去る12月12〜17日の6日間、名古屋で「第1回あいち・なごやインターナショナル・アニメーション・フィルム・フェスティバル」(略称ANIAFF)が開催されました。要するに、国際的なコンペを行うアニメーション映画祭です。
名古屋地区では、民間企業主導で学生作品主体の「デジタルアニメーションフェスティバルNAGOYA」が、1999年の名古屋商工会議所が主導の「ジャパン・デジタル・アニメーション・フェスティバル」から名称などを変えながらほぼ毎年継続中です。今回は、自治体主導で長編主体とするほか、アニメ企画会社のジェンコが中心となり「企画構想段階」のクリエイター同士の出会いも重視するものだそうです。「広島国際アニメーションフェスティバル」亡き今、新潟で長編映画主体のアニメ映画祭が定着していますが、「企画」にスポットを当てる点が新しいですかね。また、日本アニメーション学会も関与しており、アカデミックな側面も少しあるようです。
私自身は、名古屋でのアニメ映画祭的イベントとしては、2016年12月に開催された「第3回デジタルコンテンツ博覧会NAGOYA」内の「国際デジタルアニメーションフェスティバルNAGOYA2016」以来、ちょうど9年ぶりの参加となります。13〜15日のみの参加で、参加した公開セミナー(トークショー)など3本で単語としての「アニメ」の発音機会がありました。
私自身は、名古屋でのアニメ映画祭的イベントとしては、2016年12月に開催された「第3回デジタルコンテンツ博覧会NAGOYA」内の「国際デジタルアニメーションフェスティバルNAGOYA2016」以来、ちょうど9年ぶりの参加となります。13〜15日のみの参加で、参加した公開セミナー(トークショー)など3本で単語としての「アニメ」の発音機会がありました。
13日(土)開催の「アニメ制作者の労働環境」。日本アニメーション学会との唯一の連動企画で、日本アニメーター・演出協会(JAniCA)事務局長の大坪英之さん、日本アニメーション学会会長で横浜国立大学教授の須川亜紀子さんが登壇。司会はアニメコラムニストの小新井涼さん。一番関心があったテーマです。文化庁委託事業「アニメーション制作者実態調査2023」(最新の2026は集計中)についての説明がありました。大坪英之さんは、やや起伏気味が3回ありましたが、他の7回は徹底して平板。複合語としての「アニメ制作者」や「アニメ・特撮アーカイブ機構」なども徹底して平板。須川亜紀子さんは、やや起伏気味が3回ありましたが、他の5回は徹底して平板。当然の結果ですが、つい起伏気味になる場合がお2人ともあるのが少し気にはなりましたが、すっきりした気分で拝聴できました。なお、小新井涼さんには発音機会はありませんでしたが、機会があったらどうだったのかは気になりますね。
14日(日)開催の「マーガレット・M・ディーン×関弘美対談」。Women in Animation(略称WIA、アニメーション業界における女性の課題に取り組む国際組織)代表でアメリカ人のマーガレット・M・ディーン(愛称マージ)さん、東映アニメーションのベテランプロデューサー関弘美さん(私個人としては「明日のナージャ」でお馴染み)の対談。司会は、前述の須川亜紀子さん。マーガレット・M・ディーン(愛称マージ)さんは、全て英語ですが起伏気味2回のみ(ちなみに「マンガ」はアメリカ人には珍しく平板2回のみ)でしたが、やはり「アニメーション」と発音されるのが大半でした。関弘美さんは、平板8回のみで徹底していました。過去投稿と同様で変わりなく、ホッとさせてくれました。
15日(月)開催の「日本アニメとは何か?いま世界で何が起きているのか」。イギリスの配信会社Anime Limited(アニメリミテッド)の元COOで、現在は講談社シニア・ビジネス・ストラテジストを務める(日本在住の)ジェシカ・ポーさん、細田守さんが設立したスタジオ地図のプロデューサー斎藤優一郎さん、当映画祭のディレクターの一人でアニメ関連のジャーナリストである数土直志さんが登壇。司会は数土直志さんが兼務。ジェシカ・ポーさんは、全て英語でしたが、起伏7回・平板15回で、完全に平板基調(なお、同時通訳の日本人は大半が起伏だったようですが、正確には不明)!。ちなみに、「マンガ」は、起伏1回・平板3回でこちらも平板基調。日本在住のせいか、外国人には珍しく「マンガ」も平板発音されましたね。斎藤優一郎さんは、起伏24回・平板11回で、完全に起伏基調。ちなみに、「映画」は平板4回のみ、「ゲーム」は平板1回のみ。数土直志さんは、起伏19回・平板4回で、こちらも完全に起伏基調。
愕然としました。外国人のジェシカさんが圧倒的に自然な平板発音を披露してくれているのに、日本人お2人が基本的には起伏発音ばかりなのですから。斎藤さんは、「アニメーション」と発音することにこだわりがあるとのことで、「アニメ」と発音することに慣れていないようでしたが、元々は平板発音されている方と推察します。司会の数土さんが起伏発音を連発されている中でのご判断だったのでしょう。そのためつい自然に本音トークする際には平板発音が出たのだと思われます。数土さんは、これまで耳にした範囲では平板発音されていたように記憶していますが、かつては大学の教壇に、最近は専門学校の教壇に立たれることもあるそうなので、若い学生さんたちに向かってどう発音されるかは、特に今後のアニメ業界を担う若者たちに影響するので心配です。どうか平板基調になっていただきたいものです。
長くなりましたが以上です。同時通訳が一般化しているため外国人の生の発音を聴くのが困難な気がしますが、外国人の発音(アクセント)は無視され、通訳者である日本人の普段の発音(アクセント)に変えられてしまうわけで、新たな危惧要素に気づかされました。アニメ業界関係者(この投稿文では、アニメ業界人のほか、アニメ業界に関する批評・解説・論評・報道を行う方々までも含みます)は、正統的な発音である平板発音をどうか徹底していただきたいものです。映画祭のような比較的落ち着いたイベントでも、登壇者から起伏発音を聴かされるのは正直苦痛です。
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