2025年12月28日日曜日

ビストロボイス

  NHK教育でこの10月からレギュラー放送が始まった「ビストロボイス」。司会の声優山寺宏一さんが、声にまつわる話をゲスト2名と対談したり、専門のボイストレーナーが科学的・技術的に分析解説したりする番組です。

 過去投稿で既に一度(第1・2回を)取り上げていますが、第3回以降の分をまとめて取り上げます。ゲストは、結局は本職の声優が多い感じになっていますが、単なる「声優番組」に陥らず俳優等(ただし、これまでのところは過去に声優経験のある方々ばかり)もある程度出演しているのが大変良いです。マルチな活躍をされている山寺宏一さんの人脈もあるのでしょう。単独語としての「アニメ」の発音機会があった方のみを取り上げます。


 本職の声優でない方々では、俳優の吉田鋼太郎さんのみですが、平板1回のみ。声優経験があり、かつ、声優へのリスペクトもある方は、やはり違いますね。まあ、昔は一般芸能人の方々でもこれが普通だったのですがね。
 本職の声優の方々は、見事に別れましたね。
 中尾隆聖さんは、平板1回のみ。過去投稿で取り上げたナレーション関係と変わらない大ベテランらしい発音で嬉しかったです。アニメ作品本編中で起伏発音されたことがありますが、製作委員会からの指示があったらしいです。
 山口勝平さんは、平板1回のみ。過去投稿でも(起伏発音されることもありましたが)元々は平板発音されている方なので、ホッとしました。
 釘宮理恵さんは、「ニ」にアクセントを置く形の起伏2回のみ。折笠富美子さんも起伏気味1回のみ。お二人とも声優歴30年近い方ですが、若手からの悪影響を受けているのかもしれません。
 水樹奈々さんは、起伏2回のみ。過去投稿にもあるように最近は平板発音をされることも増えていた感じがしますが、今回はほぼ同期の釘宮さんや折笠さんと同様で残念です。
 佐倉綾音さんは、起伏1回のみ。過去投稿にもあるように私の知る限り1回だけ平板発音されるのを耳にしたことがありますが、基本的には起伏発音ばかりの方です。逆に、早見沙織さんは、平板1回のみ。過去投稿にもあるように起伏発音ばかりの方ですが、今回初めて平板発音されるのを耳にできて、嬉しい驚きです。お二人とも、変わる可能性はあることがわかりましたので、今後はできる限り平板発音になじんでいっていただきたいと切に思います。

 司会の山寺宏一さんは、徹底して平板発音を披露されており、大変嬉しいですし、ホッとさせられました。ちなみに、「ドラマ」も通算4回とも平板でした。去る10月5日にテレビ東京系で放送の「THEカラオケ⭐︎バトル〜世界が熱狂した国民的アニメソングSP・歌うま王決定戦」でナレーションを担当されていましたが、起伏18回のみと徹底して起伏発音を披露されていただけに、大変不安だったのです。現場で指導があったのかもしれません。「ビストロボイス」はご自分がホストを務める番組なので、自由にやらせてもらえているのかもしれませんが、普段からの発音が自然に出ているのでしょう。知名度も高い方なので影響力が大きいため、どうか、番組にかかわらず平板発音を徹底していただけたらと切に思います。
 インタビュー出演の音響監督三間雅文さんは、通算で平板4回のみ。現場の音響責任者なので当然ですが、声優さんへの指導も徹底していただければと思わずにいられません。

 ボイストレーナーの長塚全さんは、第3回以降の通算で起伏3回のみ。ちなみに、「ドラマ」は起伏2回・平板1回。アニメ関連のゲストも多いので、山寺さんを見習って「アニメを」平板発音していただけると嬉しいです。
 ナレーションの局アナウンサー千葉美乃梨さんは、第3回以降の通算で起伏3回のみ。最近のNHKは、本当にダメですねえ。


 来年以降も続くようなので、しっかりチェックしていきたいと思います。もちろん、内容的にも大変興味深い番組なので、毎回とても楽しみにしています。当番組出演をきっかけに山寺さんを見習って平板発音の機会が増えるような方々がどんどん出てくることを願っています。

 (※諸般の事情により、動画投稿はありません。)


2025年12月20日土曜日

名古屋にて

 去る12月12〜17日の6日間、名古屋で「第1回あいち・なごやインターナショナル・アニメーション・フィルム・フェスティバル」(略称ANIAFF)が開催されました。要するに、国際的なコンペを行うアニメーション映画祭です。
 名古屋地区では、民間企業主導で学生作品主体の「デジタルアニメーションフェスティバルNAGOYA」が、1999年の名古屋商工会議所が主導の「ジャパン・デジタル・アニメーション・フェスティバル」から名称などを変えながらほぼ毎年継続中です。今回は、自治体主導で長編主体とするほか、アニメ企画会社のジェンコが中心となり「企画構想段階」のクリエイター同士の出会いも重視するものだそうです。「広島国際アニメーションフェスティバル」亡き今、新潟で長編映画主体のアニメ映画祭が定着していますが、「企画」にスポットを当てる点が新しいですかね。また、日本アニメーション学会も関与しており、アカデミックな側面も少しあるようです。
 私自身は、名古屋でのアニメ映画祭的イベントとしては、2016年12月に開催された「第3回デジタルコンテンツ博覧会NAGOYA」内の「国際デジタルアニメーションフェスティバルNAGOYA2016」以来、ちょうど9年ぶりの参加となります。13〜15日のみの参加で、参加した公開セミナー(トークショー)など3本で単語としての「アニメ」の発音機会がありました

 13日(土)開催の「アニメ制作者の労働環境」。日本アニメーション学会との唯一の連動企画で、日本アニメーター・演出協会(JAniCA)事務局長の大坪英之さん、日本アニメーション学会会長で横浜国立大学教授の須川亜紀子さんが登壇。司会はアニメコラムニストの小新井涼さん。一番関心があったテーマです。文化庁委託事業「アニメーション制作者実態調査2023」(最新の2026は集計中)についての説明がありました。大坪英之さんは、やや起伏気味が3回ありましたが、他の7回は徹底して平板。複合語としての「アニメ制作者」や「アニメ・特撮アーカイブ機構」なども徹底して平板須川亜紀子さんは、やや起伏気味が3回ありましたが、他の5回は徹底して平板。当然の結果ですが、つい起伏気味になる場合がお2人ともあるのが少し気にはなりましたが、すっきりした気分で拝聴できました。
なお、小新井涼さんには発音機会はありませんでしたが、機会があったらどうだったのかは気になりますね。

 14日(日)開催の「マーガレット・M・ディーン×関弘美対談」。Women in Animation(略称WIA、アニメーション業界における女性の課題に取り組む国際組織)代表でアメリカ人のマーガレット・M・ディーン(愛称マージ)さん、東映アニメーションのベテランプロデューサー関弘美さん(私個人としては「明日のナージャ」でお馴染み)の対談。司会は、前述の須川亜紀子さん。マーガレット・M・ディーン(愛称マージ)さんは、全て英語ですが起伏気味2回のみ(ちなみに「マンガ」はアメリカ人には珍しく平板2回のみ)でしたが、やはり「アニメーション」と発音されるのが大半でした。関弘美さんは、平板8回のみで徹底していました。過去投稿と同様で変わりなく、ホッとさせてくれました。

 15日(月)開催の「日本アニメとは何か?いま世界で何が起きているのか」。イギリスの配信会社Anime Limited(アニメリミテッド)の元COOで、現在は講談社シニア・ビジネス・ストラテジストを務める(日本在住の)ジェシカ・ポーさん、細田守さんが設立したスタジオ地図のプロデューサー斎藤優一郎さん、当映画祭のディレクターの一人でアニメ関連のジャーナリストである数土直志さんが登壇。司会は数土直志さんが兼務。ジェシカ・ポーさんは、全て英語でしたが、起伏7回・平板15回で、完全に平板基調(なお、同時通訳の日本人は大半が起伏だったようですが、正確には不明)!。ちなみに、「マンガ」は、起伏1回・平板3回でこちらも平板基調。日本在住のせいか、外国人には珍しく「マンガ」も平板発音されましたね。斎藤優一郎さんは、起伏24回・平板11回で、完全に起伏基調。ちなみに、「映画」は平板4回のみ、「ゲーム」は平板1回のみ。数土直志さんは、起伏19回・平板4回で、こちらも完全に起伏基調。
 愕然としました。外国人のジェシカさんが圧倒的に自然な平板発音を披露してくれているのに、日本人お2人が基本的には起伏発音ばかりなのですから。斎藤さんは、「アニメーション」と発音することにこだわりがあるとのことで、「アニメ」と発音することに慣れていないようでしたが、元々は平板発音されている方と推察します。司会の数土さんが起伏発音を連発されている中でのご判断だったのでしょう。そのためつい自然に本音トークする際には平板発音が出たのだと思われます。数土さんは、これまで耳にした範囲では平板発音されていたように記憶していますが、かつては大学の教壇に、最近は専門学校の教壇に立たれることもあるそうなので、若い学生さんたちに向かってどう発音されるかは、特に今後のアニメ業界を担う若者たちに影響するので心配です。どうか平板基調になっていただきたいものです。

 長くなりましたが以上です。
同時通訳が一般化しているため外国人の生の発音を聴くのが困難な気がしますが、外国人の発音(アクセント)は無視され、通訳者である日本人の普段の発音(アクセント)に変えられてしまうわけで、新たな危惧要素に気づかされました。アニメ業界関係者(この投稿文では、アニメ業界人のほか、アニメ業界に関する批評・解説・論評・報道を行う方々までも含みます)は、正統的な発音である平板発音をどうか徹底していただきたいものです。映画祭のような比較的落ち着いたイベントでも、登壇者から起伏発音を聴かされるのは正直苦痛です。


2025年12月6日土曜日

ミンキーモモ

  「魔法のプリンセスミンキーモモ」は、1982〜1983年に全63話放送されたTVアニメです。ファンタジー色もあるオリジナル作品ということで「何でもあり」のバラエティ豊かな楽しい作風。他作品のパロディもあり基本的にはコメディタッチの作品です。葦プロダクション制作で故・首藤剛志さんなどが中心スタッフでした。アニメファンの人気も高かったですが、実は現在に至るまで全話完全視聴したことは無く、一部回しか知りません。OVA「夢の中の輪舞」も完全録画はできていません。なお、1991〜1992年に制作された続編は未視聴です。

 今回この作品を取り上げるのは、シリーズ本制作のためのビデオ鑑賞作業の中で、意外な発見があったからです。すなわち、作中に「アニメ」制作者が登場し、かつ、本編中で単語としての「アニメ」が発音される回があったのです!!!。1983年1月6日放送の第43話「いつか王子さまが」です。

 実は、「アニメーション」やアニメーター(の卵)が作中に登場する作品としては、1978〜1982年に放送された「銀河鉄道999」がおそらく最初と思われます。しかも複数回あります。1978年12月放送の第16話「蛍の街」(原作に有り)、1982年3月放送の第111話「惑星こうもり」(原作に無し))です。ただし、いずれもアニメーション制作を志す若者で、発音も(原作者の松本零士ご本人同様)徹底して「アニメーション」だけで、単語としての「アニメ」は登場しません。
 単語としての「アニメ」が本編中で発音される作品は、過去投稿で「史上初かも」と記載した1986年3月放送の「機動戦士ガンダムZZ」第1話(発音者はファ・ユィリィ役の松岡ミユキさん、ブライト・ノア役の鈴置洋孝さん。当然に全て平板発音)がありますが、実は「史上初」ではなかったわけです。
 「魔法のプリンセスミンキーモモ」第43話が放送された1983年は、まさしく「アニメブーム」の真っ只中でもあり、オリジナル作品である当作でも取り上げやすかったのでしょう。「アニメ」の時代の始まりですね。

 さて、その第43話ですが、発音機会があったのは3名。ミンキーモモ役小山茉美さん平板1回のみ、シンドブック役田の中勇さん平板1回のみ、そして当回の主役とも言える「王子さま」でアニメーター(コンクール出品用作品を制作中の実質アマチュア)のジョニー役鈴置洋孝さん平板5回のみ。合計7回で全員が徹底して平板発音でした。
鈴置洋孝さんは、偶然にも前述の1986年と両方に関わっていますね。

 至極当然のことですが、かつてのアニメブーム期(1977〜1985年頃)はこれが当たり前だったのです。「まとめ」ページなどにも追記したいくらい重要な事実(客観的証拠)で、もっと早く気付くべきだったと後悔しています。

 (※諸般の事情により、動画投稿はありません。)