2020年12月26日土曜日

内と外(本音と建前?)

  身内や仲間内など比較的親しい間柄での言葉遣いと、初対面の相手や世間一般を相手にする際の言葉遣いとが異なるのは、よくあることではあります。「アニメ」の発音についても、そのような意識の違いがあるのかもしれません。

 最近「鬼滅の刃」で知名度向上・メディア露出過多気味の歌手LiSAさんなどは、それが顕著なようです。以前はアニソンイベントなどでも平板発音をされていた方だったのですが、最近は一般の音楽番組やニュース番組などでのインタビューに答える際は起伏発音が目立ちます。
 ところが、去る11月1日にBSプレミアムで放送の「アニソン!プレミアム!」に出演された際は、実家の祖母の話題で嬉々として、堰を切ったように徹底した平板発音でお話しされていました。「身内」意識のようなものが働いてリラックスできたということなのでしょうか?
 また、声優さんなどでも、一般視聴者相手のインタビュー番組などでは起伏発音される一方で、声優仲間同士のおしゃべりの様子などでは平板発音されている、という例も見かけます。

 「アニメ」がもともと平板発音で浸透していったという歴史的経緯から言っても、起伏発音の方が「公式」であるなどということは全くありませんし、そう考えた結果使い分けているのだとしたら、勘違いも甚だしいです。また、「内」と「外」を使い分けるのではなく、むしろ「外」に対してこそ、自信と誇りを持って平板発音を披露していただきたいものですね。今回の「鬼滅の刃」人気で、アニメに縁遠かった人々がメディアを通じて「アニメ」の発音に触れる機会が多くなっているような場合は、特に。

 (※諸般の事情により、動画投稿はありません。)



 

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