最近また「声優ブーム」という言い方が安易になされているようです。正真正銘のブームと呼べる「声優ブーム」は過去に3度ありました。1960年代後半の洋画や海外ドラマの吹替声優(若山弦蔵さん、野沢那智さんなど)が脚光を浴びたのが第1次、1970年代後半から1980年代前半のアニメブームと共にアニメ声優(富山敬さん、神谷明さん、小山茉美さん、潘恵子さんなど)が男女問わず脚光を浴びた第2次、1990年代中盤から後半に主に女性声優(林原めぐみさんなど)がその音楽活動と共に脚光を浴びた第3次です。「第◯次」といった特定の期間は、その後はありません。
2000年代以降は、確かに声優が注目された感じ(テレビで声優特集が組まれるなど)の時期は何度かありましたが、もはや「声優」という存在がごく一般的な「当たり前の」「普通の」存在として「定着」した状況なので、「特集されたら即「ブーム」」というわけではありません。ですから、「声優ブーム」という表現はもう使わないでいただきたいものです。いい加減知ったかぶり(訳知り顔)はやめていただきたいし、声優をバカにしたり特別視したりしないでいただきたいものです。(全く同様のことは「アニメ」文化自体に対しても言えます。)
確かに、「鬼滅の刃」を契機として、その出演声優が脚光を浴び、他の比較的人気が高いアニメ(「呪術廻戦」「進撃の巨人」など)の出演声優も含めてテレビのバラエティー番組で何度も特集が組まれたりしています。「鬼滅の刃」自体は確かに「ブーム」(もう半年くらいは続きそう)と言えますが、バラエティー番組での声優一般の特集はもう途切れるでしょう。その意味では「ブーム(一過性の現象)」と言えなくもないですが、完全に定着した普通の存在、テレビに出てもおかしくない存在、「このくらい(時々特集が組まれること)は当たり前のこと」、という認識に世間(というかマスメディア)がなっていただきたいものですね。
前置き(総論)が長くなりましたが、やっと本題です。
去る11月23日に日本テレビ系で放送の「踊る! さんま御殿!!〜人気声優&アニメ好き有名人SP」。明石家さんまさんは、発音機会5回のうち、ゲストの俳優佐々木大介さんの起伏発音(発音機会3回とも)につられる感じで1回だけ起伏発音気味でしたが、他は全て自然な感じの平板発音でした。過去投稿にもあるように元々の平板発音に戻っていただけているので、もう大丈夫でしょう。ゲストのお笑い芸人岩井勇気さんも、発音機会4回のうち、(やはりつられて?)1回だけ起伏発音気味でしたが他は全て平板発音でホッとしました。最近は起伏発音が多めだったので、良い傾向です。タレントの中川翔子さんも、発音機会は1回のみでしたが、雰囲気につられたのか(?)久々に平板発音していただけて、嬉しかったです。今後も平板基調になっていただきたいものです。発音機会があった声優さんは3名。林勇さんは発音機会1回のみで起伏、小林由美子さんは発音機会1回のみで平板、諸星すみれさんは(元々は起伏発音されている感じの方ですが)起伏と平板が1回ずつでした。結局起伏・平板が混在している皆さんに共通して言えるのは、その場の話の流れなどに左右されている感じだということです。バラエティー番組の雰囲気(視聴率が高いと思われている番組は特に)は、本当に影響力が大きいのでしょうが、雰囲気などに動じない強い自信を皆さんが持っていただければと思います。
お笑い芸人に声優(アフレコ)体験をさせるバラエティー番組もありますね。去る10月19日にフジテレビ系で放送の「火曜は全力! 華大さんと千鳥くん・大喜利&6練単2時間SP」。声優をバカにしているわけではないようですが、アフレコをなめないでほしい気はします。本職の声優さんが感想を述べていたのは評価します。出演したお笑い芸人の中で唯一発音機会があった大悟さんは、発音機会は1回だけですが平板で、とても好感を持ちました。40代前半の方ですが、きっと元々アニメ好きなのだろうと推測されます。ナレーションの声優遠藤綾さんが(発音機会は1回のみですが)起伏だったのが余計に残念です。
もう1点触れさせてください。声優の林原めぐみさんが、今年の「ベストジーニスト賞」を受賞されました。「最もジーンズが似合う有名人」に選ばれたわけです。去る11月25日に授賞式があり、登壇して発言するご本人の様子がYouTubeのニュース関係チャンネルなどで公開されています。「声優ブームに乗っかって受賞できたのかも」とおっしゃっていました。発音機会3回のうち一番大事な最初の部分でしっかり平板発音してくれてホッとしました。数年前は起伏発音ばかりになってしまっていましたが、(2017年2月6日に某ラジオ番組の投稿コーナーへ直接メール送信して私(もちろん本名も明記)の思いをお伝えして以降は)徹底して平板発音という感じになっていただけていたので、信じていました。(最後の方の2回は起伏発音になってしまったのが残念ですが、息継ぎのせいもあった感じ(?)なので、今後は大丈夫でしょう。)
いずれにせよ、声優(文化)もアニメ(文化)も、決して「ブーム(一過性の現象)」ではなく、完全に人気も定着している現代文化なのだ、時々話題が盛り上がっても「ブーム」なんていう軽薄な現象ではない、当たり前の出来事なのだ、という認識が早く定着してほしいものです。
今年の投稿はこれで最後です。来年1月以降の投稿テーマも複数決定済みですが、まずは元旦夜(予定)のコミケ参加報告をお楽しみに。
(※諸般の事情により、動画投稿はありません。)