過去投稿でも取り上げたCSファミリー劇場「声優のホンネ」。ベテラン(声優歴30年以上)の方々どうしの対談形式で行われるトーク番組です。約1年ぶりの「シーズン2」が(なぜかインターネット配信の方が先行して昨年のうちに公開済みらしいですが)放送されました。収録は昨年後半(半袖姿の方も!)のようです。今回は2回のみです。
1回目は2月28日放送で、田中真弓さんと山口勝平さん。後輩にあたる山口勝平さんは、7回の機会があり徹頭徹尾平板でした。「名探偵コナン」など長寿番組が多くベテランが多い(コナン役の高山みなみさんは起伏発音が目立つ)中で、大変心強いです。元々漫画好きで有名な方ですが、アニメも元々好きな方らしいです。共演する他のベテランさんたちにも良い影響をぜひ与えていただきたいものです。なお、「ドラマ」も3回の発音機会があり、全て平板でした(「アニメ」が平板なら何も問題はありません)。先輩にあたる田中真弓さんは、過去投稿でも取り上げたように、起伏発音も少なくない(昔のアニメブームの頃はそうではなかったような気がする)方なのですが、今回は6回の発音機会で、起伏と平板が見事に半々でした。話の主導権を山口勝平さんが持っている場面が多かったせいか、それに少し合わせた感じの時もありました。
2回目は3月13日放送で、大塚明夫さんと山寺宏一さん。後輩にあたる山寺宏一さんは、13回の発音機会があり徹頭徹尾平板でした。これまでと変わらず大変嬉しいです。なお、「ドラマ」「ゲーム」もそれぞれ2回・1回の発音機会があり、全て平板でした(「アニメ」が平板なら何も問題はありません)。先輩にあたる大塚明夫さんは、過去投稿でも取り上げたように、起伏発音も少なくない方なのですが、今回は5回の発音機会で、最初の1回のみ平板で、他は全て起伏でした。山寺宏一さんよりも最近のアニメをしっかりご覧になっているらしいですが、もしかするとキャラクターが作中で起伏発音している作品も含まれていてその悪影響を受けてしまっているのかもしれません。なお、「ドラマ」も2回発音機会があり、いずれも平板でした。話の主導権を山寺宏一さんが持っている場面が多かったせいか、最初の1回は明らかに合わせた感じでしたが、その後はご自分のペースで話されたためか起伏だったのだと思われ、やはり元々起伏基調の方のようです。しかも「アニメ」よりも「ドラマ」の方が平板化している感じで、アニメ出演も多い声優さんとしては大変残念です。
以上のように、奇しくも話の主導権を握る後輩側が徹底した平板発音を披露していただけて、安心させてもらえたのは良かったのですが、ベテランであっても起伏基調の方が少なくないのがどうにも不安材料です。ただでさえアフレコ現場ではベテランは1名くらいしかいないことも多い昨今、しかも新型コロナウイルス対策で全員が同席せず別録り中心の体制が続いており、ベテランが若手に手本を示す機会が皆無に近いです。大塚明夫さんがご自身の姿勢として話されていましたが、場の雰囲気が尖らないように、思っていることをストレートに口にするのを控える傾向もあるようです。これでは「先輩の芸を盗む」「先輩の態度を見習って物事を覚えていく」といった体制は望み薄です。「平板発音が当たり前」という伝統は、きちんと受け継がれていけるのでしょうか・・・。いずれにしろ、「平板発音を当たり前に自然に行なってきた」ベテランさんたちが、その態度で周囲に手本を示す機会がもっともっと増えてほしいものです。
(※諸般の事情により、動画投稿はありません。)
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