2024年9月29日日曜日

現代誤訳

 この夏クール(7〜9月)の新作アニメの中でも異色の存在だった「現代誤訳」。声優の津田健次郎さん&浪川大輔さんがプロデュース(アニメ本編中にも出演)し、岩井勇気さんをはじめとするお笑い芸人が書いた脚本(偉人の名言をコンセプトにしたコント)で、動物着ぐるみ姿のキャラが演じる舞台劇(楽屋も含む)アニメ、そのメイキング(アニメ制作よりも企画段階が中心。アフレコならぬプレスコ現場の音響監督側からの中継もあり)のドキュメンタリー、の二部構成の30分深夜オリジナル作品(全12話)です。キングレコードなどが制作に関わっています。

 アニメ作中では、どのキャラにも「アニメ」の発音機会はありませんでした。メイキングでも、スタッフ側ではキングレコードのプロデューサーと思われる方1名(林玄規さんと思われますが正確には不明)にのみ発音機会があり、業界関係者として当然ながら平板2回のみ(第1・4話)でした。また、岩井勇気さんは、平板2回のみ(第11・12話)でした。さすがです。

 津田健次郎さんは、起伏2回(第1・4話)、平板2回(第4・5話)。浪川大輔さんは、起伏16回(第1・2・4・6・10・12話。うち第10話では「ニ」にアクセントありが1回)、平板8回(第1・4・7・9・10話)。浪川さんは、特に第4話では、林プロデューサー(と思われる)や津田さんに合わせたのか平板発音を連発していましたが、終盤は起伏発音に変わりました(それにつられてか津田さんも最後は起伏)し、その後も第7・9話で良い感じの平板発音を続けていたのに、最終第12話では起伏発音に戻ってしまっていた、という感じです。どうしてこうなるのでしょうか。過去投稿にもあるように、両名とも起伏平板が混在している方々なのですが、特に浪川さんは、ベテランでありながら周りを意識して起伏発音に変えてきている感じなのが大変残念です。ちなみに、第2話では「ドラマ」についても発音機会があり、津田さんと浪川さんが平板各1回でした。「アニメ」の発音と比べると、由々しきことです。

 声優は、露出も多く目立つ存在なので、その動向を注視して行かざるを得ないのが実情です。こういった内輪ネタ暴露(メイキングのドキュメンタリー)がある作品は、実情がよくわかるので大変ありがたいです。もっともっと知りたいものです。
 また、「誤訳」ではないですが、「誤発音」ならぬ「不適切発音」「問題発音」を取り上げる番組があっても良いかも、という気も少しします。世間の関心を高めるためにも。
 
 (※諸般の事情により、動画投稿はありません。)

2024年9月21日土曜日

一般芸能人 21

 一般芸能人(アニメ歌手・声優以外の芸能人)について、最近気になったことがあったので優先して取り上げます。


 NHKBSで放送中の音楽番組「The Covers」。8月22日放送の「80年代アニメソングスペシャル」の回。ゲストは工藤静香さん。ナレーションの局アナウンサー池田伸子さんこそ徹底して起伏発音(計6回)でしたが、他のスタジオ出演者全員が起伏発音・平板発音の混在でした。司会2名のうちリリー・フランキーさんは、最初の2回は起伏でしたが、上白石さんの平板発音の後は平板になり、最後は起伏平板と続き、最終的には各3回。もう一人の司会である上白石萌歌さんは、過去投稿にもあるように元々平板発音されている方ですが、リリー・フランキーさんの起伏発音での解説の後、最初に工藤さんに呼びかけた際は平板、その後の会話の中では起伏気味で、最終的には各1回。ゲストの工藤静香さんは、大のアニメ好きとのことで、最初は明確に平板で、その後上白石さんが起伏気味に発音した後に2回連続で起伏気味になり、最終的には起伏気味2回・平板1回。何だか、お互いに意識し合っているような感じも受けましたが、どうもいけません。結局お三方とも元々平板発音してきているように思われますので、自信と誇りを持って平板発音に徹していただきたいというしかありません。

 8月4日にテレビ東京系で放送の「ガンダム 45th Anniversary Party!」。ガンダム45周年にまつわるスタジオトークバラエティーです。司会のカズレーザーさんは、最初のうちは平板でしたが、途中から起伏ばかりとなり、最終的には起伏5回・平板2回。発音機会があったゲストは2名のみで、歌手の西川貴教さんは、起伏で始まり、途中から平板になり、最終的には各2回。俳優の本郷奏多さんは、平板のみ(1回)。残念ながら、局アナウンサーの中原みなみさん起伏のみ(2回)、ナレーションの声優池田秀一さん起伏のみ(1回)。カズレーザーさんは、その場の状況に応じて変わるような感じで、今回は起伏が多かったのは、元々ご本人が起伏基調の方だったからということのようです。本郷さんは、ガンダム(ガンプラ)好きで複数のアニメ作品に出演経験があるせいか自然な平板発音で、好感を持ちました。西川さんも、平板基調に戻りつつあるようで、もっと自信と誇りを持って徹底していただければと思います。


 総じて、一般芸能人の方々は、アニメ業界との最近の関わり方によって(声優などから)悪影響を受けたりするので、むしろ直接の関わりが全く無いかしばらく無いような方々が平板発音されるケースも多いです。工藤静香さんなどはその例かもしれませんが、本郷奏多さんのような例もあるので、単純ではありませんが。とにかく、平板発音する(し続ける)方々が決して減ることのないように、と切に願うものです。

 (※諸般の事情により、動画投稿はありません。)