2025年12月6日土曜日

ミンキーモモ

  「魔法のプリンセスミンキーモモ」は、1982〜1983年に全63話放送されたTVアニメです。ファンタジー色もあるオリジナル作品ということで「何でもあり」のバラエティ豊かな楽しい作風。他作品のパロディもあり基本的にはコメディタッチの作品です。葦プロダクション制作で故・首藤剛志さんなどが中心スタッフでした。アニメファンの人気も高かったですが、実は現在に至るまで全話完全視聴したことは無く、一部回しか知りません。OVA「夢の中の輪舞」も完全録画はできていません。なお、1991〜1992年に制作された続編は未視聴です。

 今回この作品を取り上げるのは、シリーズ本制作のためのビデオ鑑賞作業の中で、意外な発見があったからです。すなわち、作中に「アニメ」制作者が登場し、かつ、本編中で単語としての「アニメ」が発音される回があったのです!!!。1983年1月6日放送の第43話「いつか王子さまが」です。

 実は、「アニメーション」やアニメーター(の卵)が作中に登場する作品としては、1978〜1982年に放送された「銀河鉄道999」がおそらく最初と思われます。しかも複数回あります。1978年12月放送の第16話「蛍の街」(原作に有り)、1982年3月放送の第111話「惑星こうもり」(原作に無し))です。ただし、いずれもアニメーション制作を志す若者で、発音も(原作者の松本零士ご本人同様)徹底して「アニメーション」だけで、単語としての「アニメ」は登場しません。
 単語としての「アニメ」が本編中で発音される作品は、過去投稿で「史上初かも」と記載した1986年3月放送の「機動戦士ガンダムZZ」第1話(発音者はファ・ユィリィ役の松岡ミユキさん、ブライト・ノア役の鈴置洋孝さん。当然に全て平板発音)がありますが、実は「史上初」ではなかったわけです。
 「魔法のプリンセスミンキーモモ」第43話が放送された1983年は、まさしく「アニメブーム」の真っ只中でもあり、オリジナル作品である当作でも取り上げやすかったのでしょう。「アニメ」の時代の始まりですね。

 さて、その第43話ですが、発音機会があったのは3名。ミンキーモモ役小山茉美さん平板1回のみ、シンドブック役田の中勇さん平板1回のみ、そして当回の主役とも言える「王子さま」でアニメーター(コンクール出品用作品を制作中の実質アマチュア)のジョニー役鈴置洋孝さん平板5回のみ。合計7回で全員が徹底して平板発音でした。
鈴置洋孝さんは、偶然にも前述の1986年と両方に関わっていますね。

 至極当然のことですが、かつてのアニメブーム期(1977〜1985年頃)はこれが当たり前だったのです。「まとめ」ページなどにも追記したいくらい重要な事実(客観的証拠)で、もっと早く気付くべきだったと後悔しています。

 (※諸般の事情により、動画投稿はありません。)