2025年1月25日土曜日

「アニメ」と「ゲーム」

 単独語としての「アニメ」の発音を考えるに当たって、隣接分野や関連語とも言える「マンガ」「ドラマ」「映画」「コミケ」について過去に取り上げましたが、今回初めて「ゲーム」について正面から取り上げます。


 2024年8月にNHK教育でも放送の「世界サブカルチャー史・欲望の系譜4・21世紀の地政学〜ゲーム編」(全3回)。「アニメ」の発音機会はありませんでしたが、「ゲーム」の発音機会は2名ありました。ジャーナリストの徳岡正肇さん起伏3回・平板4回(最初は平板)、ゲームデザイナー(個人的にはアニメ中心サブサル雑誌『月刊OUT』の「ゆう坊の出たとこまかせ」で、ドラクエで有名人になる前から知っていた)堀井雄二さん起伏3回のみ。ただし、堀井雄二さんは1988年当時の映像内でのものです。

 2024年8月30日にCSのAT−Xで放送の「AT−Xが海外にちょっと行ってみた」。アメリカのアニメエキスポ2024の現地レポート番組です。「アニメ」の発音機会は、一般参加者としてのアニメファン男女各1名、出展企業関係者としてのアニメイト外川明宏さん、ナレーション担当の声優ゆかなさんにありました。アニメファンはいずれも日本人声優による吹替音声で日本人声優(坂征蔵さん日野まりさん)が徹底して起伏発音のみでしたが、ゆかなさん起伏平板各1回(最初は起伏)でした。しかし、外川明宏さんは、起伏1回のみでした。その外川さんにのみ「ゲーム」の発音機会もり、何と平板1回のみでした。アニメ関連店舗であるアニメイトの関係者が「アニメ」よりも「ゲーム」を平板発音するなんて、由々しき事態です。

 2024年6月にCSのAT−Xで初回放送の「Club AT-X」第520回(「22時のおやつ」)では、声優の津田美波さん「ゲーム」のみ発音機会があり平板2回のみでした。ゲーム好きなら、声優さんなどでも平板発音される方はいらっしゃいますね。「アニメ」もきちんと平板発音していただければ問題ないのですが。(同回では、過去投稿で取り上げたフリーアナウンサーの檜山沙耶さんが、「アニメ」平板2回のみで「ゲーム」起伏1回のみだったわけですから。)

 2024年12月13日にNHK教育で放送の「スイッチインタビュー〜バカリズム×堀井雄二(2)」。「ゲーム」については、前述の堀井雄二さんは今現在の発音としては平板1回のみ、バカリズムさん起伏6回のみ、ナレーションの古田新太さん起伏1回のみでした。なお、「ドラマ」については、最初に発音機会があった堀井雄二さんが平板8回のみと徹底していたせいか、それにつられた感じのバカリズムさんも起伏1回・平板10 回(起伏は途中でたまたまいつもの発音に戻ったという感じで出ただけ)、古田新太さんは起伏4回・平板1回(最初だけ平板)でした。「ドラマ」の平板発音化が進んでいる感じがある中、「アニメ」の発音機会がありそうで戦々恐々とさせられました。最終的には誰も発音機会なしでホッとさせられました。過去投稿にもあるようにバカリズムさんは「アニメ」は徹底して平板ですが、もしも堀井雄二さんが起伏発音したとしたらつられて起伏になった可能性はゼロではないですから。なお、「映画」については、バカリズムさんにのみ発音機会があり、平板1回のみでした。


 「アニメ」「ドラマ」「ゲーム」は、ある意味ライバル関係にあります。発音のあり方は、その人にとっての馴染みの深さが反映される(馴染み深いものほど平板化しやすい)はずですので、いつもドキドキものです。できれば、過去投稿でも取り上げたアクセント辞典の記述からもわかるように、平板発音比率は「アニメ」が最も高い状況が続いてほしいと願っています。 
 
 (※諸般の事情により、動画投稿はありません。)


0 件のコメント:

コメントを投稿