2022年5月28日土曜日

混在 3

  改めて述べるまでもありませんが、「アニメ」の発音について起伏平板が混在する方々はかなり多いです。最近特に気になった例をまとめてみます。
 今回は、音楽番組を中心に、声優さん以外を主に取り上げます。

 3月21日にNHK総合で放送の「アニソン!プレミアム!〜ウマ娘×競馬スペシャル」。出演者は多かったのですが、発音機会があったのはナレーションを含めてもわずか3名のみ。ナレーションの声優大西沙織さんは残念ながら発音機会4回全て起伏でしたが、司会の高橋茂雄さん起伏2回・平板1回、ゲストのオーイシマサヨシさん起伏1回・平板2回といずれも混在でした。お互いがお互いの影響を受けている感じがしましたが、過去投稿にもあるように元々混在している方々なのですが、高橋茂雄さんの平板発音は久々なので嬉しかったです。

 3月26日にNHK総合で放送の「SONGS OF TOKYO〜2022世界が聴きたいアニソンスペシャル」。司会の村上信五さんは、発音機会3回のうち最初の1回のみ平板でしたが後の2回は起伏気味でした。以前は平板だったのに、最近は起伏が増加している感じで、大変残念です。もう一人の司会であるホラン千秋さんは、発音機会は1回のみでしたがしっかり平板で、好感が持てました。ゲストで外国人のアニメファン(日本語は話せる)が5名出演されていましたが、発音機会があったのは3名。28歳フランス人女性のキムさんは発音機会3回とも全て平板でしたが、28歳イギリス人女性のありすさんと22歳ベネズエラ人男性のカイルさんはいずれも起伏平板が1回ずつでした。外国人でさえも混在するわけですが、日本人の悪い例に引っ張られて起伏発音するようなことだけはないように願うものです。ゲストミュージシャンの
FLOWでは、メンバー5名のうち発音機会があったのは2名。ベースのGOT'Sさんが発音機会1回のみで起伏だったのに対し、ボーカルのKEIGOさんが発音機会2回で1回目は平板で2回目は起伏気味でした。最初が平板だったのには「さすが」と唸らされましたが、周囲の影響を受けたのか平板が徹底しなかったのは少しショックでした。

 BS11で放送中の「Anison Days (アニソン・デイズ)」。
 バックコーラスを務めている声優4名のグループであるヒーラーガールズ。発音機会があったのは2名。リーダー格の礒部花凛さん起伏1回・平板2回で大変嬉しかったですね。基本的には平板発音されている方だと推測されます。熊田茜音さんも過去投稿では平板でしたが、今回は起伏でした。お2人の起伏発音がいずれも司会の森口博子さんの起伏発音の後であり、それに引っ張られた感じだったのが大変残念です。司会者の責任は重大ですね。
 声優の豊永利行さん、スピラ・スピカのボーカル幹葉さんも、起伏平板が混在していました。豊永利行さんは1回ずつでしたが、幹葉さん起伏3回・平板5回で間違いなく普段から平板基調の方だと確信しました。また、アニソンカフェでアルバイトしていた経験を持つという声優高槻かなこさんも、発音機会は1回のみですが平板で、嬉しかったです。

 4月23日にCSのAT−Xで放送の「アニメ応援ツーリズム」。昨年解散したアニソンアイドルグループ(「アニメ"勝手に"応援プロジェクト」で一般公募された素人集団から出発し、「おそ松さん」主題歌で知名度を上げたグループ)A応Pの元メンバーたちが、秩父などのアニメ聖地を訪問するバラエティ番組です。相変わらず起伏発音のメンバーが大半(巴奎依さん広瀬ゆうきさん星希成奏さん堤雪菜さん)でしたが、発音機会があった6名中、小嶋凛さん起伏4回・平板2回、(番組出演メンバー中最年長の)福緒唯さんはスタジオでこそ発音機会3回とも起伏でしたが撮影済みビデオ内では発音機会2回ともしっかり平板でした。素人のアニメファンっぽさが特徴だった当グループであってもやはり「通」らしい発音をする方々はいるのだ、と少し安心しました。今後は、是非とも平板基調の元メンバーが増えていっていただきたいものです。なお、司会は前回投稿でも取り上げたフリーアナウンサーの田口尚平さんで、起伏4回・平板1回と、かろうじて平板発音も披露していただけましたが、まだまだですねえ。ナレーションは、声優の竹内想さんですが、徹頭徹尾起伏でした。相変わらず声優さんたちの番組ナレーションの発音にはがっかりさせられます。
 
 以上、3回にわたって「混在」の方々を中心に取り上げてきました。司会者を含む出演者同士の相互作用(同調圧力)の存在は確かに感じます。ご本人の気持ちの変化などもあるかもしれません。混在する場合は、番組の性格(アニメファン向けの情報番組、アニメをテーマにした一般向け番組など)に基づいて、あくまで平板基調を前提とした混在状況がもっと増えることを願ってやみません。

(※諸般の事情により、動画投稿はありません。) 

2022年5月22日日曜日

混在 2

  改めて述べるまでもありませんが、「アニメ」の発音について起伏平板が混在する方々はかなり多いです。最近特に気になった例をまとめてみます。
 今回は、アニメ情報番組を中心に、声優さん以外を主に取り上げます。

 CSのAT−Xで放送の「R指定アニメ」。
 1月30日(3月20日再放送)の「ゆるキャン△」の回。ゲストのお笑い芸人西村瑞樹さん(バイきんぐ)が、発音機会は1回のみですが平板でした。「ドラマ」も発音機会2回とも平板でしたので、もともと平板発音に慣れている方なのでしょう。司会のROLANDさんは、起伏平板が1回ずつでしたが、同じく司会の田口尚平さんも今回は「混在」と言ってよい状態で起伏2回・平板4回と平板優勢だったのは、ゲストの影響なのでしょうか
 4月30日の「オッドタクシー」の回。ゲストのお2人(声優の飯田里穂さん、お笑い芸人の天津向さん)は、いずれも過去投稿同様にしっかり平板発音(お2人とも発音機会2回ずつで全て平板)でホッとしました。司会のお2人はいずれも混在でしたが、ROLANDさん起伏4回・平板2回、松澤千晶さん起伏2回・平板1回と、ちょうど2対1の比率で起伏優勢でした。もともと起伏基調の方々なので、ゲストが平板ばかりでもこの程度(平板ばかりにはならない)なのかもしれません。

 同じくCSのAT−Xで放送の「Club  AT−」。吉野裕行さんと松澤千晶さんが司会のアニメ情報番組です。松澤千晶さんは、第469回では平板1回・やや起伏気味1回、第472回では起伏3回・平板1回、第473回では起伏6回・平板2回と、だんだん起伏基調に戻ってきている感じなのが大変残念です。
 第472回は、声優の佐々木季子さんが発音機会2回とも平板だった後が松澤千晶さん唯一の平板発音でしたので、ゲストに引っ張られた形でしょう。同回では、声優の七瀬彩夏さんが発音機会2回とも起伏の一方、声優の徳井青空さんが発音機会2回とも平板(「ゲーム」も発音機会1回で平板)でしたし、前回投稿にもあるように声優の夜道雪さん起伏平板1回ずつだったので、ゲストのばらつきが結構大きかった中でのことです。
 第473回は、歌手の松澤由美さんが最初の1回のみ起伏でしたが、その後の3回は全て平板でしたので、普段から平板発音されているのに司会者に引っ張られて起伏発音された感じでした。逆に司会の松澤千晶さんがゲストに引っ張られて平板発音されたきらいもありましたね。

 フジテレビ系で放送中の「超逆境クイズバトル!99人の壁」。3月19日放送の「99秒の壁・芸能界頂上決戦SP」では、発音機会があったのは司会の佐藤二朗さんとゲストの中川翔子さんのみ。お2人とも起伏平板が1回ずつ(中川翔子さんは平板が先)でした。もともと混在されている方々なのですが、特に佐藤二朗さんは、以前は平板基調だったのが起伏基調になりつつあるのが気がかりです。
  
 以上、特に司会者(とりわけアナウンサー)の方々は、ゲストを立てる立場なのでゲストに合わせるのが本来の姿なのでしょうが、一概には言えないものですね。ただし、アニメ情報番組のような類の場では、伝統的な「通」の発音である平板発音に合わせる方向であってほしいものです。そのため、もともと平板発音されている方の場合は、ゲストが起伏発音であっても平板発音を維持し続けていただきたいと思います。

(※諸般の事情により、動画投稿はありません。)