2025年5月31日土曜日

業界人 6

 最近のテレビ番組の感想で、アニメ業界人(製作または制作に直接関わる方々で、声優などアニメ専業でない方々を除く)を中心にまとめます。


 まずは、CSのAT−Xで不定期放送中の業界人インタビュー番組2本。

 「松倉家」。
 アニメ制作会社J.C.STAFF のチーフプロデューサーで手がけた作品数は業界随一と言われる松倉友二さんは、常に徹底して平板発音。当然です。こういう方の発音が揺れる(起伏発音が混じる)ようになったらおしまいです。
 1月放送の第11・12回は、音響関係者第2弾。音響監督の小山恭正さん平板6回のみ(「ゲーム」は起伏1回のみ)、音響制作会社マジックカプセルのサウンドミキサー進藤公隆さん平板2回のみ(「ドラマ」「ゲーム」も平板各1回のみ)。ちなみに松倉友二さんも「ドラマ」は起伏1回のみ。フリーアナウンサーの八木美佐子さんは、収録済みで使い回しのナレーションを別にすれば、番組内で顔出し出演時の発音は平板1回のみ。
 4月放送の第13・14回は1周年記念で3月23日「新宿歌舞伎町・ロフトプラスワン」での公開収録。第1部ゲストの声優さんたち3名中唯一発音機会があった渡部紗弓さんは、残念ながら起伏1回のみでしたが、第2部ゲストのプロデューサーさんたち3名中発音機会があったワーナーブラザースジャパン(元・にっかつ)志治雄一郎さんとトムス・エンタテインメント(元・KADOKAWA)の佐藤史子さんは、いずれも平板2回のみ。八木美佐子さんは、番組内で顔出し出演時の発音はこちらでも平板1回のみ。大変良い傾向ですね。

 「明日へのセル画」。
 1月放送の第7・8回はプロデューサー2名。発音機会があった東映アニメーションの関弘美さんは、やや起伏気味が1回あった以外は、平板6回のみ。ただし、ナレーション担当の声優大谷育江さんは、起伏1回のみ。
 同じく1月放送の第9・10回は脚本家2名。関島眞頼さん平板11回のみ、根本歳三さん平板7回のみ。ただしナレーション担当の声優川澄綾子さん起伏1回のみ。司会のお笑い芸人(ティモンディ)の前田裕太さんは、起伏4回・平板1回。
 3月放送の第11・12回は、音響関係者2名。発音機会があった音響監督の三間雅文さん平板1回のみ。今回は司会ではなくナレーション担当の前田裕太さんは、起伏平板各1回(平板が先)。


 次に、CSの衛星劇場で不定期放送中のOVA特集。

 1月放送の「ブラックマジックM-66」「御先祖様万々歳!」。アニメ脚本家の上江洲誠さんが解説。起伏5回・平板4回。脚本家はフリーが基本でアニメ専業ではないため厳密には「業界人」ではありませんが、上江洲さんはアニメ専業のようです。そのため、少し気になりました。
 1・2月に前後編に分けて放送された「特別番組・押井守とOVA」。監督の押井守さんは、いつもと変わらず当然に平板5回のみ。司会のニッポン放送アナウンサー吉田尚記さんも今回は平板1回のみ。ゲストに合わせたのかもしれませんが、アニメ関連番組では今後も平板発音を徹底していただければと願っています。ただしナレーション担当の声優内田大加宏さん起伏2回のみ。

 そして、3月27日にNHKBSで放送の「グローバルヒットメーカー・ジャパンアニメの革新者たち」。アニメ映画「ルックバック」などの監督押山清高さんは、平板3回のみ。当然のことですが、やはりホッとしました。最優秀アニメーション作品賞を受賞した日本アカデミー賞授賞式では発音機会がなかった(3月29日放送の完全版で確認)ため、気になっていたのです。一方で、ナレーションの俳優南沙良さんは、残念ながら起伏1回のみ。アニメ制作会社MAPPA社長の大塚学さんは、起伏2回・平板1回で、少しショックでしたが、くれぐれも発音には気をつけていただきたいものです。ちなみに、最大のショックは、アニメ・特撮研究家の氷川竜介さんが、(発音機会は1回のみですが、息継ぎの関係か何かでたまたまかもしれませんが、)私の知る限り初めて起伏気味の発音をされたことです。正直耳を疑いましたが、あの氷川さんでさえ、周囲からの悪影響を受けているのかと愕然としました。


 今回は、以上です。業界人(やその周辺)でも予断を許さない事態に変わりありませんね。どうか、「最後の砦」とも言える業界人の方々には、くれぐれも平板発音を徹底していただきたいと切に思います。

 (※諸般の事情により、動画投稿はありません。)


2025年5月11日日曜日

素人 8

 アニメ業界人ではないビジネス関係者や素人のアニメファン(特に外国人)の「アニメ」の発音について、落ち葉拾い的にまとめて取り上げます。


 NHK総合で放送中の「NHKスペシャル〜新ジャポニズム」シリーズ。
 1月5日放送の第1回「MANGA・ わたしを解き放つ物語」。ジンバブエ人の男性が、英語ですが明らかに平板2回のみ。「マンガ」が起伏2回のみだったのとは対象的で、印象に残りました。英語の一般的な辞書では「アニメ」「マンガ」ともに起伏発音が明記されているのにです。その他の英語での発音は、女性ナレーター起伏1回のみ、アメリカの配信会社の野村麻里子さんが(大変残念ながら)起伏2回のみでした。日本語での番組ナレーションも、局アナウンサーの守本奈実さん起伏3回のみでした。まあ、外国人であっても(「マンガ」と違って)平板発音してくれる方々は少なくないことが確かめられた回でした。
 3月16日放送の第2回「J−POP・“ボカロ”が世界を満たす」。唯一発音機会があった配信会社「Spotify Japan」(音楽ストリーミングサービス)の芦澤紀子さんが、自然な平板1回のみを披露してくれて、とてもホッとしたし嬉しかったです。アニメに理解のある方は、業界人でなくても自然に平板発音していただければ、こうあってほしいなあと思うものです。

 CSのAT−Xで放送中の「R指定アニメ」。1月26日放送の「AT−Xアニメランキング2024」では、1994年オーストラリア生まれのハーフで、アニメなどについて紹介から批評・提言まで行うYouTubeチャンネル「The Anime Man」を運営するジョセフ・テツロウ・ビジンジャ―(Joseph Tetsuro Bizinger)さんが、日本在住者らしく達者な日本語で、起伏7回・平板8回で、途中で起伏基調になった以外は平板基調という感じで、とても嬉しかったです。日本語も話せる外国人なので、平板基調を維持していただければ(できれば平板発音が徹底していただければ)、と切に思います。


 (※諸般の事情により、動画投稿はありません。)