(最初の段落は、一昨年8月27日・昨年7月22日の投稿と同文ですが、再掲します。)
アニメ聖地巡礼は、私も行ないますが、アニメファンの積極的行動形態の一つとして現在では広く知られるようになりました。自治体関係者や地元住民と積極的に関わるケースも珍しくなく、特に地元商店などとの交流やそこから派生する様々な動きは、(草の根の)地に足のついた息の長い交流形態として、真の意味での地域活性化の事例として社会的にも有意義なものと言えます。ある意味アニメ文化の最前線に立っていると言える一人一人のファンの言動は、とても大事です。「マナーが良い」「礼儀正しい」と各地でよく言われますが、それだけでなく特に単語としての「アニメ」の発音がしっかりしていないと困ります。アニメファンとまでは言えない多くの人々に対する「見本」「手本」となるからです。
4月2日にTBS系で放送の「マツコの知らない世界〜ニッポン再発見!春旅2時間スペシャル」。その前半(時間的には約3分の2)が「アニメ聖地巡礼の世界第3弾」。タレントのマツコ・デラックスさんが司会のバラエティー番組で、何と一昨年8月2日・昨年7月11日に続いてのアニメ聖地巡礼特集第3弾(!!!)です。今回は、海外の事例も多く紹介された一方、「温泉娘」などアニメ化されていないものも取り上げられたのは少し違和感がありました。番組制作者側は、地域活性化を重視した紹介番組にもしたかったようです。(後半(時間的には約3分の1)の離島特集も同様の趣旨のため、併せて2時間スペシャルにしたようです。)聖地巡礼好きのアニメファン5名(初出演は1名)が出演されていました。なお、( )内は前回、(( ))内は前々回の数値です。
公務員の鯛さんは、アニメツーリズム協会で「アニメ聖地88旅の思い出レポートコンテスト」で大賞を受賞したほどの方です。起伏3(1)((7))回・平板1(2)((8))回で、今回は起伏基調だったのが大変残念です。最近の悪しき傾向に毒されつあるのかもしれませんが、どうかアニメファンとして自覚・意識していただきたいものです。
動画クリエイターの中国人で来日後現在までに47都道府県の聖地を巡ったという軟軟冰(ビンビン)さんは、起伏1(3)((4))回・平板3(5)((6))回で、鯛さんとは逆に最後だけが起伏でした。最後まで平板だと良かったのですが、最近の悪しき傾向に毒されてはいない感じでした。
大学教員の伊月(刑部慶太郎)さんは、「らき☆すた」のガイドブック制作者としてコミケでも有名な方(会場で直接お話ししたことも数回あり)です。発音機会は起伏1(0)((0))回・平板2(1)((1))回でした。ずっと平板を徹底してきていたのに、1回だけ起伏気味だったのでショックでした。話の流れの中でつい、という感じだったので、大きな心配はなさそうですが。
公認会計士の夷(えびす)さんは、コミケで同人誌『聖地移住』も発行している方(「響け! ユーフォニアム」関連本も商業誌顔負けの超ハイレベル)で、直接お会いしたこともあります。秋田ご出身で当作がきっかけで宇治に移住された方です。起伏0(1)回・平板5(5)回でしたが、前回も起伏発音は周囲に引きずられただけという感じでしたので、今回のように徹底して平板だと、とても安心させられます。
今回初登場なのが、大学生(早稲田大学社会科学部)の中村花音さん。アニメ聖地巡礼を卒論のテーマにする人は珍しくありませんが、この方もその1人です。起伏3回・平板3回でした。最初の自己紹介時こそ起伏でしたが、終盤の聖地巡礼の社会的・経済的効果を力説する場面では徹底して平板。他の出演者に感化されたのかもしれませんが、これを機会に平板基調になっていただきたいものです。
ナレーションの声優玄田哲章さんは、相変わらず徹底して起伏でした。一方で、「アニメきっかけ」「アニメ放送」「アニメ聖地巡礼」という複合語の発音は、前回は起伏が1回だけありましたが、今回は徹底して平板。まあ、日本語としては当然のことなのですがね。やはり元々は単独語も平板発音されていたベテランが、最近の悪しき傾向に毒されて起伏に変えてしまったという感じが出ています。
肝心のマツコ・デラックスさんは、起伏6(9)((4))回・平板2(4)((8))回でした。今回も起伏基調でしたが、「アニメ聖地」「アニメ聖地巡礼」という複合語の発音は前回同様徹底して平板。聖地巡礼に限らずアニメに関する話題の際は、単独語としての「アニメ」も平板基調であっていただきたいものですが、希望は感じられる状況とは言えます。
総じて、大きな変化はありませんでした。数少ない出演機会はイヤでも印象に残ってしまうので、アニメファンらしい発音を徹底していただけることを心から望んでいます。
(※諸般の事情により、動画投稿はありません。)