブログアーカイブ)はあくまで12月分までの最新版なので、厳密には同じではありません
 以上の理由から、印刷部数も今回は減らす予定です。

 アンケートは引き続き実施します。特にサークル参加者でまだまだ協力していただきたい方々が残っている(大変残念ながら抽選漏れの方々も複数いらっしゃいますが。)ため精力的に動き回ります。また、個人的趣味嗜好上の最重点ジャンルである「評論・情報」と「鉄道・旅行」がまたしても同日配置のため、時間配分に泣かされそうです。
 以上の理由から、たぶん14時過ぎまで離席していると思います。それでも、あくまで「サークル参加日」であることを肝に銘じ、私のスペースを訪れてくださる一般参加者の方々との交流には可能な限り時間を割くよう努力します。