この夏クール(7〜9月)の新作アニメの中でも異色の存在だった「現代誤訳」。声優の津田健次郎さん&浪川大輔さんがプロデュース(アニメ本編中にも出演)し、岩井勇気さんをはじめとするお笑い芸人が書いた脚本(偉人の名言をコンセプトにしたコント)で、動物着ぐるみ姿のキャラが演じる舞台劇(楽屋も含む)アニメ、そのメイキング(アニメ制作よりも企画段階が中心。アフレコならぬプレスコ現場の音響監督側からの中継もあり)のドキュメンタリー、の二部構成の30分深夜オリジナル作品(全12話)です。キングレコードなどが制作に関わっています。
アニメ作中では、どのキャラにも「アニメ」の発音機会はありませんでした。メイキングでも、スタッフ側ではキングレコードのプロデューサーと思われる方1名(林玄規さんと思われますが正確には不明)にのみ発音機会があり、業界関係者として当然ながら平板2回のみ(第1・4話)でした。また、岩井勇気さんは、平板2回のみ(第11・12話)でした。さすがです。
津田健次郎さんは、起伏2回(第1・4話)、平板2回(第4・5話)。浪川大輔さんは、起伏16回(第1・2・4・6・10・12話。うち第10話では「ニ」にアクセントありが1回)、平板8回(第1・4・7・9・10話)。浪川さんは、特に第4話では、林プロデューサー(と思われる)や津田さんに合わせたのか平板発音を連発していましたが、終盤は起伏発音に変わりました(それにつられてか津田さんも最後は起伏)し、その後も第7・9話で良い感じの平板発音を続けていたのに、最終第12話では起伏発音に戻ってしまっていた、という感じです。どうしてこうなるのでしょうか。過去投稿にもあるように、両名とも起伏・平板が混在している方々なのですが、特に浪川さんは、ベテランでありながら周りを意識して起伏発音に変えてきている感じなのが大変残念です。ちなみに、第2話では「ドラマ」についても発音機会があり、津田さんと浪川さんが平板各1回でした。「アニメ」の発音と比べると、由々しきことです。
声優は、露出も多く目立つ存在なので、その動向を注視して行かざるを得ないのが実情です。こういった内輪ネタ暴露(メイキングのドキュメンタリー)がある作品は、実情がよくわかるので大変ありがたいです。もっともっと知りたいものです。
また、「誤訳」ではないですが、「誤発音」ならぬ「不適切発音」「問題発音」を取り上げる番組があっても良いかも、という気も少しします。世間の関心を高めるためにも。
(※諸般の事情により、動画投稿はありません。)