2023年7月22日土曜日

聖地巡礼とファン 2

 (最初の段落は、昨年8月27日の投稿と同文ですが、再掲します。) 
 アニメ聖地巡礼は、私も行ないますが、アニメファンの積極的行動形態の一つとして現在では広く知られるようになりました。自治体関係者や地元住民と積極的に関わるケースも珍しくなく、特に地元商店などとの交流やそこから派生する様々な動きは、(草の根の)地に足のついた息の長い交流形態として、真の意味での地域活性化の事例として社会的にも有意義なものと言えます。ある意味アニメ文化の最前線に立っていると言える一人一人のファンの言動は、とても大事です。「マナーが良い」「礼儀正しい」と各地でよく言われますが、それだけでなく特に単語としての「アニメ」の発音がしっかりしていないと困ります。アニメファンとまでは言えない多くの人々に対する「見本」「手本」となるからです。

 7月11日にTBS系で放送の「マツコの知らない世界〜アニメ聖地巡礼の世界第2弾」。タレントのマツコ・デラックスさんが司会のバラエティー番組で、何と昨年8月2日に続いてのアニメ聖地巡礼特集第2弾(!!)です。聖地巡礼好きのアニメファン4名(前回の3名+1名。さらに別に、岡山から小豆島に移住された方もビデオ出演していましたが「アニメ」の発音機会なし)が出演されていました。なお、( )内は前回の数値です。
 公務員の鯛さんは、アニメツーリズム協会で「アニメ聖地88旅の思い出レポートコンテスト」で大賞を受賞したほどの方です。起伏1(7)回・平板2(8)回で、最初は平板だったので、できれば最後まで徹底していただきたかったです。
 動画クリエイターの中国人で来日後現在までに47都道府県の聖地を巡ったという軟軟冰(ビンビン)さんは、起伏3(4)回・平板5(6)回で、最初は平板でしたが、途中で「ニ」にアクセントを置く起伏気味の時もありました。
 大学教員の伊月(刑部慶太郎)さんは、「らき☆すた」のガイドブック制作者としてコミケでも有名な方(会場で直接お話ししたことも数回あり)です。発音機会はたった1(1)回でしたが、今回も当然に平板のままで安心しました。
 そして今回が初出演となる公認会計士の夷(えびす)さん。コミケで同人誌『聖地移住』も発行している方(「響け! ユーフォニアム」関連本も商業誌顔負けの超ハイレベル)で、直接お会いしたこともあります。秋田ご出身で当作がきっかけで宇治に移住された方です。起伏1回・平板5回でしたが、起伏発音は周囲に引きずられただけという感じでしたので、基本的には平板発音の方です。番組中でも、「聖地移住」は「地方移住」の中でも地方創生として特に望ましい事例であることを明言されていました。
 このほか、インタビュー出演していた訪日外国人の方々では、ブラジル人男性3名のうち2名に日本語での発音機会があり、1名は(日本人インタビュアーにつられたのか)起伏1回、もう1名は起伏平板各1回でした。ナレーションの声優玄田哲章さんは、残念ながら相変わらず徹底して起伏でした。また、小豆島ロケでご出演の地元の「姐さん」こと薮脇さんは、発音機会が1回のみあり、大変残念ながら起伏でした。
 肝心のマツコ・デラックスさんは、起伏9(4)回・平板4(8)回でした。前回よりも起伏基調だったのが大変残念ですが、最初は起伏だったのに途中で自然な感じで平板になったりしていましたし、平板基調へ戻っていただければと思います。
 なお、前回と違うのが、「アニメ聖地」「アニメ聖地巡礼」という複合語の発音機会が比較的多く、ナレーションの玄田哲章さんも1回のみ起伏でしたが他は全て平板でしたし、マツコ・デラックスさんも全て平板でした。そして何よりも、番組スタッフ(アシスタントディレクター?)が声のみ出演する形で、「アニメ聖地巡礼」はもちろん、単独語としての「アニメ」も発音機会が1回ありました。全て平板発音でした。何だかとてもホッとさせられました。アニメのことがわかっている方々ならば、やはり自然に平板発音していただけることがはっきりしたからです。

 総じて、心配したほどひどくはなく、意外な収穫もあった、という感じです。アニメファンがテレビ(それも地上波のゴールデンタイム)に出演することは昔からありますが、数少ない機会は出演者側も視聴者側もイヤでも印象に残ってしまうので、アニメファンらしい発音を徹底していただけることを心から望んでいます。

 (※諸般の事情により、動画投稿はありません。)

2023年7月15日土曜日

一般芸能人 18

  テレビ番組での(アニメ業界関係者ではない)一般芸能人の「アニメ」の発音について、やや寝かせすぎた古い情報が多いです(最新のいくつかは後日別テーマで取り上げます)が、久々にまとめます。


 2月23日にNHK総合で放送の「100カメ」の「進撃の巨人」の回。現在の制作会社であるMAPPAの中にカメラを設置して密着録画取材するものです。お笑いコンビのオードリーのお2人のうちツッコミ側の若林正恭さんに発音機会があり、起伏2回・平板1回でした。最初が平板だったのに後は連続して起伏だったので、少し残念です。現場スタッフ(業界人)に発音機会は特に無く、番組制作者などの指導も無いはずなので、もともと発音が混在されている方なのでしょう。こういう方々には、できれば平板発音を徹底していただければと思います。

 CSフジテレビONEで放送中の「漫道コバヤシ」。漫画好きタレントのケンドーコバヤシさんが漫画家など業界関係者を訪問してインタビューなどをする番組です。
 3月16日初回放送の「機動警察パトレイバー・誕生35周年記念スペシャル」の回。漫画家のゆうきまさみさんは、1980年代にアニメ雑誌などでも活躍していた方(私より少し上の世代)なので当然ながら、発音機会6回とも徹底して平板で、私を安心させてくれました。それに合わせたのか、普段は起伏基調と言えるケンドーコバヤシさんも、発音機会1回のみでしたが平板でした。こういうマンガ・アニメ関係の情報番組はこうであってほしいものです。
 3月25日初回放送の「10周年公開収録スペシャル」の回。発音機会は意外にもバカリズムさんの1回のみですが、いつものように自然な平板発音で、こちらも私を安心させてくれました。

 4月29日にNHKBSプレミアムで放送の「ジブリパーク”本物”への挑戦・滝沢カレンがのぞいた舞台裏1000日」。タレントの滝沢カレンさんは、起伏1回・平板2回で、少し意外でした。以前は起伏発音だった印象があり、今回は最初が平板発音だったのは嬉しかったですね。他に発音機会のある出演者はいなかったため、ご本人が平板基調になっていっていただければと思います。


 総じて、最近は起伏発音ばかりの一般芸能人も増えていますが、まだまだ平板発音はしっかり息づいているとも感じます。現在の嫌な空気(起伏発音者の急増)は何とかしたいものですが。

 (※諸般の事情により、動画投稿はありません。)