林原めぐみさんは、第3次声優ブーム(1992〜1999年頃)を代表する大人気声優で、今年デビュー30周年を迎え、名実共に「ベテラン」の域に達していると思われる大物声優です。裏方に徹しようとする確かなポリシーや飾らない人柄から、私も昔からの大ファンです。水樹奈々さんが声優アーティストとして成功を収めていますが、CD1種類ごとの実売枚数では(時代が違うとはいえ)現在でも林原さんの記録が超えられていないのは、(林原ファンとしては)少し鼻が高いかも。
もちろん昔から平板発音している人なのですが、どうも近年そうではなくなってきているようで、大変残念です。少なくとも2009年頃まではラジオでも平板だったのに(最近はラジオを聴いてないので現状は不明ですが)、どうしてなんでしょう?ほぼ同期で共演も多い山寺宏一さんなんかあれだけ顔出しが多いのに平板発音が徹底しているので、それを見習ってベテランらしく振る舞っていただきたいものです。
つい最近のテレビ番組でも、高山みなみさんとか三石琴乃さんとかが起伏発音でナレーションをしているのに出くわしました。井上喜久子さんも昨年の水樹奈々さんの番組で起伏発音だったのがショック。これまでに触れた日高のり子さん・古谷徹さんとも共通しているのが、皆さん「名探偵コナン」出演者ということ。出演者どうしでの交流イベントも多いらしいし、その辺に原因の一端があるのかなあ?
テレビ朝日系「徹子の部屋」
https://youtu.be/cybMEnUR9Po
古谷徹さんは、押しも押されぬベテランのアニメ声優の一人です。
アニメブームの頃はラジオのアニメ情報番組(アニラジ)でも大活躍でした。最近も、ガンダム関連のイベントや番組などで引っ張りだこで、名古屋で開催される世界コスプレサミットの審査員も務めているなど、幅広く活躍中です。
近年、そういった番組などで起伏発音される例が目(耳)につきます。少なくとも2000年代半ば頃までは平板発音されていましたし、「どうしちゃったの?」と思わざるを得ません。
アニメ文化の担い手の一人としてきちんと平板発音を続けていただきたいですね。
アニメブーム時のラジオ https://youtu.be/drVLbVg5_ws
(ニッポン放送「'82アニメゆく年くる年ベストヒットパレード」)
2000年代半ば頃のテレビ https://youtu.be/sNoCzYb_cZo
(アニマックス「Gシアター」)
今注目(?!)の鳥越俊太郎さんは、現在のマスメディアで数少なくなった「物言えるジャーナリスト」で、ニュースキャスターの経験も長い方です。
テレビ朝日系「ザ・スクープ」でアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」旧劇場版公開時(1997年夏)に「エヴァの熱い夏・そしてみんな語り始めた」という特集が放送されました。この中で、非常識と思えるくらいラフな格好の庵野秀明監督に対しスーツ姿でロングインタビューをしていたほか、エヴァに魅かれる若者の心境について的確な考察をされていたのが印象に残っています。「アニメ」の発音機会は1回のみでしたが、しっかり平板発音でした。
アニメに理解があるだけでなく、漫画「ゴルゴ13」の大ファンであるなど漫画にも理解のある方で、筑紫哲也さんなどと同様、「わかっている人はやはり違う」とうならされました。
テレビ朝日系「ザ・スクープ」
https://youtu.be/esOLIMmOrb8
1996〜1998年にテレビ東京系で全102話放送されたテレビアニメ「こどものおもちゃ」は、小学生(&中学生)タレントの主人公倉田紗南役をはじめ本職ではない声優も数多く出演していました。本放送は全く視聴していませんでしたが、大地丙太郎監督(声優としても出演、EDの作詞も)の出世作であり、ハイテンションギャグとシリアス展開とのメリハリが心地よい作品でした。特に、倉田紗南役の小田静枝さん(元々はラジオパーソナリティー)は本当にはまり役で、この人なしには当作品は成り立たないと言ってよいくらいの熱演ぶりが大変印象的でした。
芸能界を背景にした作品のためもあり、当時としては珍しく本編中に「アニメ」という単語が数回登場します。本職ではない声優3人(小田静枝さん、引田とも子さん、ぜんじろうさん)に発音機会があり、ほぼ全回平板発音でした。特に小田静枝さんは、「ドラマ」を起伏発音はしても「アニメ」を徹底して平板発音していたことには、大変好感が持てました。
最近の本職のアニメ声優さんたちや当作品の大ファンという某ラジオ局アナウンサーさんなども、少しは見習っていただきたいものです。
テレビ東京系「こどものおもちゃ」
https://youtu.be/nBoy5DNzOxI