2018年4月7日土曜日

業界人2(監督)

 本日(4月6日)高畑勲さんの訃報が流れました。テレビアニメ黎明期から活躍されるアニメ界4大巨匠のお一人で、東映動画系の重鎮でした。他の御三方のうち出崎統さんも早く亡くなりましたが、残る宮崎駿さん富野由悠季さんも既に引退気味ですね。個人的には、講演会などで直接生で接した(ただし会話は無し)ことが数回あり、4大巨匠の中では最も接近した形の方でした。大方の予想通り「かぐや姫の物語」が遺作となりましたか・・・やはり残念です。
 「アルプスの少女ハイジ」「母をたずねて三千里」「赤毛のアン」の名作劇場3部作がやはり印象深いです。特に「アン」は、普段アニメをバカにしている(でも「巨人の星」と「アタックNo. 1」だけは、本放送当時小学校低学年だった私よりもはるかに夢中で母と2人で絶賛していた)父が、再放送を当時大学生の私と一緒に観ていて「人間の心の機微が描かれている」と久々に絶賛していたほどだったのが、今でも強烈に印象に残っています。

 「アニメ」の発音に関しては、東映系の両巨頭である高畑さん・宮崎さんは昔から徹底して「アニメーション」としか発音されないため不明(※後日、高畑さんはしっかり平板発音されていることが判明しました。)な一方、虫プロ系の両巨頭である富野さん・出崎さんはいつも徹底して平板発音されてきました。
 監督クラスの方はメディアへの露出など私たち素人が接する機会も比較的あるため、発音が確かめやすいです。いちいちお名前はあげませんが、ベテランはもちろん中堅・若手クラスでも昔から平板が当たり前です。(最近でも「君の名は。」で一躍時の人となった新海誠さんもいつも平板で安心させられます。) 業界人なのですから当然ですね。
 しかしながら、監督クラスでも起伏発音される方がたまにいらっしゃることに愕然とします。(例えば、私が知る範囲では谷口悟朗さんとか。)異業種企業とのコラボなどで非業界人と接する機会が多い方だったりする場合、そうなってしまう可能性があるのかもしれませんが、どうか「玄人」「匠」としての自信と誇りを持って、アニメ文化の未来を確かなものにするため正統な発音である平板発音に徹していただきたいと思っています。

2018年4月5日木曜日

NHKアナウンサー(ガンダム)

 NHK総合の「歴史秘話ヒストリア」のスペシャル版「歴史秘話ガンダムヒストリア」という番組が、先日(4月2日)BSプレミアムでたっぷり1時間放送されました。
 来年40周年を迎えるガンダムシリーズですが、今年5月5日に久々にNHKでの大型特番も放送予定らしいです。そのためのおさらいということなのか、大半の作品をびっくりするくらい細かくかつ的確に解説してくれました。それだけでもすごいことで、観てよかったと思いました。

 今回投稿したのは、(「SEED」のみ評論家の氷川竜介さんによる補足説明が少し入りましたが)全解説を担当した大ベテラン局アナウンサーの渡邊あゆみ(旧:久能木あゆみ、黒田あゆみ)さんについて取り上げたかったからです。
 昔から私も馴染みのある人気アナウンサーさんのお1人です。今回無事大役を果たされましたが、よどみなく自然な喋りはさすがです。1982年入局なので私より少し年上すなわちほぼ同世代の方ですが、もともとガンダムにも興味をお持ちだったのかもしれませんね。番組中「アニメ」という単語を約10回発音されましたが、(ナレーションを含む2回以外すなわち)大半が自然な平板発音でした。
 最近のNHKの局アナウンサーさん方の中ではむしろ少数派なのかもしれませんが、昔はもっと多くの方々がごく自然に平板発音をされていました。過去投稿でも取り上げた山根基世さん上田早苗さんをはじめ、他にも何名か把握しています。過去の大型特番では、2005年放送のBSアニメ夜話スペシャル「まるごと機動戦士ガンダム」での若手局アナウンサー里匠さんいつものように起伏発音ばかりでしたが、やはりベテランは違いますね。
 今一度申し上げたいです。NHK自身のアクセント辞典でも「推奨できる発音」として平板発音がしっかり認められているわけですし、アニメ関連の特番では局アナウンサー(すなわちアニメ業界関係者ではない方々)と言えども「通」の発音として平板発音を心がけていただければと思います。何と言っても、テレビ局アナウンサー、とりわけ全国の高年齢層にも親しまれているNHKの方々は、社会的影響力が大きいですから。

 (※諸般の事情により、動画投稿はありません。)